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2015年03月10日

3/10 東京のオンリーはツマラナイ

最近の東京のオンリーイベントが面白くありません。

一昨年、話題になったのは、大洗のガルパンオンリー、そして呉の艦これオンリーでした。去年はSDFの艦これオンリー地方行脚がどこでも話題になりました。直近では神戸の艦これオンリーが話題になり、先週末のデレマスオンリー@大阪、ボカロ系合同@京都は、それぞれ関東のイベントを凌駕する規模で大いに盛り上がったようです。

一方で、関東の即売会は話題が無い。いや、つまらないんです。

実はもうずっと前から東京のオンリーは面白くない。会場についたら、一般待機列に並び、開会したらチェックしたサークルを買い、新しいサークルを探して全サークルを一応見てまわって、そしたら帰る。その繰り返しです。

これはまだマシなほうで、人によってはチェックしたサークルを買ったところで終了。開会から5分もすれば撤収してしまう一般参加者も少なくありません。そんな状態を「よつばの。」の管理人こっくりさんが「速攻即売会」と表現したのは2005年くらいの話でしょうか(現在、記事を確認することはできませんが)。つまり、もう10年くらい、ずーっと同じフォーマットで開催されるオンリーイベントと付き合ってきたのです。

でも、その頃はまだ趣向を凝らした企画があるイベントも多かったと思うのです。シールラリー、クイズ企画、喫茶、トレーディングカード、etc... 参加者全体で楽しめるイベントがそれなりに見かけられました。その頃から続いているイベントには、今でもその面影が見られますね。まきまきとか、子羊たちの春休みとか。このようなイベントは、定期開催されても年に1回か2回、そのために入念に準備を重ねて開催されるもので、主催のジャンルに対する知識だけでなくこだわりも強く、その思いがうまく形になった時には、とても印象にのこるイベントになりました。

しかし、そのようなイベントは現在ではほとんど壊滅してしまって、数人の主催が頻繁に開催するイベントで男性向け即売会は回っています。当然、ひとつのイベントにかけることができる時間は少なく、けれどもイレギュラー要素を極力少なくして、安定したフォーマットで場を提供することに専念し、安心できる即売会を提供しています。

(余談ですが、女性向けはプチオンリーが猛威を奮った結果、現状赤ブーとYOUの二択のような状況になっていて、それよりはマシかなぁと思ったりもします)

なぜ数人の主催だけが生き残るような状況になってしまったのか。これは10年前からのオタク界隈の変化による必然となるでしょう。では当時と何が変わったのか。

それは、メインストリームがゲームからアニメに変わったことです。

2005年くらいだと東方が急成長してた頃ですが、他に人気があったのはFate、ひぐらしのなく頃に、もう少し遡ると葉鍵(エロゲメーカーのLeafとKeyのこと)全盛期です。ゲームの発売ペースはせいぜい年に1、2本ですから、ジャンルの動きも早くてそのペースになります。逆に言うと、ゲームが人気になってから、その作品の二次創作で遊ぶ時間が、短くても1年くらいはあったということです。

一方、現在のアニメはご存知の通り3ヶ月周期、作品が完結しても、一週間後には別の作品が人気になっている状況で、とにかく消費ペースが早い。アニメ完結から1ヶ月すればオワコンと言われてしまうような状況です。

これが同人誌即売会にどういう影響をおよぼすかというと、オンリーイベントの開催の準備に全く時間がとれなくなります。なにしろアニメの人気が出たら、それが例えば3話で盛り上がったとしても、そこから2ヶ月後にはもう完結とかんがえると、その作品で遊べるのはせいぜい3ヶ月。それまでにはイベントを開催したいところです。

一方で、同人誌即売会に使える会場は慢性的に不足気味です。なので、会場の予約が始まる1年前、あるいは6ヶ月前には、抽選になっているのが現状です。

当然、3ヶ月前には空いてるわけがありません。困りました。

でも、困らない人たちもいるんです。それは会場をキープしている人たち、すなわち頻繁にイベントを開催している数人の主催たちです。やり方は簡単、まずとりあえず会場をキープしておいて、作品に人気が出た時点でキープしている手持ちの会場から選んで、オンリーイベント開催を発表します。人気作が無くても大丈夫、その時は自身が過去に開催したイベントの次回をやればいいんです。それでも困ったら、主催仲間に会場をシェアすればいい。だって、イベント会場は慢性的に不足してるんです。開催したいイベントはたくさんあります。

こうしてイベント回数を重ねた主催の即売会は、効率的な開催に最適化され、面白みの無い、でも不快感の無いものになります。そんな安心安定の即売会を開催できる信頼を得た主催ブランドは、多くの人達に消極的な選択として選ばれます。どういうことかというと、「このイベントに参加しよう」ではなく「このイベントの中ならこれかな」ということです。他のイベントより優れていると思われているのです、いいことです。人間だれだって失敗したくないですから、安心できるブランドを選びます。

