D&Dで趣味英語 【Infinit Region】

「英語は目的ではなく手段」なのでした。英語を学ぼうなんて思っていなかったのに、気づいたら英語漬けになっていた管理人が贈る趣味の世界。 元祖RPG「D&D」こと「DUNGEONS & DRAGONS」を遊びながら熱量を維持。無理しない、自然体で英語に触れる趣味のブログです。

かつてはコミケにもこの名称で参加。好きなルールは「3rd Edition」。「D&D」らしい雰囲気を醸し出しつつ、メカニカルなところがステキだと思います。なお、英語は専門ではありません。むしろ「苦手」です。なのに、今ではふつうに英語サイトや洋書にも触れています。そのきっかけが「D&D」でした。

RPG開祖の魔術師■世界構造を形作る「抗争」を語る

偉大なる魔術師の名を冠した書物Mordenkainen's Tome of Foes。D&D「5th Edition=第5版」の最新サプリメントが着弾しましたので、軽く雑談など交えながらアレコレ見ていきましょう。

MToF_Cover

カバーに描かれているのが「スキンヘッドのおっさん」だったり、なおつかつ日本では馴染みの薄い人物の名前を冠していたりと、日本市場ではあんまり訴求力がなさそうなパッケージングではあります。



ですが、その内容は秀逸極まるものでして、本は見た目で判断してはいけないという好例。



まずはカバーに描かれている「スキンヘッドのおっさん」のエクスキューズから始めてまいりましょう。

D&Dに馴染みの薄い人だと、そもそもにして「Mordenkainen=モルデンカイネン」ってなに? と思うかもしれませんが「人名」であり、冒頭にも書いたように偉大な魔術師なのです。

彼の「スゴさ」を伝えるには、その活躍ぶりや数値を示すよりも、もっと「メタな」表現をした方が手っ取り早いでしょう。

彼は「RPGの生みの親」であるゲイリー・ガイギャックス氏の持ちキャラなのです。
GreyhawkGazetteer
ゲイリー・ガイギャックス氏によるキャンペーン世界「World Greyhawk=ワールド・グレイホーク」を代表するパーソナリティであり、日本語環境では『Living Greyhawk Gazetteer(邦題:グレイホーク・ワールドガイド)』の表紙を飾っていたことでもおなじみ。



現在の最新版「5th Edition=第5版」の『Player's Handbook=プレイヤーズ・ハンドブック』にも彼の名を冠した呪文が掲載されいてるように、彼自身、いくつもの呪文を生み出してきた実績を持ち、D&Dを語るうえで欠くことのできないパーソナリティとなっています。
LivingGreyhawkJournal0
モルデンカイネンが主宰するウィザードたちの一派「Circle of Eight=サークル・オヴ・エイト」。写真は全員が集合している模様を描いた「Living Greyhawk Journal」(Vol.1 #0/2000)。 D&Dには「術者の名を冠した呪文」が多数ありますが、「Bigby=ビグビー」「Otto=オットー」「Nystul=ニィストゥル」など、現在も呪文に名を残す魔法使いたちも「Circle of Eight」の一員。



さてさて、そのようなモルデンカイネンが著した本書ですが、書名には「Tome of Foes」とあります。Tome=トウム」は以前にも触れたとおり「書物」。そして「Foe=敵」ですので、「宿敵」「仇敵」「怨敵」などなど、「敵」を扱った内容であることは推測できるかと思うのですが、では「誰にとって敵なのか」というところが本書のコンセプトの特徴的なポイントとなっています。



本書で題材となっているのは「モルデンカイネンにとっての敵」ではありません。もちろん「冒険者たちにとっての敵」でもありません。本書で扱われているのはD&D世界全般にまたがる「敵と敵の関係」です。

Dungeon Master's Guide=ダンジョン・マスターズ・ガイド』の序盤には

Conflict Shapes the World's History=争いがその世界の歴史を形作る

と書かれていますが、まさしく抗争こそが世界を形成しているのです。



そのことは本書の冒頭の「ABOUT THIS BOOK」でも明記されています。
This book explores some of the greatest conflicts in the D&D multiverse and delves into the cultures of the peoples and monsters involved in those conflicts. 
この本では、D&Dの多元宇宙における最大の抗争をいくつか考察し、そうした争いに関わる人々やモンスターが持つ文化的土壌について掘り下げていく。

Why do dwarves and duergar hate each other? 
なぜドワーフとドゥエルガルは相互に憎しみ合うのか?
Why are there so many kinds of elves? 
なぜこんなにもたくさんの種類のエルフが存在するのか?
What lies at the heart of the Blood War, the great cosmic struggle between demons and devils that threatens to destroy everything if either side were ever to emerge victorious? 
Blood War=ブラッド・ウォー=流血戦争」の核心には何があるのか? デーモンとデヴィルとによる、この壮大な宇宙規模の闘争は、もしいずれかが勝利を収めることになれば万物を破滅させる危険を孕んでいる。
This book provides answers to those questions and many more.
本書はこうした疑問の数々に答えて余りある。

