ギリシャオレ達の修行と酒浸り日記

2017版。 酒とうまいもんをこよなく愛する男達のおき楽ギリシャ ブログ。 経済危機で世界を騒がすギリシャで2009年から暮らしています。 旅行、治安、生活情報と大好きな酒情報を気ままに発信中。 シーズン7、スタート!

レスボス(ミティリーニ)島

表裏一体。


* **今回の記事は、家畜の屠殺に関する記事です。
なるべく思ったままの文と、修正なしの写真を載せました。
もし気を悪くされる方がいたら、ごめんなさい。
苦手な方は、スルーなさってください。














〜〜〜〜
暖かい家族と別れ、小さな村を出てまた行きと同じ山道を走る。

同じ道でも、全く違う世界。

暗くて何も見えなかった田舎道は大自然の中にあって、
それ以外は何もなかった。


3つめの上り坂を越え、下り坂に差し掛かったその時、
僕らの目に飛び込んで来たのは一つの家族。

少年、母親、おじいさん、父親。

そして父親の手にはナイフが握られ、
木に吊るされた羊を今まさにさばこうとするところだった。

木の下には真っ白な毛が鮮やかな赤い血の色に染まり、
もう既に息をしていない子羊の姿もあった。



通り過ぎようとする時、車の中から子供、母親と目が合った。
むこうはうっすら笑顔を浮かべていたようだったけれど、
僕はすぐに目をそらしてしまった。

うまく説明できないけれど、何かとても儀式的なものを感じ、
僕らの様な通りがかりの観光客が何の予備知識もなしで
眺めていてはいけない様な気がしたから、、、かもしれない。


初めて目の当たりにしたその場面は衝撃的で、
排他的な田舎の匂いがした。


何十メートルか進んだ。

アクセルは踏まなかった。

緩やかに傾く道に車の身を任せ、ゆっくりと下っていく。
頭の中だけは凄いスピードで回っている。
アクセルを踏んだら、もう普通の景色に戻る。







僕が選んだのはもちろんもう片方のブレーキで、
来た道をまた戻った。


変な話だけれど、自分たちが今手にしている仕事、
一人の料理人としてこれを間近で見ておきたいっていう気持ちが
ほんの数秒間の間にふつふつと湧いてきて、
早足でその場へ向かう自分たちがいた。


はじめカメラは車の中に置いていった。
この目で見れるだけで良いと思ったし、
カメラを向けるのが何だか悪い事の様な気がした。

近寄って挨拶をする僕らに、
家族は優しい笑顔で迎えてくれた。

でもおじいさんだけは僕らが着くと同時にどこかへ行ってしまった。
真横を通り過ぎた時に挨拶をしたけれど、
ぎょろっと僕を睨みつけた様に見えた。

もし僕らが来なければ、そのままここに居たのかもしれない。


戸惑う表情を浮かべていたであろう僕らにお母さんは一旦つるされた
羊に目配せをし、それから僕らの方にまた視線を移し、
「かわいそうだけどね、、、、」
とだけ言って、少し泣きそうな顔をしていた。


それから気を使って、僕らに日本の天気を聞いてきた。




木から吊るされた羊は、皮を剥がれているところだった。
足の付け根から良く切れるナイフで切れ目を入れ、
足から頭の方へ一気に皮を引っ張っていく。
やがてお父さんの腕が丸ごと入るくらいにまで手を突っ込み、
皮と肉のわずかなつなぎ目は、息する間もなく離されていった。

焦げ茶色の毛を羽織っていた羊の体は瞬く間に
ピンク色のただの肉へと変わり、
むき出しになった目は最後に何が見たそうで、
歯は最後に何か言いたそうだった。


結局この場面を少しでも鮮明に自分の中に残したいと思い、
お願いして写真を撮らせてもらう事にした。


レンズを通して見たお父さんの一連の流れは手際よく、
美しいとまで感じる光景だった。

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皮を剥ぎ終わったお父さんのナイフは今度は腹を裂き、
灰色と緑の内蔵が流れ落ちた。

