さてさて、遅くなりましたが最終章を.

皆さんはアイデアが頭の中で浮かんだときってどんな感じ?

僕は頭の中の右奥が光ります。

こういう感覚が皆さんそうなのか僕だけなのか?

まさに今風に言えば来たぁーって感じです。

なにか、スイッチが入るというのが正確かもしれません。

思いもかけないところからいきなり衝撃を頂いた訳で、嬉しい誤算というわけです。
スイッチが入るというか、何かが切れるというか、閃くというか。

いずれにしろ決めました。

「あれを釣る」

しかしながら情報が欠如しております。

世の中に「シーバス釣り方入門」、「ブラックバス釣り方入門」などという本がある中で,

「マグロ釣り方入門」

という本は見たことがないし、それなりに専門的な道具や知識が必要だなってのは想像がつく。

オフショアのお店に出入りしたり、GTの釣りもはじめ、大物の扱いや、やり取りの練習を重ね、釣り上げる日の予行演習をしていました。

しかしながら、この年が終わってみるとあんなにキハダが釣れるのは10年に一度なんていわれていました。

「あんな思い出来るのは当分ないよー」なんていわれてそうなんだって改めて納得です。

では本題その日のレポートです。はじまりはじまりー(笑)

前日の天気予報では、あしたはよい天気な上に風なし。

絶好の釣り日和というか、マグロ日和。(笑)
おのずと期待は高まっている。

今シーズンのマグロ釣行は四回目。うち、乗合船や仕立て船が3回なんで、今回がマイボートでの今シーズン初になります。

「なんだー。ほとんど他人のふねじゃん」
という声が聞こえてきそうですが・・・(笑)

言い訳も聞いてください。   

僕の小さな船で相模湾をフラフラするためには、相当日を選ばないと難しいです。なんでかって?

「うねるんです」結構な勢いで。

南の風がふくと辛いんです。
おまけに当日だけでなく前日もある程度穏やかでないと

うねりが「残るんです」(笑)

そりゃー多少無理して行った事もありますよ。でもね、釣りになりません。
おまけに小さな船では目線が低いので「うねる」と鳥が探せません。

したがって、チャンスは限られてきます。

二日続けて穏やかな日の二日目と休みが重なること。
ここが凄く重要です。

で、話を元に戻します。

Hさんとの作戦会議。

「何時にでる?」

「何時にする?」

「僕さあ、思うんだけどね」

「うんうん」

「相模湾の中に船宿一杯あるじゃん」

「あるある」

「その船が一斉に叩くわけだし、当然すれるよね」

「ふんふん」

「じゃあさ、その船が叩き始める前って釣れるような気がするんだけど」

「なるほど、確かに理屈だわな。で、何時?」

「マリーナを2時半に出船はどう?」

「いいよん」

この時点で夜中の9時回っているんで、ほとんど寝られない事確定。

「じゃあ、インチョーの所に1時半に行くわ」
「あいよ、待ってる」

結局マリーナに2時過ぎに到着。寝ている守衛さんを起こし、出航届けを出す。そしていつものように出航準備。

いつもと違うのはまだ真っ暗ということ。

「しかし、なんだね」
「なに、なに?」
「ええ年したおっさんが完徹だよ、仕事じゃないんだよ。ほんと呆れるほど馬鹿だねー」
「インチョーそりゃー違う、仕事じゃないからできるんでしょ」
「確かに!!」

いつものように軽口をたたきながら手際よく準備をしていく。

「さて、行きますか?」
「行きますか」
「どーする爆ったら?くくくくっ」  相変わらずの全開バリバリの妄想族
「城ヶ島の製氷所っておれらにも氷売ってくれんのかな」 どんどん拡大。
「でも、クーラーにはいんないでしょ」
「大丈夫、デッキにマグロ並べて上から氷かけるから」 
おいおいいったい何本釣れるつもりでいるんだ(笑)


この時間が一番楽しいかも(笑)


陸を蹴ってゆっくりとスタート。

漆黒の闇に向けてゆっくりと動く。夜が明けて視界がきちんと確保できるまではあくまでもゆっくり。東京湾は何が浮いてるかわかりませんから、本当に注意しないと。数ノットでゆっくり進んではいるが二人して前を凝視。