D&Dの世界にはさまざまな「敵対関係」がありまして、それは「個人対個人」のレベルにとどまらず、「派閥対派閥」「国家対国家」、そして「神々対神々」に至るまで、あらゆる段階に及びます

この新しいサプリメントでは、まず「敵対構造」というものを中心に据え、その周辺を描いているわけです。そして、そうした抗争に関連する情報として

 ・プレイヤーキャラクターとして使える新種族
 ・大量のクリーチャー
 ・カスタマイズ・オプション(おもにDM向け)

といったものが掲載されています。



また、テーマが宇宙規模に壮大なこともあって

 ・掲載クリーチャーの「CR」が高め

というのも特徴的なポイントかと思ます。
Orcus
掲載されているクリーチャーのCRは「10以上」が過半数を超え、20以上の最上級クラスもゴロゴロいるほど。実質的にはパラゴン・ティアーやエピック・ティアー向けのモンスター・マニュアルとして機能するのではないでしょうか。

Orcus=オルクス」をはじめとする「Demon Prince=デーモン・プリンス」やドラウの「Matron Mother=メイトロン・マザー(慈母)」など、文字通り「別次元」のクリーチャーが雁首揃えているのです。「敵対構造」を軸に、世界のあり方そのものを解説しようというのですから、その中核に位置する存在について触れられているのも当然なのかもしれません。



なお本書は、そのようにさまざまな「敵」を大魔術師モルデンカイネンが有する認識をもとに描くわけですが、実際には本書の大半を執筆したのはモルデンカイネンに使役された「Bigby=ビグビー」だそうです。
(なお、このことを明らかにしているのは序文で語る「Shemeshka=シェムシュカ」。彼女は次元界の結節点にある都市「Sigil=シギル」で商売を営む「Arcanoloth=アルカナロス」。いわゆる狐の頭部を持つ「Yugoloth=ユーゴロス」です)。
MiniatureArcanaloth
さらなる余談ですが、今年に入ってリリースされたミニチュアである『D&D Icons of the Realms: Monster Menagerie III』で、Arcanolothが入っていました。羊皮紙の巻物を抱えて尻尾をあげた姿がカワイイ(注:悪魔です)。




さてさて、本書の内容を見ていきましょう。


第1章は「悪魔対悪魔」で争われる「Blood War=ブラッド・ウォー=流血戦争」について。
The_Blood_War
冒頭から「敵 vs. 敵」を描いているように、本書は「プレイヤーにとっての敵」を集めた単純な内容ではないことがわかります。もちろん、「Demon=デーモン」も「Devil=デヴィル」もプレイヤーの敵として立ちはだかる存在ではあるのですが、彼らを「倒されるべき敵」として二元構造で描くのではなく、「プレイヤーはひとまず置いといて」、彼ら同士の戦いを通じて描写することで「世界」そのものに深みを与え、彼らの存在を立体的に描き出しています。




第2章は「Race Divided=分かたれた種族」たるエルフについて。
Elves_A_Race_Devided

エルフの種族分裂と聞くと、まっさきに「ダークエルフ(ドラウ)」を思い浮かべますが、本書ではエルフという種族全体の離散と分離について語られています。

このパートで描かれているのは「種族の抗争」などではなく、もっと高次の「神格の抗争」であり、複数の次元界にまたがって分岐していくことになるエルフの歴史を「種族の分断」というテーマで描きます。


そもそも、エルフは種族全体が血を分けた「一族」です。
The most ancient tales speak of elves as the children of the god Corellon. Unlike many similar myths involving other races, these tales are true.
もっとも古い伝承によると、エルフは神たるコアロンの子供たちであると言う。他種族にも見られる同種のよくある神話とは異なり、この言い伝えは事実である。
にもかかわらず、エルフたちは多元宇宙の各地に散らばっていってしまいます。そうした種族の悲劇が描かれています。


 
Shadar-kai
3rd Edition=第3版」から導入された「Shadar-kai=シャダーカイ」の背景も整理されて、その起源がエルフであるという来歴が明らかに。また、これに絡めて「4th Edition=第4版」のオリジナル神格だった「Raven Queen=レイヴン・クィーン」にも従来の世界観と馴染じむ新たな「居場所」が与えられました。


