2017年05月13日

南インド映画祭2017 総括

SIFFJが終わった。
まずは、この映画祭に関わったすべての人たちに感謝したい。お疲れ様でした。楽しい作品をたくさん、どうもありがとう
最近のボリウッドは比較的さらっと小じゃれた作品が多くなってきたが、南インドはまだまだどっしりとインドらしさを残していることを実感した。一概に日本料理といっても北海道と沖縄ではまったく違うように、同じインド映画というくくりでも個性が出ていて面白かった。

GWということで、他の予定も入っていたので今回は12本中9本を鑑賞。各作品の感想は忘れないようにツイッターに書き留めた。このブログでは印象に残った上位4作品と、その他の作品の感想を。

 愡件番号18/9』
インドのリアル・・・富めるものと貧しきものの覆ることのない絶対的な差、警官の悪行などが、純粋なラブストーリーと共に描かれる。彼の持つ夢は大金持ちになって虐げられてきた人たちを見返す事ではない。小さな家と店を持ち、好きな彼女と所帯を持つこと。その夢はい乃鵑欧拭悒襯轡◆戮砲眥未犬襦辛い作品の中にも正しき裁きの可能性と希望が見えたところがとても良かった。ひとひねりしたストーリーとも相まって、自分的に今回ダントツ1の作品。
◆24』
タイムマシン的な話はポピュラーなテーマではあるが、インド映画で取り入れられたことが新しい。1枚の鳥の羽のいたずらから生まれるハリーポッター的なファンタジックな世界観。それががっつりインド映画の世界に組み込まれていく。偶然が起こした奇跡が入るとはいえ、「神」の力が一切入らず、人間の力のみによって生み出された発明というのもインド映画としては割と画期的ではないか。
『帝王カバーリ』
前回のブログに書いた通りだが、作品ごとに当然いろいろな評価はあるものの、やはり今のタミル語映画界でラジニカーントの存在は唯一無二のものだ。
ぁ悒襯轡◆
これはもっと上の順位になったかもしれない。関西弁の字幕を読むという違和感を最後まで消せなかった。田舎出の彼のキャラは、いわゆるステレオタイプの関西人・・商売っ気があり要領よく立ち回る・・とは違う気がしたし、不思議ワールドに日本のリアルが感じられてしまった。もし取り入れるなら一人称を「ワシ」「オレ」くらいでよかった気がする。ただ世界観はとても面白かった。これも今後のインド映画の可能性を感じさせる作品。

ちなみに観なかったのは『テリ』『ウソは結婚のはじまり?!』『スブラマニアム買いませんか』。
他に観た5作品もそれぞれ面白かった。

『レモ』は安定のラブコメ。恋愛結婚は男女とも憧れとして描かれるテーマ1だが、女性の恋愛結婚は男性よりハードルがめちゃくちゃ高くなる。男性に背中を押されて押されてようやく決意する。例えばボリウッドのアーリアー・バットが演じるような役柄だと仕事も恋愛も自分でコントロールして決断していくキャラが増えている。南インド映画はあまり観ないのでよくわからないけど、そのあたりはどうなんだろう。

『誰だ!』『オッパム』は面白そうなエピソードは全部入れちゃえ的なにんにく野菜マシマシの足し算のスリルアクション。1つのテーマをじっくりと追っていくそぎ落としたストーリーは洗練されていて明快だが、もう何が本筋だかわからなくなっちゃいそうなてんこ盛りサスペンス系というジャンルを無意識に確立させている気がする。

『ジャスミンの花咲く家』や『人形の家』の家シリーズはインドの家族のいい面悪い面が体感できるような作品。日本人的に作品としてはインド家族色が強すぎて胸焼けしそうになったが、それはそれで彼らの考えがとてもよく表れていて面白かった。

このような映画祭で一番楽しいのは、同じ作品を同時期に感想を言い合えること。インド映画は一般公開が少なく、時々行われる上映会やDVDは英語字幕のみで理解がイマイチだったりで、こういう機会が少ない。ヒンディー語を学んでいるせいと昔からの馴染みで、どうしてもボリウッド作品の視聴が多くなるが、インド映画全般北も南も本当に面白いつまらなくても面白い

来年もやるような噂を聞いたので、是非また楽しい作品を上映してほしい。