2019年06月08日

『Bharat』

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毎年恒例、イードのサルマン映画。

ボリウッドってこうだよね、というイメージを更にましましにした、てんこ盛り作品だった。
色鮮やかなダンスシーン、昔の映画のシーン、ベタなギャグ、海外ロケ、もちろんラブロマンスやアクション、家族の絆は言わずもがな。韓国映画のリメイクということらしいが、これでもか!とばかりにオイシイところを詰め込んで、見事なまでにインド色に染まっていた。画像もちょっとひと昔前の雰囲気。

白いスーツに身を包み、バイクに乗ったサルマンが、火のついた輪の中をくぐりぬけてやってくるなんてスターじゃなきゃできないシーンだ。観客のテンションも上がる

サルマンの映画らしく、脇のキャストも良かった。相棒役の俳優さんはいい味出してたし、最初に出てくるアイテムガールの女優さんは全盛期のセクシーマードゥリーをちょっと思い起こさせる。後半のカメオ出演の女優さんはもうね、少ない出番で存在感が素晴らしい。あとインド映画の子役にハズレなし。

ストーリーも決して悪くはない。が、特に印象に残るというほどでもない。でもなぜか満足する。疲れた週末は、何も考えずにかっこいい、楽しい、面白いといったプラスの脳内ドーパミンを出したい。

最近インド映画は「伏線の回収が見事」と言われるが、ほとんどのストーリーが放りっぱなしですがすがしいくらいだ。何かのダイジェストを見ているような・・・あれ?

主人公サルマンの役名はBharat、「インド」という名前だ。
もしかしてこの映画は彼の目を通したインドそのものの歴史物語なのでは?

過去の凄惨な事件、分断された国境、好景気、過酷な労働、有色人種差別、時代の変化と変わらない家族愛。歴史的人物でもなんでもない、いち庶民(といえどサルマンの役はプチヒーローではある)が時代を生き抜いてきた。そしてこれからも生きていく。彼らのパワーがある限り、インドは成長していく。時代は移り変わっていくが、名もなき庶民がインドを支えているのだ。

映画の途中でインド国家が流れるシーンがあったのだが、何人ものインド人観客が起立をし、インド万歳というところでは一緒に拳を振り上げる。観客と映画がシンクロする瞬間だ。

こういうことを書くと「インド右傾化」みたいに勘違いする人がいるかもしれないが、占領され、分断されたという歴史的事実があるインドにとって「国家」に対する思いは私達日本人が思っている以上かもしれない。タイトルを見ると愛国映画のように思いがちだが、インドという国で生きる・・というもっとフラットな印象を受けた。

サルマン演じるBharatにとって、母、父、愛する人、そしてインドという国とは・・・と考えるとお気楽エンターテイメント映画がまた違った目線で見られるような気がした。

この記事へのコメント
まだ観てないので観たいです〜。
なかなか機会がなく・・・・もう暑いので、
映画のハシゴもいいかもしれません。
Posted by サントーシー at 2019年06月10日 21:56
This is Bollywood という感じで頭からっぽにして観れます。決してオバカ映画という意味ではなく、楽しい時間を過ごせるという意味で。サルマンはやっぱりスターだなと思いました。
Posted by ソニア at 2019年06月10日 22:03