Eladrin
Shadowfell=シャドウフェル」のエルフが「Shadar-kai=シャダーカイ」であるのに対して、「Feywild=フェイワイルド」に定住したエルフが「Eladrin=エラドリン」。四季を表した姿をとり、それぞれに異なる特性を発揮します。




第3章は「ドワーフ」について。エルフの闇の鏡像である「ダークエルフ」については詳しく語られることが多いのですが、いわゆる「ダークドワーフ(←こういう呼称はしませんが)」に相当する「Duergar=ドゥエルガル」のことが詳しく語られる機会はあんまりありません。
Dwarves_and_Duergar

欲望のままに鉱山を掘り進めて行ったら、掘り当てた先に待っていたのは豊かな金脈ではなく、マインド・フレイヤーの中枢頭脳である「Elder Brain=エルダー・ブレイン」だったという笑えない展開。
Elder_Brain
かくして「Clan Duergar=ドゥエルガル氏族」はマインド・フレイヤーの奴隷とされてしまったのでした。





第4章はD&Dで対立と言ったら定番の「Gith=ギス」たちについて。
Gith_and_Endless_War

圧制者であるマインド・フレイヤーを倒したら、今度は内部分裂を起きた……という現実でもよく見かけるパターンの「Gith=ギス」。女王を戴きアストラル・プレーンを拠点とする「Githyanki=ギスヤンキ」と、王を戴き「Limbo=リンボ」を拠点とする「Githzerai=ギスゼライ」。

第4版で採用されていた独自のプレーン構造が見直され「Great Wheel=グレート・ホイール=大いなる転輪」が復活したことで、ギスゼライの棲み処も再びリンボに戻ることに。


Menyar-ag
初代AD&Dでは「an undying wizard-king=不死のウィザードキング」と書かれていたギスゼライの指導者Menyar-Ag=メンヤーアグ」。これまたギスヤンキの女王がアンデッドの「Lich=リッチ」であるのとは対照的で、彼は「barely able to move a finger or lift his own eyelids=かろうじて指を動かしたり、瞼を上げることができる程度」というほどに「corpse-like entity=死体同然の存在」ではあるものの、今もなお生命を維持し続けています。



第5章は少しヒネリが加えられていて、ハーフリングとノームについて。
Halflings_and_Gnomes

D&D世界の中でも、もっとも争いと縁がなさそうな2種族が「なぜ本書に?」と思うかもしれませんが、あえて「争わない」というニッチ戦略を取っている種族として紹介されています。

Gnome
もっとも、両種族とも「争わない」という緻密に計算され抜いた戦略などではなく、きわめて自然体で暮らしているだけなのですが。とりわけノームの場合は、周囲のことなど意に介さず完璧なマイペース路線を歩んでいるだけのような気がします。私はそんなノームのことが嫌いではありません。





最後に、スタッツ部分をいくつか抜粋してご紹介。

掲載されているクリーチャーは約150種類モンスター解説本の『Volo's Guide to Monsterに匹敵する充実度。いずれのクリーチャーも各章のテーマと何らかの関連があります。

Zariel
Nine Hells=ナイン・ヘルズ=九層地獄」の第一層「Avernus=アヴェルヌス」の統治者に返り咲いたZariel=ザリエル」。前任の「Bel=ベル」は、その慎重な性格が不適格とされ、現在はザリエルの参謀に。




Leviathan
Elder Elemental=エルダー・エレメンタル」の一角、水の上位精霊「Leviathan=リヴァイアサン」。なお、写真の右側に名前だけ見切れていますが、火のエルダー・エレメンタルは「Phoenix=フェニックス」です。

このリヴァイアサンはCR20と強力な存在で、世界に破滅をもたらすとされていますが、フォーゴトン・レルムには別のリヴァイアサンも存在しています。たとえば、1つは「ムーンシェイ・サーガ」に登場した地母神の使いである巨大なクジラ。もう1つはv3.5=第3.5版」のエピック・レベル向けサプリメント『Elder Evilsに掲載されていた巨大なサーペントであり、今もフォーゴトン・レルム世界の海洋の奥底で眠っているものと思われます。



Astral_Dreadnought
左側のアンデッド「Allip=アリップ」は、ギスにまつわる存在として本書では言及されています。右側の「Astral Dreadnought=アストラル・ドレッドノート」は、アストラル・プレーンを語るうえで欠かせない存在。初代と第4版の『Manual of Planes=マニュアル・オヴ・プレーンズ=次元界の書』で表紙を飾ってきました。



全体としてはUnearthed Arcanaや既存のアドベンチャーからの再録が多くを占めますが、「Foe=敵」というD&Dらしいコンセプトをもとに、明確なテーマで丁寧にまとめられています。

