2022年08月15日
コミケがこの先生きのこるには
記念すべきコミックマーケット100回目が無事終了しました。コロナ的にはまだ続報がある可能性はありますが、あったとして特におおごとにはならないと思います。
■女性向けジャンルのサークルがめっちゃ少なかった
社会的な問題はおいといて、同人的に今いちばん危機感を持っているのはここだと思います。コミケがエロの文脈で一般社会に扱われるたびに「コミケは女性のほうが多い」とドヤ顔してきたわけですが、C100では1日目の一部と2日目のFGOに内包されている部分くらいしかなくて、完全に男性向けジャンル優位の即売会となってしまいました。
特に原因を深堀できるだけの女性向けジャンルの知識が私には無いのでそこには触れませんが、女性向けジャンルを引き受けるComic Cityと比べて、コストがかかる、一般参加が抽選のため減少している、申し込みから開催までのスパンが長い、などの面から、Comic City優位になっているものと思われます。
コミケの開催携帯が従来の形に戻るならば元の姿に戻る可能性もありますが、ここまでサークルが減ってしまうと数を戻すのもなかなか難しいと思います。「コミケは売れないイベント」という認識ができてしまうと、他のイベントより高い参加コストはなおさら足枷となります。
実質的に唯一の大規模オールジャンル即売会となっていたコミックマーケットですが、イベント規模は来場者数に担保されています。単純に参加者数という数だけでなく、群を抜いた参加者数がサークルの売り上げにも繋がり、規模の維持につながるという構図です。ところが現状で参加者数に大きな抑止力がかかってしまっているため、サイクルが回らなくなっています。サークルが減ってしまう前に参加者を戻せればよかったのですが、サークルの数にまで影響が出てくると、今度は一般参加が自由にできるようになったとしても、コミケに行く目的が無くなってしまい、参加者が戻らなくなります。
男性向けではまだこの傾向は出てきていません。それは、Comic Cityのような代替イベントが男性向け界隈に存在しないことによると思います。Comic1がそのポジションに到達できていないのがコミケには幸いしています。Comic1はエロ同人優位のイメージが定着していて、男性向けの作品ジャンルを吸収するというより、各種オンリー即売会と並列の位置に収まっています。また、各種オンリー即売会も例大祭を除きそのジャンルのサークルが外せないというような位置に到達できた即売会はありません(一応、にじそうさく。はイイ線いってると思います)。これらの理由から、まだコミケが求心力を維持できています。
■一般参加のチケット制
ここまでで、一般参加が自由参加からチケット制になり制限されたことの影響を書いてきましたが、チケット制を排除して以前のように自由参加型のイベントにできるかというと、それも難しいと思います。
感染症対策など表向きの話はあるとして、他にも開催コスト的な話があります。チケット制にすることで一般参加者からも収入を得られること、徹夜組が消滅するために警備費が抑えられることなどを考えると、完全に廃止するというのは難しいと思います。特に徹夜組問題は警察との絡みもありますし、わざわざ徹夜組を再度呼び込む方向に動くのは困難でしょう。
現状のチケット制度の問題としては、若者(経済的な余裕が少ない人)が参加しづらくなっているという点があります。単純に高いという話もありますが、今の販売スケジュールだと「アーリー入場券販売のタイミングでお目当ての作家のお目当てのジャンルの本があるのかわからない(コロナ的には参加するかも不明瞭だったりする)」「販売計画がサークルから発表された頃にはアーリーどころか午前チケットも買えない」という事象にぶちあたります。絶対参加!というコミケジャンキーは最初からアーリー全ぶっぱなんですが、お目当てが限られてくる若年層やライト層にとっては、行く必然性がわからないのに5000円を投入するのはなかなかハードルが高いです。
一方でいざ会場限定本とかが発表されても、その時点で手に入る午後入場チケットでは間に合うわけもない、という状況では、どちらにせよ諦めて通販で手に入るもので満足するという手段しかとれません。こうしてライト層や若年層はコミケから離れていきます。そうすると、会場内を歩くことで発生する新しい同人誌との出会いの機会もどんどん失われていきます。それはコミケへの参加継続の意味を失うことにもなります。だって、竹箒は毎回参加しませんから、竹箒以外に参加する目的を増やすことが出来なければ、次はその一般参加者も来ませんからね。
