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2010年11月14日

11/14 今回のボーマスがどうしてこうなったのか

ボーマス14について、何故こうなってしまったのかという話をします。ただし、私はボーマス運営側に知人がいるわけでもなく、推測で書いたものですので、そのつもりでお願いします。公式の見解じゃありませんよ、と。

何故こうなってしまったのか。即ち、

・カタログが事前頒布で完売してしまい、そのカタログが無いと入場できなかった
・14時のフリー入場に2000人以上が殺到し、会場内が大混雑(らしい)

ということになりますが、なかなか根の深い問題だと思いますので、細切れにしていきたいと思います。


■カタログが事前頒布だけで完売したこと

まず、大前提として、運営はなるべく多くの人に楽しんでもらうことを第一に考えているとします。カタログのあとがきに書いてあることを全面的に信用します。参加者を絞っても運営側に全く利益がない、というのも補助的な理由です。

 ・なぜ利益が無いか
   カタログは仕様の割に高額なので、刷れば刷るほど金銭的に黒字です。
   また、参加者が多ければサークルの売り上げが良くなるので
   サークルからのイベントに対する信用も獲得できます。
   それらの利点を放棄して今回のように叩かれる理由を作るのは
   百害あって一利なしと言えるでしょう。

それなのに、なぜカタログ部数を絞ったのか。それは、意図した数に近いところで、入場できる人数を制限したかったからではないか、と推測できます。ちなみに、完売が予測されたタイミングはイベントの一週間以上前なので、余裕で増刷できたと思います。それでもしなかった、ということです。


■何故入場できる人数を制限したかったのか

会場の広さ・机の配置から、一般入場できる人数はおおよそ予測できます。消防法の関係もあって、あまり無理をすると大事になってしまいます。なので、それ以上が殺到した場合は、段階入場(出る人を待って出ただけ入れる)、入れ替え制などをとらなければなりません。
しかし、運営はそのどちらも選択できなかったと思われます。
まず、前者は入れなかった人をずっと列にして維持しなければならないので、長時間、周囲に迷惑をかけることになります。また、こうなると入場した人がなかなか出たがらない(入れなくなるので)ので、退出のペースも遅れ、効率が期待できません。
後者については、スタッフのリソース不足と思われます。サンシャインCホールで入れ替え制となると、入れ替え時の混雑制御にたくさんの人手が必要となります。外で列を形成・整理・誘導するスタッフ、ホールに残る人を追い出すスタッフなどが必要です。さらに、ホール自体が広いため、作業にも時間がかかるでしょう。また、サークル数が多いので、1回の入れ替え時間も長くとらなければなりません。そうすると、3回入れ替えにでもなれば、開場時間内に完遂できるかも怪しいものです。


■解決にはリソース確保が必要だが……

これらから考えると、カタログ数を絞っての入場制限は、今回のリソース(会場・人材)においてはベストの手段だったのではないかと思います。これを解決するには、会場か人材をどうにかしなければなりません。

まず人材についてですが、私の感覚では、スタッフは少なかったと思います。コミケの二拡があったりして確保も難しかったでしょう。正直、事故なく無事に終わったのは手放しで褒めれるほどに、人的リソースは不足してたでしょう。てか外警からして少なすぎやねんw もちろん、それを補う手法も取り入れていました。一般参加者の先行入場がそうです。

 ・先行入場の利点
   開場直後の混雑対応が簡単になることです。
   購入列は、頒布が始まって動き出すと、列の切れ目に人を置かなければ
   いけなかったりするので、どうしても人的リソースがかかります。
   しかし、頒布前なら列は動かないので、ある程度形成すれば放置できます。
   その間に、予想外の島中の列を整理するなど、イレギュラー要素を排除し、
   準備を整えた上で開場すれば、対処もやりやすくなります。

あと、非日常レコーズもスペース移動となっていました。広い場所に移動して列誘導の手間を省くのが目的です(肝心の列は短く、ちょっと可哀想でしたが)。

後者の会場について。これは仕方ないとしか言えません。ボーマスは過去にも1回、サンシャインで開催してます(ボーマス10)。この時はホール半面での開催でした。そこを、今回はホール全面使用として、規模拡大を図っていたのです。


■そもそも十分すぎる広さを確保してるわけだが。

混雑だけがクローズアップされますが、サークル数からは普通なら全面借りてやる程でもない規模です。例えば、直近のサンクリでは、Cホールに668スペース配置していますが、今回のボーマスは520スペースにとどめています。落選が出ているようですので、意図して520スペースに抑えたということになります。

これは明らかに混雑対応のためです。ボーマスはある時から他のイベントのキャパシティに対して8割程度のサークルスペースに抑えるようになりました。サンクリだって、Cホールが不人気ジャンルだったわけではありません。むしろコミケ壁サークルが多数配置された結果、ホール単位ではCが一番人気で、しばらく入場制限気味になって最後まで入場待機列が残っていたホールです。そこからさらにサークルスペースを減らし、一般参加者の混雑対応に充てていることになります。

つまり、一般参加者が多すぎ、ということです。

  ・サークルスペースと一般参加者の割合の話
    男性向けだと、開場直前で大体サークルスペース×3ぐらいですかね。
    枯れたジャンルほどこの倍率は低くなるんですが、
    ×5を超えると、それは随分と大成功なイベントと言えると思います。
    今回のボーマス、カタログ+14時入場列で6000人ぐらいらしいので、
    ざっと×10以上ということになります。
    カタログ云々でかなりマイナスの補正がかかってるのに、です。