とくに、読み物の部分は、これまでのエディションの情報を網羅しつつ、「4th Edition=第4版」で無茶な改変が加えられた部分もフォローしてあり、D&Dの歴史をすべて受け止めながら前に向かって進化していくという「5th Edition=第5版」らしい仕上がりになっていると感じました。

収録されているクリーチャーもD&Dになくてはならない必須の常連ばかりですし、モンスター・マニュアルの拡張版としても必須といっていい内容なのではないでしょうか。






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マジック・アイテムの購入ルール
「第5版」初のサプリメントは必携の「万物ガイド」
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モンスター解説書&データブック
「巨人=ジャイアント」をテーマにした最新シナリオ
「5th Edition=第5版」初のソースブック■『SWORD COAST ADVENTURER’S GUIDE』
エレメントの侵蝕■『Princes of the Apocalypse』
デーモンの頂点に君臨する者■ORCUS(オルクス)
シナリオ『Lost Mine of Phandelver』【結末編】
ソード・コーストをより詳しく■「5th Edition=第5版」最初のソースブック
シナリオ『Lost Mine of Phandelver』
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■マジック・アイテム新ルールがもたらす「物語性」

ルール読解に関する記事
■年頭にあたって■「D&Dに出る英単語」より
■D&Dの最頻出単語■「D&Dに出る英単語」より
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■どう読む? 英語版『Basic Rules』ちょっとガイド
■どこから読む? 英語版『Basic Rules』ちょっとガイド

マジック・アイテムの購入ルール

RPGで最大の楽しみの1つは「キャラクターが強くなること」なわけですが、これに多大なる影響を与えるのが「レベルの上昇」と「マジック・アイテムの獲得」です。

これまでの「5th Edition=第5版」では、マジック・アイテムの購入が正式にルールに組み込まれておらず、旧版までのように「経験を積む」のと同じ感覚で「財貨を貯め」、一定目標に達したところでマジック・アイテムを購入しキャラクターを強化するというわけにはいきませんでした。

プレインググループによっては、独自に購入ルールを作成したり、世界観に合せてマジック・アイテムの市場を設定したりしていたかもしれませんが、標準的なマジック・アイテム購入ルールは示されていなかったわけです。

今回ようやく『Xanathar's Guide to Everything』で、マジック・アイテムの購入ルールが制式化されましたので、正月らしく景気よく「おたから」の取り扱い方法など見てまいりましょう(そういえば、2年前の正月も「おたから」の話でしたね。そのときはDMG記載の「売却方法」でした)。


なお、このマジック・アイテムの購入ルールは試作段階のルールを実験的に公開する「Unearthed Arcana」で示されていたものとほぼ同じになります。若干だけ調整が入っていまして、少し手が加えられたうえで制式化されました。

buyingmagisitems

Purchasing a magic item requires time and money
マジック・アイテムの購入には時間とカネが必要

to seek out and contact people willing to sell items. 
アイテムを売ってもいいと思ってる人を探し出して接触するのに
あらゆるマジック・アイテムを常時取り揃えた総合的な市場というものは想像しづらく、その時々で「売り手」を探さなくてはなりません。現在の感覚で言うと、ネット・オークションのようなものでしょうか。ネット・オークションならば売り手と買い手をつなげるシステムが整備されているわけですが、当然のことながらマジック・アイテムには、そんな便利な場は設けられていません。ですので、その都度、多大な労力が必要となるわけです。

しかも
Even then, there is no guarantee a seller will have the items a character desires.
それだけの時間とカネをかけたとしても、PCが求めているアイテムを売り手が所有しているという保証はどこにもない。
とあって、どんなアイテムが見つかるかはそのときの状況次第であり、思い通りにはなりません。

いきなり炎の剣「Flame Tongue=フレイム・タン」が欲しいと思い立ったからといって、都合よくフレイム・タンの売り手がいるとは限らないわけです。

どんなアイテムを売却したいと思っているか」「意図している取引価格はどんなものか」「そもそも自分が欲しいアイテムを手放したいと思っている相手が存在しているのか」「その人物と接触できるのか」などなど。さまざまな要因が絡んできます。



では、どのぐらいの時間と費用が必要なのでしょうか。ルールを読んでいってみましょう。



■Resources
資源(元手となる時間的・経済的なリソースのこと)

Finding magic items to purchase requires at least one workweek of effort and 100 gp in expenses.
購入可能なマジック・アイテムを探し出すには、最低でも1ワークウィークと100gpの支出が必要とされる。
Spending more time and money increases your chance of finding a high-quality item.
より多くの時間と財貨を投じることで、高品質なアイテムを見つけるチャンスを増やすことができる。
なお、わざわざカタカナで書いてある「Workweek=ワークウィーク」ですが、『Xanathar's Guide to Everything』では、活動期間が次のように定義されています。
1 workweek=1ワークウィーク=5日
1 week=1週間=7日
1 month=1ヵ月=30日
ワークウィークをあえて日本語にするなら「活動週」「労働週」などといった感じではありますが、本エントリではあえてカタカナで表記することにします。馴染みのないゲーム用語を安易に漢字にしてしまうと、文章の中に埋没してしまいがちですので。


