きもの”浪漫紀行”

きもの屋”巽庵・きく庄”でございます。 本物のきものを愛し、末永くご愛用いただきたいと願っております。

2015年08月

きもの屋日記

葉月・8月  晦日

今月は盛夏らしく厳しい暑さの日もあったのですが
何だかスッキリしない、
また台風に所為で雨が多かった印象の一月でした。

暑いにもかかわらず色々とお話をお聞かせいただく機会に恵まれ
改めて御礼を申し上げます。
皆さんからのお話をお聞かせいただく事は大変嬉しく思います。
そんな中で
最近は”きもの”に関する深い部分のご相談も増えております。
本格的なご相談をいただき一層喜びを感じます。
真剣に”きもの”と向き合っていただく上での貴重なご意見に
私共もより一層真摯に向き合わせていただかねばと心しています。

その点においては齢を重ねる事が力となり幸いと思っています。
今後も是非何なりとお聞かせいただければと願っております。

今月も有難うございました。

きもの屋日記

不安定なお天気が続きそうです。ご注意ください。

昨日ご来店いただいたお客様は二十数年のお付き合い。
帯に関しては九寸名古屋帯がお好みです。
最近は少しくだけた印象でお洒落にお召しになりたいと仰います。
存在感のある逸品をご覧いただきました。

「帯」は”きもの姿”の要と何度も記してきましたが
実際にこのお客様のように上手くお使いいただくと先の言葉が
十分に頷いていただけると思います。
ただお手許の品物をじっくり観察すると少し地色の偏りを感じます。
平凡に思えても普通と感じる地色も品物も大切です。
そのような地色の方が却って”きもの”の色を綺麗に見せる事があります。

つまり「”きもの”をどのようにすれば綺麗に見えるか」との考えは
大変大切な事です。
いつも記す工夫する考えと通じ合うと思います。

しっかりした考えが綺麗な姿に結びついていくのであれば
それはとても嬉しい事です。
そのような点を実践していただいているお客様とお話申し上げ
一層その考えを続けなければと思いました。

きもの屋日記

陽が射せば厳しい残暑の8月下旬です。

昨日は「薄色大島紬」について記しましたが記載同様に
”きもの”の世界では思い込み、勘違い等が多くあります。

例えば「黒留袖」。
現在礼装の中でも一番格が高いと思われているようですが
実際の礼装の中では「黒」はあくまで多くの色の中の一色です。
明治以降西洋文化の影響が大きく、その為「黒」という色が
格の高い色のように思われていますが日本の文化はちょっと違います。
今も結婚式等では親族がその「黒留袖」を纏うのですが
そこには控え目にお客様をお迎えするという意味が込められています。

「黒紋付」に関しても大きな見解の相違が在ります。
一般的には「喪服」との認識ですが、実は葬送を行う家の者が
格式を持って亡き者を送るという意味で「紋付」を纏っているのです。
亡き者を偲ぶには色々な方法がありますが「黒紋付」を纏う事により
家族全体で粛々と送り出すという荘厳な偲ぶ姿となるのです。

他にも色々間違い、勘違いを目にする事があります。

その都度記載していこうと思っています。

プロフィール

巽庵・きく庄店主

巽庵・きく庄店主
学生時代は映画を専攻していた変わり者。きものの基礎を京都の老舗で学び36年。ようやく経験を活かせる年齢になりました。当たり前の事ですが映画製作同様創作を”きもの”の世界にも求めます。周囲との調和も視野に入れ「和」のコーディネートをご提案。お客様の「笑顔」「楽しさ」を追求したいと思っています。商いを通じての社会貢献。それが商いの本来の姿と心に刻み、また後世に本物を伝える事を旨として益々頑張っていきたいと思います。
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巽庵・きく庄店主

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