どんな遊びも怪我をしないように。なんだかんだで3時過ぎ出船になってしまったので、軽く約一時間は真っ暗クルージングになります。

GPSプロッターがあるお陰で方向を見誤ることはないけれど、一定方向を目指して走るのは難しい事を実感する。さらに、灯台って本当に必要と感じます。やはり遠くに見える灯台の明かりを目指して走ると走りやすい。

あと、「ほっ」とする。

東京湾を抜けなければいけないので久里浜沖を通過するときは少し気を使う。

ここは狭くなっているところですから変な波が立つのよね。

城ヶ島の沖を通過するころには少しづつ明るくなってきて、スピードも出せるようになってきた。目指す沖の山あたりに向けてフルスロットルです。

SANY0002

予定ではこのあたりで鳥がなんて感じのはずですが・・・

「鳥いないね」
「うん、いないね」
「おまけに見てよ、魚探もきれいなもんよ」
「ほんとだ」 まったく反応なし。

しばし、呆然。予定ではマグロが「ぼっこんぼっこん」 跳ねていてルアーを投げる時に鳥に注意しないと怖い   はずなんですが。

穏やかな海に鳥も何にもいません。生命感がないというのが正しい表現でしょうか。

「いないね」
「いないね」
「腹減った」
「腹減った」
お互いに明らかに失望し、会話も同じことの繰り返し?というかオウム返し。

「なんか食べよう」
「俺も」
「おにぎりうまい」
「サンドイッチうまい」

海にぷかぷか浮きながら朝ごはん。

「さあどうする?」
「沖を走りながら潮目沿いに大磯沖あたりまで流すのが定番だけど」
「行きますか?」
「行こう」

しばらく走っていると耐えがたい睡魔が襲ってきて、
「船を漕ぎながら船を操船する」という荒業を繰り広げているとHさんが

「インチョー、変わるよ」
「あーざす」  超ー素直(笑)

穏やかな波の中我が愛艇は滑るように走る。キャビン前のクーラーボックスの上で景色を眺めながらいい天気なんておもっていると、あっという間に意識を失ってしまったようです。

「イ・・・・」
「イン・・・・・」
「インチョー!」

「えっ何?」
「あそこ、ほらあそこ!」
「へっ、何?」まだ寝ぼけていてなんだかわかんない。

そっか、寝ちゃったんだ。何時?って思いながら腕時計をみると先ほどから1時間も経っていない。

「いやー、ごめんごめん寝ちゃいました」
「あそこ、ほら!」
遠目に島影が見える

「何?」
「初島」
「へっ、もう?」
「うん、べたなぎだし、それよりインチョー見なよ。こっちは鳥が結構いるよ」
「ほんとうだ、船も1,2,3,4 4-5隻はいそうだね」
「うん、さっきから鳥が怪しい動きしている」
「なるほど」

こうなると追っかけっこになるわけで、早いもん勝ち。しかしながら遊漁船は大きいし、やはり仕事ですから、そこは控えめになんて考えてます。しかし、船足はこっちの方が完全に早い。

さすがに船も多いので鳥山ができるが、船が近づくとナブラは沈むの繰り返しで、明らかにスレを感じる。

あーどこどこの船宿だーと言いながら、後でそれぞれのホームページで釣果チェックできるななんて考えながらナブラとおっかけっこ。

しかしながら、最初の頃は比較的まとまっていた鳥山はだんだん規模が小さくなり、あちこちに散っていき、それに伴って船も散っていくような形になりました。

時計を見ると10時過ぎ、残念だけど今日もだめかと思いつつ、少しづつマリーナに戻りながら鳥を探そうということになりました。

二人でキョロキョロしながら、こういうの探してます。(笑)
CIMG24821[1]
ないんですよ。なかなか。

それでも、鳥がぐるぐる回っていたりとか怪しいときは停めてチェックはせずにはいられない。

そのときがついにやってきた。

半径400mほどのエリアで鳥が旋回しつつ時々つっこんでいる中で、二人でルアーをキャスティングして誘い出し。

僕が船首、Hさんが船尾。お互いに好きなルアーを投げる。

僕のお気に入りはカーペンターのBCガンマ90.ラインはPE6号にリーダーはプロセレのプロトリーダー20号。思いきりキャストして丁寧にアクションさせる。

GTのときもそうだけど、これは来そうだと思いながら投げていても来なくて、なんか殺気が抜けたような瞬間に来る様なイメージがある。

この時もそうだった。

風下に向かって「おりゃー」と叫びながらキャステイング。

僕とボートフィッシングに行きますとかなりうるさいです。帰宅すると騒ぎすぎで声が枯れてる事もありました。(笑)