なお「Forgotten Realms=フォーゴトン・レルム」だと、暦は「週」ではなく「tenday=10日」単位で進んでいきますし、毎月の日数は「きっかり30」となっていて、現在我々が用いている暦のように「28」や「31」といった月ごとのブレはありませんので「5日単位」というのは計算が簡単です。

とはいえ、FRのカレンダーは「30日×12ヵ月=360日」「季節ごとに5日の祝祭日」で、合計「365日」となっていますので、月をまたぐ場合には、間に祝祭日が入って計算がズレてしまうこともありますが。



■Resolution
解決(ルール的にどう処理していくのかの解決法のこと)
A character seeking to buy a magic item makes a Charisma (Persuasion) check to determine the quality of the seller found.
マジック・アイテムを探しているキャラクターは「CharismaPersuasion)=魅力(説得)」の判定を行い、見つかった売り手の質を決定する。

この判定の際にボーナスを得ることもできます。

a +1 bonus on the check for every workweek beyond the first that is spent seeking a seller
売り手を探すのに費やす最初のワークウィークを超過する各ワークウィークごとに判定に+1

ややこしい表現ですが、つまるところ2つめのワークウィークから+1が上乗せされます。

a +1 bonus for every additional 100 gp spent on the search, 
捜索費用として追加で100gp支払うごとに+1

つまるところ「時間」か「費用」のどちらかのリソースを追加投入することでボーナスを累積させていくことができるわけです。
ですが、上限なくいくらでも上乗せできるというものでもなく

up to a maximum bonus of +10.
最大で+10までのボーナス

と、合計で「+10」までのボーナスにとどまると上限が設定されているのでした。
なお、英語で「up to」は「~まで」という上限を示す表現で、ルールブックでは多用されます。
up」と「to」という単語の組み合わせで覚えずに「up to」という1つの単語だと思ってThank you」のように覚えてしまいましょう。
Thank you」も「Thank」と「you」でバラバラに覚えたりはしませんよね?


なお、この判定に要する「費用」ですが、100gp単位となると、ゲーム内の経済感覚としては結構な額になります。
これについては、以下のように説明されています。
The monetary cost includes a wealthy lifestyle, for a buyer must impress potential business partners.
この金銭的な費用には、売り手に商売相手たり得ると印象づけるための優雅な暮らしぶりが含まれる。

マジック・アイテムの取り引きは非常に高額なカネが動きますので、それだけの財貨を支払えるほどの人間であることを相手に印象づける必要があるということのようです。



さて、そのように十分な調査期間をかけ、費用も投じて売り手を探すように努めたとします。得られた結果は下記の表と参照されます。
1-5    Roll 1d6 times on Magic Item Table A.
6-10  Roll 1d4 times on Magic Item Table B.
11-15 Roll 1d4 times on Magic Item Table C.
16-20 Roll 1d4 times on Magic Item Table D.
21-25 Roll 1d4 times on Magic Item Table E.
26-30 Roll 1d4 times on Magic Item Table F.
31-35 Roll 1d4 times on Magic Item Table G.
36-40 Roll 1d4 times on Magic Item Table H.
41+    Roll 1d4 times on Magic Item Table I.
上記の表で示されている「A」から「I」までのテーブルとは、『Dungeon Master's Guide』の144ページから始まる「RANDOM MAGIC ITEMS」テーブルのこと。

たとえば「CharismaPersuasion)=魅力(説得)」の判定結果が「17」だったとしたら、「D」のテーブルで「d100」を「1d4」回ロールすることになります。あるいは「D」のテーブルにリストアップされているアイテムの中からDMが任意で決定します。

こちらのテーブルを実際に見てもらえると、どんなアイテムが手に入るのかがイメージできるんじゃないかと思います。
DMG145
序盤のテーブルにはポーション類などが多く、本格的なマジック・アイテムは「F」以降のテーブルからかなと思いまして、そうなると「26以上」の達成値からワクワク度が増していく感じです。

なお、キャンペーンの性質に合わせて「you can apply a -10 penalty for low magic campaigns or a +10 bonus for high magic campaigns=魔法が少ないキャンペーンには-10のペナルティを、魔法が豊富なキャンペーンには+10のボーナスを適用できる」とあり、「you can double magic item costs in low magic campaigns=魔法が少ないキャンペーンでは、マジック・アイテムの価格を倍にすることもできる」といった具合に、世界観により適合するようDMが調整を図る余地があるとフォローされてもいます。