■101回目のコミックマーケット
次回も2日間開催です。しかし、サークル数は今回より減るのではないかと思っています。というか100回という節目開催でも2日間で十分な程度しか集まらなかったというのは相当やばい(落選は多少あったみたいですが)。
オールジャンルイベントの盛り上がりは規模のみに担保されるので、サークル数が減るというのは単純に大きな危機になります。同人誌即売会が「ハレの場」であることを、これまでは開催規模が代弁してくれてきました。規模が縮小したときに、どれだけ「ハレの場」を意識させる場に作り替えていけるかが今後の課題になると思います。
■女性向けジャンルのサークルがめっちゃ少なかった
社会的な問題はおいといて、同人的に今いちばん危機感を持っているのはここだと思います。コミケがエロの文脈で一般社会に扱われるたびに「コミケは女性のほうが多い」とドヤ顔してきたわけですが、C100では1日目の一部と2日目のFGOに内包されている部分くらいしかなくて、完全に男性向けジャンル優位の即売会となってしまいました。
特に原因を深堀できるだけの女性向けジャンルの知識が私には無いのでそこには触れませんが、女性向けジャンルを引き受けるComic Cityと比べて、コストがかかる、一般参加が抽選のため減少している、申し込みから開催までのスパンが長い、などの面から、Comic City優位になっているものと思われます。
コミケの開催携帯が従来の形に戻るならば元の姿に戻る可能性もありますが、ここまでサークルが減ってしまうと数を戻すのもなかなか難しいと思います。「コミケは売れないイベント」という認識ができてしまうと、他のイベントより高い参加コストはなおさら足枷となります。
実質的に唯一の大規模オールジャンル即売会となっていたコミックマーケットですが、イベント規模は来場者数に担保されています。単純に参加者数という数だけでなく、群を抜いた参加者数がサークルの売り上げにも繋がり、規模の維持につながるという構図です。ところが現状で参加者数に大きな抑止力がかかってしまっているため、サイクルが回らなくなっています。サークルが減ってしまう前に参加者を戻せればよかったのですが、サークルの数にまで影響が出てくると、今度は一般参加が自由にできるようになったとしても、コミケに行く目的が無くなってしまい、参加者が戻らなくなります。
男性向けではまだこの傾向は出てきていません。それは、Comic Cityのような代替イベントが男性向け界隈に存在しないことによると思います。Comic1がそのポジションに到達できていないのがコミケには幸いしています。Comic1はエロ同人優位のイメージが定着していて、男性向けの作品ジャンルを吸収するというより、各種オンリー即売会と並列の位置に収まっています。また、各種オンリー即売会も例大祭を除きそのジャンルのサークルが外せないというような位置に到達できた即売会はありません(一応、にじそうさく。はイイ線いってると思います)。これらの理由から、まだコミケが求心力を維持できています。
■一般参加のチケット制
ここまでで、一般参加が自由参加からチケット制になり制限されたことの影響を書いてきましたが、チケット制を排除して以前のように自由参加型のイベントにできるかというと、それも難しいと思います。
感染症対策など表向きの話はあるとして、他にも開催コスト的な話があります。チケット制にすることで一般参加者からも収入を得られること、徹夜組が消滅するために警備費が抑えられることなどを考えると、完全に廃止するというのは難しいと思います。特に徹夜組問題は警察との絡みもありますし、わざわざ徹夜組を再度呼び込む方向に動くのは困難でしょう。
現状のチケット制度の問題としては、若者(経済的な余裕が少ない人)が参加しづらくなっているという点があります。単純に高いという話もありますが、今の販売スケジュールだと「アーリー入場券販売のタイミングでお目当ての作家のお目当てのジャンルの本があるのかわからない(コロナ的には参加するかも不明瞭だったりする)」「販売計画がサークルから発表された頃にはアーリーどころか午前チケットも買えない」という事象にぶちあたります。絶対参加!というコミケジャンキーは最初からアーリー全ぶっぱなんですが、お目当てが限られてくる若年層やライト層にとっては、行く必然性がわからないのに5000円を投入するのはなかなかハードルが高いです。