屠殺されたばかりのそれはまだ温かく、
寒い田舎風景に湯気がたちこめた。


喉元を切って命を絶つその瞬間を見ずに済んで、
いわば安心していた自分もいたし、
やはり、事の始まりを最初から最後までしっかり見たかった気もした。

そして傍らでじっと父親の作業を見つめ続ける少年の目も
とても印象的だった。


たまたま偶然からはじまったこの体験が、
結局はこの旅を通じて一番ビビットに頭に残っているし、
この一場面一場面はこの先一生忘れる事は無いだろう。

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僕らはこの家族の、ただ普通の生活のひとコマを見た。

彼らの日常の一部分が、
僕らにとっては驚きで、新鮮で、
不思議だけれどこれを見た後、
もっと彼らを理解し、彼らとの距離が縮まった気がした。








予想だにしていなかったヘビーな展開にちょっと疲れ気味の僕らは
ホテルに戻り、最終日夜の街へ繰り出すのもやめてホテルで晩ご飯を
とる運びとなった。

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メニューを見る事にも億劫になった僕らが選んだのは25ユーロの
コース料理で、品書きは全てギリシャ語で書かれていた。


一品目に出てきたのは、豆のスープ。
真ん中に薄く切られたバゲットが浮かび、
その上にはダイス状の羊のチーズがのっていた。




一瞬であの鮮明な血の色と匂いがフラッシュバックして、
最初うまく手をつけられなかった。


食に携わるものの一人として、
より深く命という物を感じ、その上で僕らの生活、
仕事が成り立っているんだと改めて考えさせられた。


色んな事に目を向け、感謝し、働いて生きてゆこうと思った。







、、、、、、、、、、、。


はじめ固まりだったチーズは熱いスープの中に溶け、
コーヒーに入れたミルクみたいに渦を巻いて、
やがて消えていった。


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心の底からぽっかぽか

目が覚めると既に夜の10時。
いささか寝すぎてしまった事に気づき少し反省。
でもやっぱり睡眠は必要。
腹が減っては戦は出来ぬ、じゃないけど
睡眠不足だと酒は俺を飲みやがるのでやっぱ寝て正解。
酒を飲みに行こう。


さすがにクリスマスの夜は家族の団欒を邪魔出来ない、、と遠慮してとったホテル だが
結局サノスとサノスの家族の強い押しに負けてクリスマスイヴの夜は
カラオラニス家にお世話になることに、、。 


さあ、軽く一杯ひっかけに行こう!とサノスが連れてってくれたのはクラブ。
大音量で流れるハードグリークポップミュージック、僕らの他は10代の若者ギリシャ人。
完全にノリきれてない僕ら。。。
明らかに空気にとけ込んでない僕らに気を使ってくれたサノスの「エラパメ!」(lets go)
で、よし帰ろう!と小一時間で家の暖炉の前に逆戻り。

改めてクリスマスイヴの夜に乾杯。
そしておやすみなさい。

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翌朝。
ベッドの脇の窓から燦々と差し込む日差しに気持ちよく目が覚める。
寝ぼけ眼で暖炉の前で三人ぼけ〜っとしていると、
ドアが、バ〜〜ン!と開きサノスパパが、全身迷彩柄、更には肩に猟銃を担いで豪快に帰宅。

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一体何を狩ってきたんだろう。
一見恐そうに見えるパパだが、優しい目をしている。
そしてとにかく渋い。。


また出た。パパの「エラパメ」の一言で僕らは一目散に顔を洗い
バババッと着替えを済まし今日のメインイベントの一つ、
近所に住んでいるサノスのおばあちゃんの所へに出かけた。
僕らの為にとびっきりおいしいギリシャ料理をごちそうしてくれるというのだ。

とぼとぼ田舎の住宅街を歩きながらおばあちゃんの家を目指す。
たまに立ち止まりシャッターをきる。

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外国の田舎に来ると猫はもちろん何故か民家のドアに目がいく。
自分の家のドアをパシャッパシャやられちゃたまったもんじゃないかもしれんけど
好きなのでしょうがない。




家に着くとおばあちゃんがメリークリスマス!と言って笑顔で迎えてくれる。
恐らく朝早くから下ごしらえしてくれたんだと思う。

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家に入ると同時に何種類もの心こもった手料理が運ばれてくる。


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クリスマスの日に図々しくお邪魔したにも関わらず
皆が皆温かく迎えてくれて嬉しかった。。
僕らのハートも心こもったおもてなしにぽっかぽか。
猫もいいにおいと人の温もりを求めてやってきた。