次にアイテムの価格を決定します。価格はアイテムごとの「レアリティ」によって決定されます。
Common    (1d6 + 1) × 10 gp
Uncommon 1d6 × 100 gp
Rare          2d10 × 1,000 gp
Very rare    (1d4 + 1) × 10,000 gp
Legendary 2d6 × 25,000 gp
先ほどの「D」のテーブルにあったアイテムを例に挙げるなら、「Portable Hole=ポータブル・ホール」はレアリティが「Rare=レア」ですので、「2d10×1,000 gp」で「2,000~20,000 gp」の取引価格となるわけです。幸運にして欲しいアイテムの売り手が見つかったものの、提示価格があまりに高額すぎて手が出せない……といった不幸な展開もありそうです。

なお、「Halve the price of any consumable item, such as a potion or a scroll=ポーションやスクロールといった消費型アイテムの価格は半分にせよ」ということで、上記の表で決定された価格の「半額」がポーションなどの消費型アイテムの最終提示価格となります。



そして、ここがもっとも大事なポイントなのですが、
You have final say in determining which items are for sale and their final price, no matter what the tables say.
どのアイテムが販売されているのかということと、その最終的な価格について、テーブルによる結果にかかわらず、あなた(DM)が最終的な決定権を持つ。
ということで、すべては「DMの裁量」であることが明記されています。

たとえばですが、ランダムなロールの結果、「Sphere of annihilation=スフィア・オヴ・アニヒレイション」が出てきて「ちょっと待った」となるDMもいるかもしれません。そもそも世界観にそぐわないアイテムもあるかもしれませんし



さて、ここまでは「Unearthed Arcana」で公開されていた試作段階のルールとまったく同一なのですが、以下の点について制式化されたバージョンで手が加えられました

the characters seek a specific magic item=キャラクターたちが特定のマジック・アイテムを探している場合」についてです。

まず「first decide if it's an item you want to allow in your game=あなたのゲームで使ってよいアイテムなのかどうか最初に決定する」ということで、そもそもNGなものでないかを判断します。

そのうえでOKであれば、以下の達成値でそれぞれのアイテムの売り手を発見できたことになります。
10 or higher Common
15 or higher Uncommon
20 or higher Rare
25 or higher Very rare
30 or higher Legendary
先ほど例に挙げた「D」のテーブルのアイテムは、その多くが「Very rare=ヴェリー・レア」となっています。「D」のテーブルは達成値「16」で届きますが、「Very rare=ヴェリー・レア」のアイテムを名指しで探すとなると「25」以上の達成値が必要になるわけです。

その一方で、最上位の「I」のテーブルでないとお目にかかれないような「Legendary=レジェンダリー」のアイテムの場合、あてもなくマジック・アイテムの売り手を探すよりは、特定のアイテムを名指しで探すほうが簡単な場合もあるでしょう。そもそも「Legandary=レジェンダリー」なアイテムの場合、以下で言及しているような「面倒事」が付随してきそうですが。



■Complications
複雑化(事態がより複雑な様相を帯びて厄介な問題に発展すること)

Xanathar's Guide to Everything』に掲載されている「Downtime Activitiy=冒険をしていないときの活動」には、すべて「Complication」のテーブルが添えられていて、事態をより複雑でメンドー、かつ面白くしてくれます。

この「マジック・アイテムの購入」についても例外ではなく、アイテムを購入したことで起こりうる派生展開の可能性が示されており、「ちょっと刺激を加えるため」「背景に深みが出るから」「これをきっかけに冒険にまで発展させてしまおう」などなど、さまざまな目的で活用することができそうです。

もちろん、いちいちアイテム1つずつに「面倒事」が起きるのも面倒ですしゲームが滞ってしまいますから、キーになりそうなアイテムのときにでも有効活用するといいんじゃないでしょうか。

d12をロールして、以下のリストからランダムに決定することもできます(もちろん、任意で選ぶこともできますし、DMが他の事態を自作することもできます)。
1(d12)
The item is a fake, planted by an enemy
アイテムは偽物で、それは敵によって仕組まれたものだった
2(d12)
The item is stolen by the party's enemies
アイテムがパーティの敵に盗まれてしまう
3(d12)
The item is cursed by a god
そのアイテムは神によって呪われている
4(d12)
The item 's original owner will kill to reclaim it; the party's enemies spread news of its sale
アイテムのかつての所有者は、それを取り戻すためなら殺しさえも辞さない構えだ。そしてパーティの敵がアイテムが売りに出たという情報を広めている
5(d12)
The item is at the center of a dark prophecy
そのアイテムは暗き予言の中心となるものだ
6(d12)
The seller is murdered before the sale
売り手が取引の前に殺されてしまう
7(d12)
The seller is a devil looking to make a bargain
売り手は契約を探しているデヴィルだ
8(d12)
The item is the key to freeing an evil entity
そのアイテムは邪悪な存在を解き放つための鍵である
9(d12)
A third party bids on the item, doubling its price
第三者が値付けに参戦してきて価格を二倍に跳ね上げる
10(d12)
The item is an enslaved, intelligent entity
そのアイテムは隷属させられた知的存在である
11(d12)
The item is tied to a cult
そのアイテムは、とあるカルト教団と関わりがある
12(d12)
The party's enemies spread rumors that the item is an artifact of evil
パーティの敵が、そのアイテムは邪悪なアーティファクトであるという噂を振り撒いている

