街はすっかり暗い空気に覆われています。

街中に黒煙が立ちこめ、催涙ガスで目も鼻もやられた2日間が
ひとまず終わり、道路には散乱したゴミと凶器として使われた
瓶や石ころが誰からも片付けられる事無く散乱しています。

あ、ちなみにこの投げてた石の武器、どっから持ってきたかというと、
その辺の階段やら彫刻やらをガツガツ壊しながら製造していたようで
削られた階段や彫刻は見るも無惨な姿に。。。。


かくいう僕らもこの先の見えない暗黒の国、ギリシャで暮らす身。

しっかりとエコノミークライシスの余波を受けているのであります。

ユジロスの煙草はいつの間にかソフトケースのラッキーストライクから
経済的な巻き煙草へとギリシャの国債共々”格下げ”をくらい、
毎晩のように通っていたジャズバーも店が暇だった日にはおあずけ。
去年は今頃からずっとつけっぱなしにしていた電気ヒーターと
お湯のスイッチもユジロスに怒られるのでつけてません。

さすがに去年光熱費の上昇等で、後から払えばいいや〜っと
余裕こいてほったらかしにしておいた5ヶ月分の電気代が
10万くらいになってたのにはたまげましたけどね。

そんなんで今年ははんてんと湯たんぽで、節電モード。

とらぼーもヒーターのない寒い家の中の隅の隅にみつけた、
ルーターの上にちょこんと乗っかり一人暖をとっています。
なんていじらしいヤツ。


〜〜R0013240

このまま一般の人達の所得が下がり、物価や税金は上昇、
連日のデモ等が続けば本当にこの国、どうなってしまうんでしょう。
全世界に流れた、あの凶暴で無秩序なイメージを払拭するのに
どれくらいの時間がいるんでしょう。


レストランで働いている自分たちにとっても、まさに大打撃。
外食なんてしてる場合じゃないわ、、って皆言ってるしね。
といっても暴動翌日の今日金曜日、店は忙しかったけれど。

持ち前の明るさで前向きに、
そして平和的に何とかいいアイディアを見つけてほしい。


あと最近日本の報道やニュースを見ていて気になるのが
なんかやたらにつけて最近の問題について、
ギリシャ人の国民性が原因だって、
とてもひどいかのようにいわれていますね。

楽観的で嘘つきでいい加減。。。しまいには自業自得なんて
言葉もちらほら見かけます。

ギリシャ人と365日喜怒哀楽を共にし、
同じ釜の飯を食ってる僕らからしたらこれは本当に悲しい事です。
何が悲しいって、それが概ねあたっているであろうと言う事 笑

でもでも、正直どんだけギリシャ人の事分かってんのって、
言いたくなります。
最近の悪いイメージだけが先行した情報を鵜呑みにして、
彼らを嫌いになったり野蛮な人種だと思わないで欲しいです。

彼らはとてもシンプルな考え方の持ち主で、
難しい事をいつも考えているような人達ではないんです。
本能のままに生きる、子供みたいな大人の集まりなんです。
って、全然フォローになってないかな。

彼らに優しく受け入れてもらい、色んな事を助けてもらっている
僕らには彼らがそんなどうしようもない人達には見えないし、
結構繊細な部分もあるんです。
困った人を助けようとする優しさと、何かに熱中したときの
瞬発力はとても大きいものです。

だからそんなパワーを非建設的な暴力型デモにではなく、
方向転換して違う場面で使ってもらいたいな、と思うのです。


世界の外から見たギリシャと、世界をうまく見れないギリシャの
国民が見続けている現実の温度差がすごくあるような気がします。


ユジロスの言葉を借りれば、愛すべきギリシャよ。

エシ、プーパス? どこへ向かうんだい?


自暴自棄にならず、未来の事を考えて。


何日か前に行ったジャズインジャズのバーテン、アンドレアス。

「ここコロナキにあるお店も軒並みつぶれて大変だよ。」

”でもこのバーだけはいつも人でいっぱいだね。今日だって満席じゃない。”

「ははは。ここはコロナキじゃないんだ、
     ジャズの流れるニュー、オリンズの街さ」


カウンターに溢れる空のウイスキーグラスと
煙草の煙のむこうにいた彼はうまいジョークを言って、
笑う僕らを見て、満足そうにしわくちゃの笑顔を浮かべていたけれど。


よう、アンドレア、やっぱりここはニューオリンズなんかじゃない。

ギリシャの、アテネの、コロナキ。
すぐ下では、毎日のように暴動が起きている。


皆が無理をして、背伸びして生きてきた時代は壊れようとしている。

壊れそうな自分の母国とこれから一体、
どうやってつきあっていくんだい?

 
フィレ、、エシ、プーパス?
R0012128



筆 タカキス



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