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あ〜なんて暖かいんだろう。この極寒の中優しさで体が熱くなっている、、
毎年作っているという自家製の赤ワインの効果も否定は出来ない。



食事と会話を目一杯堪能したところでついに別れの時。

本当はもう少しお邪魔させてもらいたかったけど、
今日はホテルに帰らなくては、、全く光のない無いぐねぐね山道は危険すぎる。
日が落ちる前に出発せねば。



よし、行こう。
タレメー!!ヤーサーーース!!エフハリストイメポリー!!
と叫びながら
タカキスは別れを惜しみながらヒュンダイ1300ccのアクセルを踏み込んだ。

サノス、そしてカラオラニス家のみんなありがと〜〜〜。また会う日まで


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食欲、睡眠欲+暖炉。

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シーズンオフ、レンタカー付きホテルお得プランで
まさにおまけの様についてきた白のヒュンダイ1300cc。


低価格販売を第一目標に掲げたモデルなのか、
無駄な装飾は一切そぎおとされ、
いささか軽すぎるハンドルと固いシートは前日睡眠わずか2時間の
僕らの体を余計に左右に揺らし、尾てい骨を上下に刺激し続ける。


分針が一周してからもうしばらくたっている。

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後部座席からはのほほんと助手席に座るサノスに野次が飛ぶ。
「この嘘つき野郎、腹が減って死にそうだぜ、適当な事言ってくれるなよ」
   by ユジロス。

、、、このサノス、
僕らが密かに個々を細かく分類分けしているギリシャ人のなかでも、
カテゴリー ”ハード、グリーク”に属する男。

とりあえず大雑把、どんぶり勘定、何でも適当、本能丸出し。

しかし何故かここギリシャで僕らの一番仲の良い友人であり、
何を隠そう今回の旅も彼の招待によって決まったのである。

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この適当男特有の上手い口車に乗せられ、
予想到着時刻を遥か過ぎていても未だ街は見えてこない。


あと何分?あと何キロ?と分刻みにしつこく迫る僕らに流石の彼も堪忍したのか、
予定変更で近くのタベルナで食事をする事に。


ここまできっちり3倍の、一時間半を費やしようやく食事にありつく。

ここがまた、全てホームメイドの美味いタベルナだった。


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豆のペースト、ファバ。

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サガナキ、油で焼いたチーズ。
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カラマリ、アツアツ、カリカリ、ジュワー。