5th Edition=第5版」のルールは「物語を転がしていく」ことに重点が置かれていると感じていまして、このマジック・アイテム購入ルールも例外ではないように思います。

最後に提示されている「Complication=事態の複雑化」などはその典型で、アイテムを巡ってさまざまな派生展開が生じるようになっています。仮にそうしたルールを採用しなかったとしても、いきなり「Holy Avenger=ホーリー・アヴェンジャー」が売りに出てきたりなんかしたら世界観描写としては不自然なんじゃないかと思いまして、きっとその裏には何らかの「事情」が隠されているはずであり、アイテムを探し求めてしまったパーティは、その「事情」とは無縁ではいられない……。そんな展開になるように導いてくれるシステムであると感じました。



最後に、完全な余談ですが、「5th Edition=第5版」の公式シナリオでもマジック・アイテムが市場で安定供給されている例はあります

こちらは『Tomb of Annihilation=魂を喰らう墓』から。
Tombofannihilation_MagicItemsalelist

yklwa=イクルワ」は南方のチュルト地方で使われている短い槍のことで、射程距離は短いものの投擲することも可能。




つまるところ、マジック・アイテムの取り扱いは「世界の描き方次第」であり、そこに各キャンペーンの個性が表れるのではないでしょうか。そして、あまりにも強力すぎるアイテムは、アーティファクト的に「それ自体が物語を生み出す力を持つ」と。そういうことなのではと思います。





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シナリオ『Lost Mine of Phandelver』【結末編】
ソード・コーストをより詳しく■「5th Edition=第5版」最初のソースブック
シナリオ『Lost Mine of Phandelver』
ダンジョンの生息環境■DMGちょっと読み
ダンジョンは最初からダンジョンなのではない■DMGちょっと読み
さりげなくDMをサポート■マスタースクリーン
マジック・アイテムの稀少度と売却ルート■DMGつまみ読み
疫病とRPG■ダンジョン・マスターズ・ガイド
DMGいよいよ発売■最後のコア・ルールブック
冒険していないときの冒険者■DMG「Downtime Activities」
ダンジョンを作る楽しみ■DMG「APPENDIX A」
ブラック・ドラゴン■最新版『Monster Manual』から
『Monster Manual』を手に取ってみた■コア・ルール第2弾
ラスボスじゃないけど「ラスト・モンスター」
発売延期『Dungeon Master's Guide』■品質重視でいいと思います
灼熱の大地より、またもやサイオニクス・クリーチャー
『モンスター・マニュアル』からサイオニック・クリーチャー
伝統の「混乱系クリーチャー」を先行公開
『Monster Manual』から悪魔が本格参戦■ボーン・デヴィルことオシュルス
ルール更新■待望の「火竜」レッド・ドラゴン
最上位クリーチャーで「Kaiju」な例のアレ
■マジック・アイテムやモンスターが追加■ティアマットのストーリーライン
■マジック・アイテム新ルールがもたらす「物語性」

ルール読解に関する記事
■年頭にあたって■「D&Dに出る英単語」より
■D&Dの最頻出単語■「D&Dに出る英単語」より
■基礎的だけど難単語「make」つづき■「D&Dに出る英単語」より
■どう読む? 英語版『Basic Rules』ちょっとガイド
■どこから読む? 英語版『Basic Rules』ちょっとガイド

「第5版」初のサプリメントは必携の「万物ガイド」

「なんでもガイド=Guide to Everything」というだけあって、本当になんでも載っています。

XGtE_Cover


カバーに描かれているのはD&Dでも有名なビホルダー「Xanathar=ザナサー」で、第5版の『モンスター・マニュアル=Monster Manualに描かれているのと同一人物(ならぬ同一球体)だったりします。

日本でビホルダーというと、その「奇抜な外見」と「版権的なエピソード」から、ややイロモノ的な扱いをされてしまいがちです。本来は高い知性を有していて、人間などのヒューマノイドを使役するような高度なクリーチャーなのですが、どうにも前述の「版権問題」ばかりがネタにされてしまい、安易で表層的な扱い方しかされない悲劇の存在ではあります。