一方、大好きな作品に出会って、即売会を開きたい、と思った人がいたとします。でも確保できた会場は6ヶ月も先でした。一方で前述の主催たちは、3ヶ月先にオンリーイベントの企画を発表しています、あろうことか、5ヶ月先には2回目です。サークル側とすれば、「前述の主催たちの5ヶ月先のイベント」と「よくわからない人の6ヶ月先のイベント」のどちらを選ぶか、ということになるでしょう。本を作るにも時間がかかりますから、全部のイベントに出るなんて、なかなかできません。

すると、その時におそらく多くのサークルは「前述の主催たちの5ヶ月先のイベント」を選ぶでしょう。だって、申し込む頃には、「前述の主催達の3ヶ月先のイベント」がつい先日、大きな問題なく開催され、みんな次回への参加をほのめかしているんですもの。こうして、前述の主催達のイベントはサークル数はよく集まり、見た目は盛況が続きます。

いや、実際は別の主催が出てくればたいしたものです。いつもの主催達がイベントを開くので、そこにわざわざ同じジャンルのイベントを開こうなんて人はそうはいません。だって、二番手以下になってそれほどの盛況は見込めないイベントに、そこまで情熱をかけるのは難しいです。一番盛り上がってるイベントに乗っかる方がらくちんでたのしいです。

でも思わぬ方向からライバルがやってきました。それが地方イベントです。不思議なことに、魅力的なイベントが多いです。

なぜか。

なんとか在京サークル・在京オタクに参加してもらえるよう、東京より魅力的なイベントにすることを目標にイベントを工夫するからです。

こういう説を見かけましたが、うーん、ホントかな。

自分はちょっと違うと思ってます。

地方では、東京のように会場の供給不足だったり特定の主催がイベントを頻発させるような状況はありません。しかし、人口規模が小さいので、3ヶ月でたち消えてしまうようなジャンルのイベントではサークル数が集まりません。なので、ハイペースに短期間で準備して開催する必要はありません。地方でオンリーイベントが成立するのは、年単位で人気が持続する大人気ジャンルです。東方、アイマス、艦これ、VOCALOID。そんなジャンルなので準備期間も長くとれます。開催ペースだってせいぜい年2回で十分すぎるくらいです。そう、昔のオンリーイベントの条件とそっくりなんですね。だから魅力的なイベントがたくさん出てくるのだと思います。

そのことに最近気づき始めちゃった在京の参加者も多いのでしょう、これが最近の地方オンリーイベント盛況の正体だと思います。(あと、UPFGというか久樹氏の尽力がありますがこれは省略します)

さて、東京の即売会はどうすれば楽しくなるのか。これの答えを出さないと本エントリーは不完全だと思うのですが、私自身としてはどうしようもないと思っています。

なぜなら、前述のように構造的な問題だからです。現在の東京主催だって盛り上がるイベントやりたいですから、人気ジャンルから手を引くようなことはありえないでしょうし、それでいいと思います。

むしろ大事なのは個性的なイベントをしっかり支えてあげること。すなわち良いところを伸ばすということです。少し不快なことがあっても、慣れないことがあっても、寛容的にならなければいけないでしょう。

悪いところを直すために既存の主催のイベントのやりかたをトレースしたって、主催のブランドが無ければ勝てません。つまらないイベントが少し盛り上がらない形に再生産されて、もっとつまらないイベントが出来上がるだけです。そんなことに労力を費やすよりは、多少の不便は参加者でシェアして、ワクワクを育ててあげたいですね。

あと、東京のイベントが全部ダメなわけではなく、たまーに主催さんの思いがこれでもかと詰まったイベントもありますので、しっかり発掘してあげて下さい。きっとみんな幸せになれます。

お前がやれですか、そうですか。でもなぁ、それでたくさん人が来ちゃうと本買えなくなっちゃうしなぁ。実際、嗅覚が鋭いひとはたくさんいます。きっとみんな頑張れば気づけるはずです。精進しましょう!

(3/11 0:10 誤記修正)
(3/11 0:55 文章がおかしいところ、論理順序がおかしいところを修正)

increment at 23:53│Comments(12)TrackBack(0) コラム 

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この記事へのコメント

1. Posted by 一般参加者   2015年03月11日 15:15
東京のイベントはつまらない、から始めて東京のイベント全部がダメなわけじゃないですよ。で〆てて言いたいことがよくわからないですね。
2. Posted by 名無し   2015年03月11日 23:24
※1
最初と最後だけしか読んでないなら

その感想が的確ですね。
3. Posted by 名無し   2015年03月12日 07:48
この結びで終わるのはつまり……つまり、東京のイベントがつまらないのは、みんなあなたのように良イベントを秘密にして、結果その良イベントの主催者に反応が無いと寂しい思いをさせて、イベント開催から遠ざけて来たから、と言う事ですか?
4. Posted by 名無し   2015年03月12日 10:43
何もかもイベンターのせいにするブロガーの屑
5. Posted by イベント初心者   2015年03月12日 11:14
つまり即売会単体には(目的のサークルさんを買うだけで用が無くなるため)魅力は薄く、それに付随する主催者さんが考えた(愛を感じる)企画込みで真のイベント足りうるということでしょうか。

