aamall

2008年06月03日

6/3 世代の断絶について考えてみる

最近の同人評論ブームについて、結局「若い人は知らないんだよね」という結論に落ち着いてしまうことが多いような。じゃあ、それはなんで生まれたものなんだろうかと考えました。

こちらへ。→

こんなコメントを頂きました。

>@++さんの仰ってるような本音の部分はまぁ皆前提なんだと思いますが。
>特にコミケみたいに限界ギリギリ以上に大きくなりすぎてるイベントで
>建前だけで動けるわけがない。
>でもそこを口に出しては全部パーでしょう?と

これには同意なんですが、あくまで、「そこ」を知っている同士の話ではないでしょうか。まったく知らない人に対して、同じ伝え方をしてもダメだと思います。ただ、やはり口には出せないんですよ。知り合い同士で話すならともかく、不特定多数が見てる場所で発言なんてできない。「そこ」を知ってる方なら、この感覚はわかってくれるはず。

さて、この知識の断絶を追求するには、上下の繋がりが薄くなっている、というのがキーになるらしいです。

例えば、漫研組織の崩壊が実際どんな状況なのか、私の身の回りには当事者がいないのでよくわかりません。

歴史的には、コミケットの運営上、漫研はとても重要な役割を果たしていました。漫研には何人かスタッフを務める人がいて、不足の祭には漫研メンバーから駆りだしたりしていたようです。つい最近まであった「コミケは漫研を優遇している」という噂は、真偽はともかく、ここに理由があります。

しかし、ここではそのような理由ではなく、年長の人が新参者に知識を伝承する、という役割に視点をおきます。げんしけんとかを思い出してもらえればいいかと。笹原は斑目をはじめとする先輩連中に教授をうけ、立派なオタクとなっていきます。特に物語前半は描写がよくされてますね。

ここで、笹原がげんしけんに入った動機を思い出してください。「仲間が欲しい」という理由だったと思います。しかし、現在の状況を考えてみてください。オタク人口の増加にともなって、クラスを見渡せば1人や2人すぐ見つかります。そんな状況で、仲間を求めることがあるでしょうか。同年代、同級で仲間のコミュニティが形成できるなら、わざわざしがらみのある場には行かないでしょう。

漫研に限った話をしましたが、他の場面でも同様のことはあると思います。上下間の繋がりが薄くなるにつれて、口頭伝承による情報の伝達はなくなっていきました。


ところが、ですよ。私は既に世代が断絶された側にいるんですよ。なので、この理論だけじゃ弱い気がします。なので、↑の強調部分について、もう少し考えたいと思います。

断絶された、という話。私は、実は年上のオタクの知り合いが、とっても少ないです。というか、いませんでした。同年代の仲間の世界だったんですね。今こそ、このブログのおかげで知り合いは増えましたが。

なので、口頭伝承を受けたわけじゃないんです。じゃあ、自分はどこから知ったのか。

一番大きかったのは、マンレポだと思います。コミケットカタログ冊子版に掲載されている、1コマ投稿マンガレポートコーナーですね。毎回読み込んでました。

しかし、現在流入してくる人たちが読んでいるかというと、私はほとんど読んでいないのではと思っています。

まず、発行部数の問題。コミケットは11万部発行と公表してますが、これはどれだけ好意的に見ても2人に1部です。実際はもっと少ないでしょう。さらに、カタロム普及(C56〜)により、冊子版の売上は減少しています。マンレポを読む機会はほとんどありません。今はネットの地図とサークルページの告知でチェックができてしまいますしね。

あとは実体験でしょう。まだまだ、あの頃は不親切な世の中だったのです。なので、地雷もたくさん踏みました。

シティが女性向けメインと知らずに参加して途方にくれたり、コミコミ2の洗礼(AM6:00到着で入場に1時間かかった)を受けたり。Webネットワークも貧弱でしたから、新刊情報なんてほとんど無い状況でイベントに挑んでました。完売なんて当たり前ですよ。