この他にもエビやフライドポテト、レタスサラダを皆でがっつき、
やっぱこれだね〜ってテンションも最高潮に。

その勢いでさらに山を登ったところにそびえ立つ古城を訪れる。


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城から見下ろした
家々と海。











もう少し見て歩きたかったけれど、なにせ極寒のこの日。

この世界にここ以上に寒い世界があるんだろうかと思うくらいの
冷たい空気と強風に滞在時間わずか五分でヒュンダイへ逃げ込む。

そして我が一行は今日の最終目的地、サノスの暮らす村を
目指して出発。

ここから20分らしい。。。。。。。。。。。


。。。。



ひたすらくねくね続く山道。

ひたすらくねくね。。。ひたすらくねくね。。。。

、、、ね、眠い。

26度の車内とのどかな山間の風景は早速僕の眠気を誘い、
満杯の腹とまぶたは重さを増すばかり。


事故っちゃまずいので、彼らに聞く。
眠いから代わって、運転。

サノス、免許今持ち合わしてないから無理。
ユジロス、やだ!ほんとにほんとに眠くなったら代わるけえ、
今は無理。


コイツら。。。


あたりはもう真っ暗、街灯など一本もない田舎道。

こうなりゃ皆道連れで崖落ちか、と覚悟を決めたその時、
サノスの暮らす村、Pterountaの看板が。

ふう。間一髪。


極細の道を抜け、角をいくつか曲がって、
ようやくカラオラニス家に到着したのは夜七時半。

気づけば城を出てから50分が経過している。


玄関で優しく迎え入れてくれるお母さんとおばあちゃん。



家の中はしっかり、クリスマスムード。

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暖かい暖炉が心をほっとさせる。




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窓の上には
魔除け、コウモリの
お守りが。








しばし談笑し、暖炉にあたること数十分。

一旦は引いていた極度の眠気がまた襲ってきて、
図々しくもいきなりベッドをご拝借。



少〜し眠って、夜へ繰り出そう。


まだ一日目の夜、
そうギリシャの夜は12時を過ぎてから。

一秒も無駄に出来ない、僕らのリトル、ホリデー。




それまでちょっとだけおやすみなさい。


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レスボスとサノス 俺たちはどこへ行く

行ってきました気合いの現実逃避どたばた紀行。

空港までのタクシーで車酔いし着いてトイレにこもりっぱなしの
タカキス。搭乗時間が迫り来る中ぎりぎりでタカキス、トイレから無事生還。

なんとかギリギリで間に合った飛行機で向かった先はギリシャで
3番目に大きく、トルコ沿岸にあるギリギリギリシャのレスボス島。
(ギリシャ人はミティリニ島と呼ぶ)

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その昔、詩人のサッポー、アルカイオスを始め多くの文人を輩出した島らしい。
農産物ではオリーブが有名で島にはオリーブの木が沢山。
そしてギリシャ人が好きなウゾー
(アニスの香りを持つ、ぶどう、レーズンを原料とした蒸留酒、めっちゃきつい)
の製造も盛んらしい。


でも今回レスボスに行ったのはこの島の歴史や文学に興味を持って
行った訳じゃなく、僕らの数少ない友達サノスに会いに行ったんです。

男前で気持ちいいくらいハチャメチャでもの凄く落ち込みやすいサノス。




ある日アテネで大規模なデモがありアテネの公共手段が
完全に麻痺していた日に、
「今日どおやって店まで来たんだい?」
と聞くと彼はさらっと答えた。
「スパゲティーさ」と。訳が分からない。
ちょっと変わったユーモアもあるそんな彼。




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ホテルに無事チェックインし、少し休憩した後、
いよいよ再会の時。

しっかり約束より1時間遅れて来たサノスだが
久方ぶりの再会を堪能し街を3人仲良く散策。


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久しぶりに海を見れて、新鮮な空気を胸いっぱい吸い込み
缶ビールを買ってプシュ。旅行っていいもんですね。


夕方になってお腹も空いて来た頃にそろそろ飯にしようと。
サノスがここから車で30分走った所にうまいとこがあるから行こう!
と言い出しレンタカーした車に勢い良く乗り込み走らせる。。
30分経過。街を出てぐねぐね山道を走る。40分、、50分、、

おいサノス!まだか!!
日が暮れそうだぜ!!ガーモートー!!



タカキスがハンドルを持った車は山道を駆け抜ける..
サノスを信じてひたすらぐねぐね道を行く。
一体俺たちはどこへ向かっているんだろう
日は傾きかけている。。。



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ラスト、ミニッツで現実逃避。


2:45 am.


あともう3時間半後には家を出て、
凍えながら道でタクシーを拾い、
アテネ国際空港のチェックインカウンターを目指す。


そうなんです。

日本から戻って来て以来、念願の初連休。

クリスマスの夜に合わせ、
営業するかお休みするか、オーナー陣が決断したのは木曜の夜。
(ちなみに今は土曜日です)


2週間以上前から多分休むだろうと、
大まかな予想は店中に流れていたものの、
最後のどんでん返しを恐れ、
身動きできなかった我らがスタッフ。


いつまでも煮え切らないオーナー陣に皆怒り沸騰と思いきや、
そうでもないんですねこれが。

怒り狂っていたのは僕らだけ。

2週間前くらいから毎日、
クリスマスどうなった?っと日に日に血走る目で歩み寄る僕らに、
明日には決まるはず、とマネージャーは決まり文句で僕らをなだめ、
ずるずるずるずると、無謀にも増えていくばかりのカレンダーの
数字。


ギリシャにおける”tommorrow”が全くもって本来持つべき意味を失い、
これを日本語訳するとすれば、”近い将来いつか”に
ギリシャナイズされていることは重々承知しているにしても、
ひどすぎると思いませんか。。。

こんなギリギリじゃ、何も出来ないじゃん。。。


いやしかし、ここでアテネで貴重な2連休を棒に振ってしまったら、
ストレスだけが溜まり、年の瀬にいらいらしてしまう。


そんなわけで、今日の今日、飛行機のチケットをとり、
ホテルを予約し、レンタカーを手配し、
気合いのアテネ逃避行の旅に出ます。



とりあえず、寝なきゃ。

ギリシャ3番目に大きい島を目指して。


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メリー、クリスマス。

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