■一般参加者が多い理由

一般参加者が多すぎるのではなく、サークル参加数が少なすぎるのが理由だと思います。それにはだいたい4つの理由があるのではと思います。

一つ目は、音楽系ジャンルだということ。現在のボーマスの主力は音楽CDをリリースするボカロプロデューサーになります。CDをリリースするには、数曲の作品が必要になるので、そんなにハイペースにCDをリリースできるわけではありません。そのため、活動していても新作が用意できないので参加を見合わせているサークルも多いです。

二つ目は、前項に関連するのですが、音楽系は作品をリリースするのに敷居が高く、受け手から作り手にステップアップしにくいということ。本が主体となる他のジャンルに比べ、どうしてもサークルの数は伸びにくいです。

三つ目は、発表の主体がオンラインであること。ボーカロイドはニコニコ動画での作品発表がメインとなっています。そのため、オンラインで満足している作者も他のジャンルより多く、全体の創作者の数の割に、コストのかかるオフラインでの活動に踏み切る作者は少なくなっているでしょう。

四つ目は、ボーマス自体のキャパシティとコストの高さによるものです。まず、キャパシティの面では、今回も落選を出しているように、本来参加するはずだった数よりも減らされています。コストについてはサークル参加費が高いことと、カタログ購入必須(2人目)ということで、特に発表機会が豊富な漫画・イラストサークルが敬遠しがちだと思います。ボーパラ・ディアマスなどと比較すると、漫画・イラストサークルの割合が低いです。

ただし、サークルが減ったからといって一般参加者も減るかというと、そういうことはありません。なぜなら、一般参加者は参加に必要なリスクがとっても少ないからです。

サークルはサークル参加費や作品を制作する時間などの様々なコストを払わなければなりません。そのため、参加を自重することも多いでしょう。しかし、一般参加者は1000円でカタログを買って、あとは当日行くだけでいいのです。そのため、サークル数が若干減少しようが、お目当てのところがいれば(そしてそういうところは大抵当選するということもあるので)参加します。つまり、サークル数が減ろうが、一般参加者は減らないのです。


■つまりどーいうことだってばよ!

まとめると、ボーマス主催は、「サークル数は少ないのに広い会場を確保しないと混雑対応できない」という、会場を手配する側からはとてつもなく恐ろしい状況に立たされています。会場の選択について、こういう理由が背後にあるので責めるのは難しいと思います。会場を拡大したときに、もし充足できる規模にならなかった場合、リスクを負うのは主催だけだからです。7桁のお金が動くところで、それだけの賭けを強いることができますか?

次回以降、という話になりますが、様子を見ながら徐々に拡大するしかないでしょう。会場確保は大抵6ヶ月以上前になります。そのあいだにジャンル規模が縮小してしまうかもしれません。その不安に怯えながら徐々に拡大されるのを見守るしかないです。


■ついでに、参加者のリスク分担の話

前述の通り、今回の対応については見事だったと思います。限られたリソースの中でイベントを破綻させず完結させたのは、流石ベテランイベンターとしか言いようがありません。

そして、リソースが明らかに不足した分は、スタッフ以外が負担することになってきます。サークル参加者と一般参加者です。サークル参加者は、混雑対応を自分達でまかなうこと、そして一般参加者が減り売り上げが減っているということ。一般参加者は語る必要も無いでしょう。

さらに、一般参加者のリスクに対して、コストを払えば楽しめる側にまわれました。要はカタログ確保の手間ということですが、完売が騒がれた頃にケットコムで通販すれば確保できましたし、そこで傍観した人が入れないのはしょうがないでしょう。そもそもその話を知らなかったということについては、ボーマス・VOCALOIDに対する興味がその程度だったのですね、としか。興味持っている人ほど優位に立てるのは当たり前のことです。

即売会は、行って楽しませてもらうところじゃありません。みんなで楽しむ場を作り上げるところです。運営で賄い切れないならば、みんなで支えるしかないんです。と考えたときに、きちんとボーマスをフォローしていれば問題なく参加できた今回は、その面からも見事だったと言えるでしょう。


■最後に、運営の抱える最も根本的な問題点の推測

本気でどうにかしたいなら、スタッフ志願しましょう。いや、ボーマスの場合、どうやったらスタッフになれるか知らないんですが、おそらく一番致命的に不足してるところはここじゃないかと思うんですよね。運営のケットコムは、蒲田PiOより広い会場でイベント運営をすることが皆無なので、それだけの体制を必要としてこなかったんじゃないかと。

なので、安易に会場拡大と言うけれど、拡大して運営が継続できるか、という不安もあります。これだけは運営が解を見つけていかなければならないのですが、見つかるまでには数回の開催は必要なんじゃないか、とも。

ボーカロイドという若いジャンルで同人に足を踏み出した人にとって、リスク・コストの分担も含め、すべての参加者が意識していかなきゃいけない問題があるということが、成長するきっかけになればいいなぁと思います。

increment at 23:59│Comments(2)TrackBack(0)コラム | イベントレポート

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この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   2010年11月16日 00:29
コミティアがコミケになってます。

個人的には、なんで他の大きなイベントが無いときにやらないんだ?という疑問があります。
次回は東方、エルシャダイと合同開催のようです。悪意のある見方をすると、話題のジャンルと合同にして人を集めようとしているように解釈できますね。
2. Posted by 名無し   2010年11月16日 00:33
すみません、コミケの二拡もやってたんですね。

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