ガンマは丁寧に動かすように心がけていますし、それがとても重要です。

「おりゃー」
ガシュン、パラララララララっーー。シュボッ。(着水音)
「糸ふけとって、ほれっ」
「いーーーち」(これ、アクションしてるときね)シュルシュル(リール巻く音)

「にーーーい」         シュルシュル

「さーーーん」  シュル、ガボッ

「うわっ、出た」   ジィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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「Hさんキタァー」
「何、何?、」
「わかんない本体はよく見えなかった」
「インチョー、すげー勢いで糸が出て行ってるけど。何メーター巻いてあんの?」
「300m。PE6号。ドラグは4kg設定」
「真下に行かれちゃったね」
「うん、今70mぐらいかな」


DSCF1019
おおーいい感じじゃー(笑)

ぜんぜん止まる気配なし。
「糸なくなっちゃうぞー」横でちゃかしてるし。
「はいはい、」ドラグをカチカチとふた目盛りだけしめる。
「100mは行ったね。」
「行ったね」
「サメじゃないよね」
「多分」
「サメなら相当でかいよ」
「そろそろ止まりそうだよ」
「よっしゃー、リフト、リフト」
ジンバルに竿尻をセットしてポジションに入る。
DSCF1021GTロッドがこの曲がりです。










とりあえず、マグロの顔をこっち向けないと上がんないんで、フック外れるなよと祈るような気持ちで、リフトスタート。

「おーーーりゃー」 「ググググっ」ジンバルの中で竿尻がこすれる音がする。
「おおーーーーりゃー」  とリフトをしてはその分竿が復元したら巻く。

最初の間は2回ぐらいのリフトで直ぐにまたジィーーーーーーーっと走りますが、ファーストランのように長く走ることはできない。

GTもたいがいにきついがこいつもかなり頑張る。

兎に角リフトしては巻く。巻いてはリフト。休みたいが、今年は鮫が多くてぐずぐずしていると鮫の餌食になってしまう。

「インチョー、休んじゃだめーよーん。マグロに休み与えちゃ駄目駄目」
「はいはーーい、キツイなー」
「はい、贅沢言わない。寄せて、上げてーーー」
なんか、昔そんなコマーシャルあったなーとかどうでもいい事が頭をよぎる

ガンガンガン。おおーヘッドシェイクしている。

「うーーーーん、」リフトしている瞬間の声ね。
シュルシュル  リール巻く音。

この頃になるとドラグが出なくなってきた。
比較的軽快にリフトとリーリングが出来るようになってきた。

「インチョー、10分過ぎたよー」
「あいーー。」
「あとどれくらい?」
「20mぐらいかな」
「もう少しだね」
「だね」
「鮫とかいうおちはないよね」
「多分、」
「あとすこしだよ、たもたも」

「やった、キハダ。でかいよインチョー」
「うん、キハダ」

「インチョー、タモにはいんないよ。ギャフは?」
「ない。」
「じゃあ、頭の方からタモにいれるからネットにルアーが引っかからないように気をつけて」
「わかった」
「いくよ」
「いいよ」
「よっし、上手くはいってねえータモに半分しかはいんない」
「インチョー、はやく尻尾掴んで」
「おう、」
「上げるよ」
「いいよ」
「せーの」
ドスンっ。

とったぁー
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マグロのセミハンドランディング

アップ
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息が少々上がり気味(笑)

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網から出して
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お約束の写真を
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おもっ

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ファイトタイムは15分ぐらいではありましたが、本当に長く感じられました。

この後もって考えたんですけど、魚が痛むのでマリーナ戻ろうって事で戻りました。
帰りながらも自分だけ釣ってしまって申し訳ないという気持ちと、やりきった感が交錯してなんともいえない感じ。

なんか、潮風と光が混じっている中で凄く幸せな時間が流れていた。