一方でいざ会場限定本とかが発表されても、その時点で手に入る午後入場チケットでは間に合うわけもない、という状況では、どちらにせよ諦めて通販で手に入るもので満足するという手段しかとれません。こうしてライト層や若年層はコミケから離れていきます。そうすると、会場内を歩くことで発生する新しい同人誌との出会いの機会もどんどん失われていきます。それはコミケへの参加継続の意味を失うことにもなります。だって、竹箒は毎回参加しませんから、竹箒以外に参加する目的を増やすことが出来なければ、次はその一般参加者も来ませんからね。
■101回目のコミックマーケット
次回も2日間開催です。しかし、サークル数は今回より減るのではないかと思っています。というか100回という節目開催でも2日間で十分な程度しか集まらなかったというのは相当やばい(落選は多少あったみたいですが)。
オールジャンルイベントの盛り上がりは規模のみに担保されるので、サークル数が減るというのは単純に大きな危機になります。同人誌即売会が「ハレの場」であることを、これまでは開催規模が代弁してくれてきました。規模が縮小したときに、どれだけ「ハレの場」を意識させる場に作り替えていけるかが今後の課題になると思います。
increment at 14:19│Comments(3)│
この記事へのコメント
1. Posted by トーリス・ガーリ 2022年08月17日 18:20
興味深く拝見させて頂きました
中小規模でサークル参加させて頂いている者の目線で語りますと、前は大手を一通り買い終わった人たちや午後から入った人が物見遊山でやってきて買っていくケースが少なくなかったのですが、前回C99ではそれはまったくなく、要するに「大手作品を意地でも買いたくてチケットを意地でも手に入れて買いに来る」という温度感の人が主で「いろんなサークルをなんとなく回ってみていく」人が殆ど会場に入らなかったんですよね
こういう感じで、コミケのサークル数が減っていってるのは、単純にコロナで同人人口が減っただけではなく、上記のような理由で中小サークルにとっては、あまり面白みのないイベントになりつつあるというのも理由にあるかもしれないと思ったりします
ちなみにC100では若干解消された感じはしたのですが、これが単純に人が増えた事によるものか、それとも、C100という節目で古参の方が多く参加されたからなのかは分からない感じです
ホントに個人感ですが、徹夜云々でアーリー入場を有料にするのは有りとしても、午後から入場自由にならないと中小としてはあまり参加する意義を見いだせないイベントになってしまうなあ、という感じです
中小規模でサークル参加させて頂いている者の目線で語りますと、前は大手を一通り買い終わった人たちや午後から入った人が物見遊山でやってきて買っていくケースが少なくなかったのですが、前回C99ではそれはまったくなく、要するに「大手作品を意地でも買いたくてチケットを意地でも手に入れて買いに来る」という温度感の人が主で「いろんなサークルをなんとなく回ってみていく」人が殆ど会場に入らなかったんですよね
こういう感じで、コミケのサークル数が減っていってるのは、単純にコロナで同人人口が減っただけではなく、上記のような理由で中小サークルにとっては、あまり面白みのないイベントになりつつあるというのも理由にあるかもしれないと思ったりします
ちなみにC100では若干解消された感じはしたのですが、これが単純に人が増えた事によるものか、それとも、C100という節目で古参の方が多く参加されたからなのかは分からない感じです
ホントに個人感ですが、徹夜云々でアーリー入場を有料にするのは有りとしても、午後から入場自由にならないと中小としてはあまり参加する意義を見いだせないイベントになってしまうなあ、という感じです
2. Posted by 女性向け 2022年08月18日 22:19
女性向けジャンルにいるものの視点から。
コミケが避けられている理由は、おっしゃるコストの高さ、当落の有無等の他に、