また本が欲しいだけでイベントそのものには興味が無い参加者にも釘を刺すようなご意見にも感じますね。
いわゆるアフターイベントには参加せず、一緒に来た知人らとご飯に行くのが定番コースなのですが、これはダメでしょうか。
6. Posted by 通りすがり   2015年03月12日 11:55
あまりにも知識量も見解も浅すぎます。
メインがゲームからアニメに変わった?
そんなの10年前だって現状とほとんど変わってない。
そもそもイベント会場取得の現状なんて10年前も今も大して変わっていない。

もっと大きいSNSやDL販売委託販売の発展の影響を無視して何言ってるんですか。
twitter、LINEの二大SNSの台頭によりイベントの「交流の場」としての価値が暴落
DL販売や委託販売の大規模化により「即売会」としての価値も暴落
ライブ性や交流の場をイベントに求める必要自体が無くなっている。

加えてpixivの影響も少なくなく、作家も昔ならため込んでイベントで出していたネタをライブ感の高いpixivで公開することも多くなっています。

様々な技術やネットワーク、販売形態の変化がイベントの価値を大きく引き下げたことの影響も考えずよくまぁ知ったようなことを……
7. Posted by 一般参加者(時々スタッフ)   2015年03月12日 11:56
「昔のイベントは楽しかった・・・」でなく
「その時の自分が楽しかった」だと思いますよ。

自らやる事を制限してチェックして・並んで・買うだけじゃあツマラナイし面白くもない。
(それだったら通販で買った方がマシ)

イベント初心者氏のように知人と飯食いに行くも良し
サークルの人やそこで知り合った人と話をするも良し
とやり方は色々とあるんだぜ。

ツマラナイ原因を他に求める前に自分から見直したらどうかね?
8. Posted by .   2015年03月12日 12:03
無理だよ能無しだもん
9. Posted by ositi   2015年03月12日 12:26
記事書いてるこいつ自体、オンリー会場にせいぜい30分早けりゃ10分で帰ったりする参加者だもん
なんのために行ってるんだか分からないし、相手するだけ無駄
10. Posted by     2015年03月12日 17:30
同人即売会なんだから好きな作家の同人誌手に入れられればそれでいいんじゃないの
その部分つまらなく感じてるんならもう同人イベント卒業したらいいんじゃないですかね
自分がつまらないと感じてるものにいつまでも未練たらしくしがみついて文句と嫌味垂れ流すとか目障りなんで止めてくれません?
11. Posted by @++   2015年03月12日 21:53
> 5.イベント初心者さん
主催者さんが考えた(愛を感じる)企画込みのイベントのほうがいいよね、と自分は考えています。
でも、それが「真のイベント」だなんて格付けしちゃうと荒れるだけです。
どんなイベントもイベントですし、これだとイベントに足らずだよね、とかは思いません。

また、イベント参加の姿勢は人それぞれですし、こんな参加の仕方はダメだ、なんて言うつもりは全くありません。
そのように読み取れてしまったなら申し訳ないですが……。
私が書いたのは、参加者をイベントに留め置けないイベントが増えたよね、ということです。

イベント初心者ということ、今は凄く楽しい時期でしょう。自分なりの楽しみ方をみつけてくださいませ。


> 6.通りすがりさん
記事にも書いたとおり、10年前とはジャンルの寿命が大きく変わっています。
もちろん、大人気ジャンルは当時と状況が変わらないですが、短寿命のジャンルに対応するシステムを構築したために、大人気ジャンルの置かれる状況も変わってしまった、と考えています。

即売会の価値が下がったのはその通りだと思います。
だからこそ、本の頒布以外の部分で価値を創出していかなければいけないのではないでしょうか。その部分で以前より退化してしまっているのはとても危険な状況だと思っています。
12. Posted by @++   2015年03月12日 21:53
> 7.一般参加者(時々スタッフ) さん
「その時の自分が楽しかった」はこの手の意見に対してよく使われる上手い言い回しですが、今回は同意できません。
主催側の企画が減って場の提供に特化したイベントが増えているのは間違いないからです。

つまらないというのは自分への言い訳かもしれませんが、地方のイベントは企画満載なものが多くて楽しいんですよね。(地方にも「ツマラナイ」イベントは沢山あるという指摘を別のところで受けました。実際、企画あふれる楽しそうなイベントを選択して参加しているので、その点はその通りです)
じゃあ、東京のイベントはなぜそういうイベントが減ってしまったのか、ということを考察したのです。

もちろん、楽しみ方はいろいろある。それを自分は見つけられていないのかもしれない。でも、ひとつの楽しさが消滅してしまったのは事実でしょう。

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