ゆきポンが途中棄権してからさらに人の波の勢いは増し、完全に無言でただひたすら仕事をこなす僕ら2人。

あらかじめ決まっているメニューにも関わらず炙りサーモンを握れだの海老天巻きは無いのかだの刺身にうなぎのツメをかけろだの、オリーブオイルをくれだの、、あ〜外人っちゅーもんはほんまわがままじゃのう!、たいがいにしんさいよ〜!と思わずユジロスの広島弁が乗り移りそうになりましたが頑張ってひきつり笑顔で全部断りました。

そーいうのやってねーから!ってね。

明けない夜はない、止まない雨はない、春の来ない冬はない、出口のないトンネルはない、、、

いくつかの無責任な前向き言葉を思い出しながら自己を啓発し、結局最終的には無心状態でロボット化しかかっていた僕。

アイザック、アシモフのロボット3原則、興味深く読みましたがもし僕が知能の高いロボットだったらこんな本性丸出しの人間たちに自制コントロールが効かないかも。


さすがに頭に血が上りヤケ酒ならぬヤケコーラをがぶ飲みしていたところについに帰ってきました我らがゆきぽん。
ついに、といっても離れていたのはものの10分くらいでしょうか。

10分前には完全に死んだ魚の目になっていたゆきポンの目にも血が通っています。よかった。ほっ。

おかえりなさい。

もっといいよ休んでて。ここは2人で乗り切るから涼しいとこ言ってなよと紳士的な態度で優しい言葉をかける僕でしたが何故か一向にこの場から離れようとしません。

落ち着いてから聞いたらあの後、涼しいところを探して一人会場内を歩き回ったそうです。

しかし一周回った後、この会場内で一番涼しいのは実は自分たちが働いている寿司コーナーだと気付いた様なんです。

それもそのはず、バックヤードにはガス台や炭火コンロがもくもくと煙を立て、さっきまでは全く余裕がなく見れなかった僕らのすぐ脇、中華コーナーでは朝方優しかったあの女の子が汗だくでどデカイ中華鍋をふってチャーハンを炒めていました。

朝から僕とゆきぽんがあの二人絶対できてるよね、と勘ぐっていた、おそらく彼氏と思われるガタイの良いもう一人のコックさんがドボドボドボ〜と完全に多すぎる量のごま油を反対側から加えていて、いやいや、逆だろ、とツッコミを入れたくなりましたが女の子はか細い腕で懸命的超熱烈広東風炒飯調理。

急な雨や直射日光防止に備え、張ったテントだった様ですが逆にこの調理の際に出る熱気が逃げずに全て溜めこんでしまって、もんもんとしていた様です。

一時は倒れかけていたゆきぽんですが日本人に生まれて本当によかったと、もし少しずれてこの世に誕生していたら今日この炎天下の下、中華鍋をふっていたかもしれないと親やご先祖様に感謝をし、完全復活を成し遂げました。


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その後は寝ていない次の日特有の”ナチュラル、ハイ”モードになってきて、はい、漬けマグロあがってるぅっ!らっしゃいらっしゃいらっしゃい!!はい最後一貫持ってけドロボー!と日本語が通じないのをいい事に無駄に声を張り上げ場を楽しみました。

エンジンがかかったゆきぽんは刺身や握りの切りつけの時にどうしても出てしまう魚の切れ端を自らかき集めだし、フルスロットルで18番の細巻きを披露。

さすが数をこなしているだけあってふんわりとても美味しそう。

するとカズさんも感化されてネギトロを巻き出し、何故か身内細巻きバトル。

朝から何も口にしていない僕は大人しくテーブルクロスに隠れ、二人が作ってくれたお寿司を交互にありがたくいただきました。

さっきまではメニュー外の注文にイラっていた僕らですがここからは食材を全て使い切ることをメインの目標に掲げクーラーボックスに残る材料を眺めつつ直感クッキング。

海の神、山の神、大地の神に感謝です。

ちなみに『大地讃頌』は名曲。

日本の人にはうけないだろうなぁ、でも外国の人は大好きだろうなぁ、なんて一品にもチャレンジでき、またそれが予想通りの反応だったりして最後の方はとても楽しみながら料理をする事が出来て幸せでした。


見事に食材を無駄にする事なく使い切り、”僕らの2日間戦争”もついに終わりを告げました。

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片付けの時にやっぱりラップが足りなくなり、下っ端の人がスーパーに買いに行かされるというオチ付きでしたが。

ラップは多めに準備しましょう。

もしかしたらこのブログを読んでくれている皆さんの中に海外のラップを見た事がない方もいらっしゃると思いますが、本当に日本のサランラップ、クレラップなんかとは雲泥の差なんです。

日本に帰るたびに大量に買ってくる人がいるくらい日本のラップは優秀ですが海外製ラップはひどすぎる。

日本の物のようにプラスティック製のギザギザで気持ち良くスパッと切れるなどという事は200%ありえないし切り方はびびびーと伸ばした後自分の腕をラップの上に被せるように置いてちぎり取るというのがごくごく一般的なのです。

一番ムカつくのが端っこの部分が全部くっついていて伸ばすたびにどんどん幅が狭くなり一反木綿の様な形にしかならないやつ。

多分カットする時に熱でくっついてしまうんじゃないかと予想していますが約2割はこれなんですね。

今まで何本ゴミ箱にぶん投げた事か。。
もったいないけどほんとあれだけはどうにもなんない。


、、、またラップごときに熱弁してしまいました。。


ラップを待つなんていう事に無駄な時間を費やしたくない僕らは自分たちで使った場所だけを片付け、皆に挨拶をし、先にお暇する事にしました。


その足で丁度ビル横にあった南アフリカ人夫妻が経営するアイリッシュパブでお疲れビール。

働いた後のビール最強。

ここでは料理を作ってもらう側の幸せを噛みしめつつ、クリスピーチキンスティックとソーセージの盛り合わせをツマミに反省やねぎらいはそこそこに、時事ネタ、お家騒動、ゴシップ話で大いに盛り上がりました。

さっきまで隣のビルの最上階でいわゆる成功者と呼ばれる人たちに料理を出していたのにやはり自分たちは地上階のカジュアルな雰囲気の中ジャンクフードを食べる方が落ち着きます。
きっとこれからもずっと、こんな感じでしょう。


また新しい経験ができて、自分が生きるそれとはまったく違う世界を垣間見る事ができて勉強になりました。

世界は広いなあ。


次回のポシドニアが開催される2018年、その時僕はどこで何をしているんでしょうか。




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ギリシャ神話の海神、ポセイドンのみが知っているのかもしれません。



ポシドニア2016終了!









筆 タカキス。

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