完全にオーバーサイズであろう浮かせたキャップを斜め45度に被り、さぞかし重そうな鎖を首にジャラジャラかけ、だぼだぼズボンを腰パンする典型的な出で立ちのバッドボーイズ3人組が僕に近寄ってきたのは月曜深夜。

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この日落ち着き気味だった店の状況に優しい僕はユジロスを先に帰して、仕事終了後ビクトリア駅で一人降りたタクシーから数分の家までとことこ歩いていました。

駅近物件だったのですがそれでも家に続く最後のコーナーを曲がると薄暗く、少し危険な香りのする道でした。

僕もしばらくイーストロンドンで生活していたので常に身の回りには気をつける癖はついていたのですが、この夜は一人激務をこなしたあとで注意散漫になっていたのか、忍び寄る黒い影に全く気付きませんでした。

人種云々というのはあまりよろしくない事だとは重々承知ですが、ギリシャ人ではありません。
ギリシャ人のほぼすべての人は平和主義で悪い事をするような人たちではない事は断言できます。

黒褐色の肌にビビットな色の洋服を纏い、ここはブリクストンかと錯覚してしまうような風貌に一瞬ためらいましたが焦ってパニクったらいけません。

一人が馴れ馴れしくYO~~~MEN!みたいな感じで肩を組んできました。
しかも酒臭い。。、、、良くない状況です。

最近では30歳を越え徐々に中年体型へと変化を遂げている己の肉体ですが当時27だった僕はただの長身ガリ、まるでライオン3匹に囲まれるつぶらお目目のキリンちゃんでした。

3人なら狩れる、と思われたのかもしれません。

家の玄関までは約300メートル。

ここで一気に走って逃げるか悩みますがこの距離では玄関の鍵を回している所で追いつかれるのが目に見えています。しかも超足早そう。

こういう酔っ払いのティーネージャーですからね、興奮させてはいけません。

なるべくカジュアルな応対を心がけつつ足は止めず、作戦を練りながら玄関までの距離を縮めます。
腕時計はいくらだの、携帯は持っているかだの、色々言いだしました。

どきどき。。

残り3メートル、もう一息と道に面した自宅テラスを見上げるとなんとそこには早上がりでリラックスしているユジロスが!

た、助かった。。

ライオンたちに悟られぬよう平静を装いつつ出川ばりに『ヤバいよヤバいよ!』と日本語で助けを求めました。

鉄バットでも片手にすぐに駆けつけてくれる、と思いきやニヤニヤ笑ってこっちを見下ろしているだけで呑気にタバコをふかしたままの広島ボーイ。

再び『本当にヤバいから助けてごらん!』と呼びかけますがニヤニヤでほぼ反応なし。


、、、、か、完全に出来上がっている。。。

こいつの方がやばかっただとぅ。。。。。

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(↑友達の結婚式用にシャネルズを仕込んでいるところ)






テーブルの上に並ぶ何本ものビール缶と当時はまっていた芋焼酎のボトルを見て、早く帰らせてあげた自分の優しさを後悔。


そして家がここであると知ってしまったバッドボーイズ、ここで一気にラストスパート。

僕のボストンバックを強引に開けようと2人がかりで絡んできました。

これはもうこうしてても時間の問題なので勝負にでます、一気に家に逃げ込むしかありません。

バレないように鍵を手の中に握りしめたところで決死の猫騙し大作戦、最近は小学生でもやらないであろう『あ、なにあれ!?』と向こうを指差す古典的戦法で一発勝負、、、そしてこれがまさかの大ヒット、、3人共々絵に描いたような振り向き様で快っ感♡。

その隙に鍵穴めがけてキーを挿入。
常識では考えられないくらい鍵が一瞬ですぽっ!とはまりその後は忍者屋敷の回転ドアの如くひらっと反対側に回り込みドアをバタン。

この間わずか数秒の駆け引きでしたが奇跡が重なり無事生還。

神様ありがとうございます。



向こう側からは開かないオートロックの扉越しに、神様もびっくりな下品さでファッキャ!!と中指をおったてそそくさとその場を後にしました。。。。。
、、、、、ファッキャ!!