今は世の中が親切ですよね。

結局、口頭伝承は途絶えたものの、上の世代が発信してたものをフォローして知っていったのでしょう。


ところで、口頭伝承が途絶えても、Webネットワークという広大な情報源が代わりに現れました。しかし、そこでは上手く伝達できていないようです。これについても少し考察します。

Webは伝達力を大いに高めました。しかし、やはり不特定多数が参照すること、また下手するとそれが正しいことになりかねない危険性から、肝心なことは伝達できない、という特徴があります。初めに述べたとおりです。

例えば、次にあげるような言葉、概要がわからない、あるいは言葉自体聞いたことがない、ということも考えられます。
「青い封筒」「赤い封筒」「○○用チケット」「西のカッタ」「館内列」
都市伝説も混じってますが、どれも具体的に説明しようとすると、いろいろと具合が悪い。1対1の口頭ならば伝えられても、Webに書くわけにいかない気がするんですよね。


つまり、こういうことだと思います。私ぐらいの世代(エヴァ〜葉鍵〜月姫あたり)に参入してきた人は、上から知識を受け取っても、下に伝えることができなかった。随分とえらそうですが、この部分は自分たち世代がダメだったところかなぁと思います。


で。

昨今の議論でも、知ってる人が建前で言葉遊びするのと、知らない人が真剣に議論するのが混ざってるように思います。「もっと調べてから書け」といっても、こんなことどこにも書いてなかったりする。私とか橋本充電中さんの三拡レポでも、知ってるひとはすぐに情報にアクセスできるけど、そもそも三拡の存在を知らない人はアクセスできるでしょうか。正直疑問です。

Web上のアーカイブも随分と減ってしまいました。いや、正しくは減ってないんですが、分散してしまい見つからなくなったと言えるでしょう。アルファブロガーな人たちがたまに同人のことを書いても、全体から見れば数ある情報のうちの一つ。アーカイブとしてまとまってるところは、ほとんど無くなってしまいました。

すの〜すけ〜ぷさんとか、よつばの。(旧・美少女怪盗クローバー)さんも記事の公開を中止してしまい、現状は同人誌生活文化総合研究所ぐらいでしょうか。ピンポイントに求めれば見つかるんですが、おぼろげに「知りたい」と思ってもどこにあるかわからないんですよね。

これはBlogの宿命だと思います。自分で意識してカテゴライズ分けしなければいけないHTMLと違って、とりあえず書いてタグ/カテゴリつけとけばいいのですから、分類が疎かになるのはしょうがないでしょう。

現状については、よつばの。の方も憂いており、今後の動きについては期待したいところです。私も、もっと記事にしていこうと思ってます。

これが伝承の役割を担えるかはわかりませんが、せめてKKGに補足されるような文章力ある人が、きちんと伝える助けになればいいかなぁと、微妙に後ろ向きですが頑張りたいですね。

increment at 23:59│Comments(0)TrackBack(3)コラム 

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1. インフレで追いつかず  [ Nayu-bits Talk(Type-RS) ]   2008年06月05日 16:27
世代の断絶とはあるのですけど、 同人(特に男性向け)がインフレしすぎちゃった所があるのでしょうかね? まあ、一部は前に書いたし、 上のリンク先も見れば、良いのですけど。 情報量の過多もあり、伝承の方法が厳しいなりましたよね。 Webが発達して、情報が増えたのだ...
2. 数年前の、大学のサークル事情のこと  [ タワゴトザッキ ]   2008年06月05日 22:29
大学のアニ研(漫研)の組織について。長いので折りたたんであります。 いつも拝見させて戴いている、同人の情報&コラムが豊富なサイト、@++さんのところで気になった記事があったので、それに関する事を少し。
3. 学漫よりのお話  [ 馬券とヲタクの関係。 ]   2008年06月07日 03:11
わは☆らっきー♪ @++さんで、同人における世代の断絶について書かれていたので、それに関して。 >漫研組織 わたしは大学時には漫研ではなく、メ研(アニメ研)に在籍していましたので、その経験を生かしつつ考察できればと思います。 まず、口頭伝承について書か....

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