僕らのギリシャ生活で最後に起こった危ない出来事。


場所はこれまた悪名高きエクサルヒア(Exarchia)。

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大使館からは常に近づくな警報が出ているような地区ですが僕らはギリシャに来た当初からここがお気に入り。

アーティスティックなお店やカフェがあったり、レコード屋さんがあったり、若者の生活の匂いを感じられる、いわば学生街のような雰囲気のあるエリアです。

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本当の意味の臭いとしては隣り合った地区、コロナキを越えた瞬間からこのエリア特有、大麻かもしくは催涙ガスどちらかの臭いがします。

ここはアナーキーや過激派の巣窟となっており、警察とのいざこざも日常茶飯事。
衝突がない時には広場に大麻の煙がもくもくと上がり、警察が乗り込んできた時には彼らの放つ催涙ガスが空を舞うという、通年およそ綺麗な空気は望めないという地区。

車やゴミ箱もしょっちゅう燃えています。

僕らがなぜこのエクサルヒアに足しげく通うかというともちろん大麻を吸ってハイになりたいわけでもなく、催涙ガスを吸い込んで戦場の臨場感を味わいたいわけでもありません。

それはいつもお世話になっている大好きなお店2軒があるから。

厳密に言うと2軒だけではなく他にも良いお店がたくさんあり週末になると観光客を含め大勢の人で賑わいます。 


僕らのお気に入り1軒目はゆじろす前回の記事でも書いていたユジロスファミリーとも行ったタベルナ、ロザリア。
鯖の塩焼きと新鮮なレバーのグリルが最高。


そして2軒目は僕らが勝手に『みゆきの店』と呼んでいる本当の店名はいまだ謎の小さなバー。

5年以上も通い続けているこちらのお店、何の変哲もなく、酒が安い、という以外は特筆すべきことが何もないのですが僕らの目的はもちろん中島みゆきさん似の女主人。


ミユキの作ってくれる酒と温かみのある顔を見つつほっと落ち着いて飲めるのが最大の魅力です。

大抵の日は働いているミユキですが、お休みの日でもご安心を。

お休みの日のピンチヒッターはなんと、みゆきとの黄金コンビ、工藤静香さんに激似の通称シズカが現れます。

ほんとにほんと。

嘘だろと疑う友人全て、連れて行った時には納得しました。

さてこの夜も僕らのゴールデンコース、またの名千鳥足コースの最後に、じゃ、ミユキで締めようか!という流れになりました。


この日2連休前の夜だった僕らはスイッチが入ってしまい皆でベロベロ。

というのも前述のタベルナはとても気前が良く、常連の僕らにいつもワインやチプロをわんさかサービスしてくれるのであります。

その後のミユキなのでここに来る時は必ず僕とゆじろすでゆきぽんを担いで帰る羽目になります。

僕は2人の様にばか飲みはしないのですがゆじろすは正真正銘のTHE,ザル、ゆきぽんはそこまで強くないのに加減を知らずこの日もすでにろれつが回らず、1分周期に同じ話を繰り返し、終いにはゆじろすに絡み出しました。

なんとかこの滑舌の悪すぎる日本語に耳を傾けると『ゆじろすは森を開拓しなきゃだめなんだよぉ〜〜、』と訳分からん事をひたすら言っています。

ゆじろすはこういう面倒臭い時には”鼓膜を厚くする”という妙技を持っているので軽く流していましたが僕はもうこの2人の酔っ払いの滑稽な姿がおかしくておかしくて呼吸困難になりそうになっていました。

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放っておくと本当に針が飛んだレコードの様に延々と同じところに戻ってくるので優しい僕はレコード盤を少しずらしてあげました。

すると別のスポットに針を置かれたゆきぽん、五輪真弓の”恋人よ”を歌い出しました。

僕は幼少の頃、母、玉枝が好きでFORDフェスティバから良く流れてきたこの難曲を完全マスターしており、枯葉散る夕暮れの哀愁ただよう情景を想像しながら泥酔中のゆきぽんと合唱。

サビ前ダッダーン、ダッダーンから最高潮に達し、恋人よ〜といこうかなと思ったその時、ボンッ!という轟音とともに外で火柱が上がりました。

ちょうど無法地帯広場に面したこのお店、そちらへ目を向けると爆竹の様な音や発煙筒が白い煙をあげ、現場は大混乱。

この時はアナーキーVS国家権力の構図ではなく一般市民同士のいざこざの様に見えました。

そのうちにそこらじゅうで火が上がり、乱闘が始まりこれはやばそう。

ただ唖然とその状況を眺めていた僕ら3人ですがそのうちに暴徒と化した若者たちがこのみゆきの店にも向かってきました。


普段から締まりの悪いこの店の入り口ドア、ドア付近にいたお客さんが機転を利かせすぐに鍵をかけてくれましたが何人かで押しかけられたらひとたまりもありません。

まさに”冗談だよと笑ってほしい”状況。

此の期に及んで全く緊張感のない酔っ払い2人を2度見してから、やはり自分が彼らを守るしかないと決意した僕、すっと立ち上がり入り口へ向かおうとしたその時、目の前に現れた僕を制止する手のひら、、、そう、ミユキです。

自身の小さい身を挺してドアの前に立ちはばかり必死に暴徒たちを鎮めようとしています。

あたしはミユキよ、言うことをお聞きなさい、と。

逆光を浴びたミユキの白いシャツに浮かび上がるはみゆき25thアルバムタイトル、”わたしの子供になりなさい”。

なんてかっこいいんだ。

思わずお、おかあさん、と言いかけた僕ら、これを機に益々ミユキに心酔していくのでありました。

なんとかエクサルヒア歌謡界の重鎮、ミユキパワーで今回もまた事なきを得ましたがもしあそこで暴徒たちに強行突破されていたら病院送りになっていたのは間違いありません。

何故ならば、あの時の騒乱でターゲットになっていたのは何を隠そう僕ら3人だったのです!

数日後に再び訪れた時に聞いた話では、僕らが始めにいちゃもんをつけ刃物を突きつけたという完全なるガセネタがきっかけとなったらしく、正気の時にそれを聞かされた僕らは身の毛がよだつ思いがしました。



こんなに争いというものからはかけ離れミユキ、シズカ、マユミと昭和な平和を求めるだけの善良市民3人なのに何がきっかけで悪の枢軸に仕立て上げられてしまうか、、たまったもんじゃありません。

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ここまでギリシャの治安シリーズとして書いてきたいずれも、ギリギリで危険を回避できたからこそこうして笑い話になっているわけですがやはり海外、無知は罪なり、常に危険と隣り合わせという意識を持って生活しなければと思います。




ちなみに4回連続登場のこの子はエクサルヒアからコロナキまで数キロの道をほぼこの体勢のままついてきて、坂道も階段も二本足のみで登りきったという伝説の超絶倫犬。
僕らを腹筋崩壊寸前まで笑かせてくれたコードネーム『ゴージャス松野君』です。

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こういう危険な犬もこの界隈にいるので気をつけましょう。






まとめとしては、

コロナキを越えエクサルヒア方面に下って行くのは絶対にやめましょう。


オモニア、ビクトリアなどはもってのほかです。






以上、経験者は語る。


筆 タカキス



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