自宅のドアを開けるなりユジロスに八つ当たりしまくりますが『友達じゃと思ったんじゃもん』と。
んなわけねーだろ!と火に油を注ぐ発言に平常心を失いかけましたが即ビールを横取りし、怒りを鎮めました。


本当にこの人は呑気なんですねこういうところ。

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(ビクトリア時代の家のリビング&テラス)





さてお次はまたまたこのビクトリア駅で起きました。


その日は店の定休日で僕とユジロス、イデウスと3人で駅前広場のファミレスでご飯を食べてから帰り際にキオスクでビールを買ってさあそろそろ帰ろうかなというところでした。

すると突然『やられた!』というユジロスの声が。

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何事かと思って顔を向けるとものすごいダッシュで一人の兄ちゃんが走り去って行きました。

そうです、財布をすられた模様。

それもそのはず、その時ユジロスはおよそ母国以外では見ることのできない珍景、”長財布を後ろポケットに突っ込む”という海外ではありえない日本国限定行為を、こともあろうにこのギリシャのゲットー、危険地帯ビクトリアで披露してしまったのです。

とってくださいと言わんばかりの体勢に若者は助走をつけて財布とジーンズを繋いでいたチェーンを引きちぎり逃走。

ユジロスは後を追いかけて走り出しました。

僕は酒が入っていたので、うっわぁー、めんどくせーと心から思っていたのですがしょうがない、一人になるイデウスの安全を確認してから先にレースを始めた2人の後を追い犯人を追跡。

前半戦300m程走ったところでユジロスは途中棄権。

ここで喫煙者と、非喫煙者の差がでます。

地面に崩れこむ酸素不足の被害者を横目に無心で追いかけました。
犯人も中々のしぶとさでどんどんゲットーの小道に入っていきます。

ちょうど名作映画City of Godの疾走感のあるシーンを地でいくような感じ。

細かいターンを何度も繰り返しながら、下手したら1km近く走ったのではないでしょうか。
ついに行き止まりに追い詰めました。

刺されかねないので無茶はしたくないんですが予想に反して追いついてしまったのでね。
やべっ、追いついちゃったよ、、、とちょっと後悔。

ジリジリ詰める距離。

犯人もこんな汗だくのアジア人に追い詰められると思っていなかったのでしょう、ビビっています。

心を見透かした僕は小学校6年間、鬼母に通わせられたスイミングスクールで鍛えあげられた腕から繰り出されるアンパーンチで成敗してやりました。

財布を取り返し、映画よろしく、仲間がぞろぞろと出てきそうな雰囲気の路地からまた走って退散しました。

何度も後ろを振り返りながら走り続けた帰り道がとてもきつかったです。
ようやく明るい広場が見えてきて一安心。

乳酸がたまった太ももをマッサージしつつ2人を探しました。


しばらく帰ってこない僕をさぞかし心配し、パニックに陥り、今頃インターポールでも呼んでいるかと思いきや二人で地べたに座り込み、花見中ばりに缶ビールを飲んでいたおしどり夫婦。。。。。。。。。

な、なんて呑気な夫婦なんだ。。。

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こうしてこの時も事無きを得ました。 




これを読んだ二人に後で修正しろと圧力をかけられるのは確実ですが僕の視点で見た物事を嘘偽りなく書きました。

最近は色々なところから言論弾圧を受け僕も大変なんです、ほんとにw



う〜ん、さらっと書くつもりがどうしても長くなってしまいます。

あともう2つだけ、一番危機だった事件があるので次回それで〆たいと思います。


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しつこくてすいません。
最後までお付き合いいただきありがとうございます。


筆 タカキス

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