・コミケ開催時期の盆正月は、既婚女性が参加しずらい
・暑すぎたり寒すぎたり厳しい気温の時期に、長時間の待機列に並ばないといけない
この辺は従来からあった不満点で、それでもコミケでしか買えないものがあったから参加していたところ、
女性向けではコミックシティのジャンル、カプオンリイベントが主流となり、サークル買い線ともにそこに集中して集まるようになった結果、
そこまで女性向け参加者のいないコミケにデメリットを呑んでまで参加するメリットがなくなったからといったところでしょうか。
人がいるから人が集まる。人がいないから人がいなくなる。一度出来てしまったこのサイクルを無くすのは相当難しいと思います。
コロナ禍が終わって、例え一般がコロナ前のようにチケ制度一切無しに戻ったとしても、
もう女性向け参加者がコミケに戻ることはないだろうし、
コロナ禍のコミケで、男性向けの参加者にこのサイクルができないことを願うばかりです。
コミケが避けられている理由は、おっしゃるコストの高さ、当落の有無等の他に、
・コミケ開催時期の盆正月は、既婚女性が参加しずらい
・暑すぎたり寒すぎたり厳しい気温の時期に、長時間の待機列に並ばないといけない
この辺は従来からあった不満点で、それでもコミケでしか買えないものがあったから参加していたところ、
女性向けではコミックシティのジャンル、カプオンリイベントが主流となり、サークル買い線ともにそこに集中して集まるようになった結果、
そこまで女性向け参加者のいないコミケにデメリットを呑んでまで参加するメリットがなくなったからといったところでしょうか。
人がいるから人が集まる。人がいないから人がいなくなる。一度出来てしまったこのサイクルを無くすのは相当難しいと思います。
コロナ禍が終わって、例え一般がコロナ前のようにチケ制度一切無しに戻ったとしても、
もう女性向け参加者がコミケに戻ることはないだろうし、
コロナ禍のコミケで、男性向けの参加者にこのサイクルができないことを願うばかりです。
3. Posted by 通りすがり 2022年08月21日 19:39
チケット制に関して言えば、コミックシティは何年も前から一般参加者の入場券購入制を取っているので、女性向けではむしろ一般的とも言えます。
なので、問題はチケットの事前申込抽選制かつ当日券の販売なし、という点であって、感染対策としての入場制限が緩和され、当日チケットを買って入れるようになればかなり変わるとは思います。
とは言え、それはあくまでお目当てのジャンルのサークルが参加していれば、という話であって、女性向けサークルの参加が増えない限りチケット制がどう変化しようが一般参加者は来ません。
コミケのキャパシティが一定で、ジャンルごとの当選率が一定になるよう調整されている以上、代替イベントのないジャンルの申込数が全体に占める割合が高くなる=スペース数が多くなるのは当然の帰結です。
ただ個人的には自然縮小にはあまり問題を感じておらず、コミケ全体のサークル落選率が下がり、一般参加者が減少して過酷さが軽減されるなら、その時点でまた流れが変わってくるのではないかと思っています。
(具体的にはサークル当選率80%あたりが分岐かなと)
その時まで、(コミケ本体ではなく)同人誌に関わる産業が持ちこたえることができるのかどうか、が心配ではありますが。
なので、問題はチケットの事前申込抽選制かつ当日券の販売なし、という点であって、感染対策としての入場制限が緩和され、当日チケットを買って入れるようになればかなり変わるとは思います。
とは言え、それはあくまでお目当てのジャンルのサークルが参加していれば、という話であって、女性向けサークルの参加が増えない限りチケット制がどう変化しようが一般参加者は来ません。
コミケのキャパシティが一定で、ジャンルごとの当選率が一定になるよう調整されている以上、代替イベントのないジャンルの申込数が全体に占める割合が高くなる=スペース数が多くなるのは当然の帰結です。
ただ個人的には自然縮小にはあまり問題を感じておらず、コミケ全体のサークル落選率が下がり、一般参加者が減少して過酷さが軽減されるなら、その時点でまた流れが変わってくるのではないかと思っています。
(具体的にはサークル当選率80%あたりが分岐かなと)
その時まで、(コミケ本体ではなく)同人誌に関わる産業が持ちこたえることができるのかどうか、が心配ではありますが。