狡猾で知性的ということでは、このザナサーはそうしたビホルダーの代表格であり、フェイルーンの最大都市「ウォーターディープ=Waterdeep」の地下世界に君臨し、盗賊ギルドや奴隷貿易などを総べる闇の支配者となっています。それでいて、その存在は巧妙に隠されており、組織の背後にビホルダーが存在すること、その所在を突き止めること自体が、1つのクエストとして成立してしまうような、そんな秘匿された陰の存在ではあるわけです。そもそも「ザナサー」という名称自体がすでに別の存在にすり替わっていて、先代は闇から闇へ葬られ、じつは中身が別のビホルダーであるという、そうしたマジでヤバい権力闘争が繰り広げられていたりするわけですが。


さてさて、そのようなビホルダーが紐解く本書ですが、「あらゆる情報」「あらゆる知識」を収集しようと日々暗躍しているザナサーの名を冠するだけあって、多岐にわたる項目が網羅されています。

その傾向は、大きく3つに分けられます。

■まったく新規の追加データ
 新規「サブクラス」31種類
 新規「呪文」94種類
 新規「コモン」マジック・アイテム 48種類
■既存の要素をさらに充実させるためのもの
 各クラスに応じたパーソナリティ掘り下げ
 「Tool=ツール」の詳細な解説
 地形ごとのランダム・エンカウンター表
 新しいトラップ・デザインの方式
 ダウンタイムの新提案
■コア・ルールに掲載されていなかったルール補完
 何日も「Long Rest」を取らず、寝ないままでいるとどうなる?
 アーマーを着たまま休息したときのペナルティは?
 寝ているときに、どの程度の騒音で目を醒ます?
 呪文の識別は可能?
 ……などなど

といったもの。上記はあくまで「一例」で、内容を網羅したものではありません。
XGtE_ContentsPDF



本書の冒頭から、この本について前置きしている箇所を引用してみましょう。
this book offers options to enhance campaigns in any world,
この本は、いろんなオプションを提示していて、どんなワールドのキャンペーンでも充実させますよ

whether you're adventuring in the Forgotten Realms, another official D&D setting, or a world of your own creation.
あなたがたが冒険しているのがフォーゴトン・レルムだろうと、その他のD&D公式セッティングだろうと、あるいは自身で作り上げた世界だろうと。

1つ前のサプリメントである『Sword Coast Adventurer's Guide「世界設定」兼「クラスや背景の掘り下げ」という内容だったのに対して、本書は「ワールドに縛られず」「ルールそのものの提示も含む」ということで、堂々と「The first major rules expansion to the fifth edition of D&D=D&D第5版としては初の大規模ルール拡張」と謳われているわけです。




おもだったところをざざっと流しながら見ていきましょう。



【新規サブクラス】

まず、誰にでも「刺さる」のが、新規のサブクラス呪文アイテムではないでしょうか。


サブクラスは一気に増えた感がありますが、クラスによって「2~4」と補強された数にバラつきがあります。

Barbarian =バーバリアン
  Path of the Ancestral Guardian
  Path of the Storm Herald
  Path of the Zealot

Bard =バード
  College of Glamour
  College of Swords
  College of Whispers

Cleric=クレリック
  Forge Domain
  Grave Domain

Druid=ドルイド
  Circle of Dreams
  Circle of the Shepherd

Fighter=ファイター
  Arcane Archer
  Cavalier
  Samurai

Monk=モンク
  Way of the Drunken Master
  Way of the Kensei
  Way of the Sun Soul

Paladin=パラディン
  Oath of Conquest
  Oath of Redemption

Ranger=レンジャー
  Gloom Stalker
  Horizon Walker
  Monster Slayer

Rogue=ローグ
  Inquisitive
  Mastermind
  Scout
  Swashbuckler

Sorcerer=ソーサラー
  Divine Soul
  Shadow Magic
  Storm Sorcery

Warlock=ウォーロック
  The Celestial
  The Hexblade
  ☆新規「Arcane Invocation」14種類も追加

Wizard=ウィザード
  War Magic

fightersubclasses
ファイターでは懐かしの「Cavalier=キャヴァリアー」や「Arcane Archer=アーケイン・アーチャー」なども。「Samurai=サムライ」も追加されていますが、べつに「和風文化の土壌」や「東洋の異文化の存在」などを無理やりゲーム中に埋め込む必要はないようです。

While both cavaliers and samurai existed in the real world, our inspirations for both fighter archetypes are taken from popular culture (folk tales, movies, and comic books), not from history.
キャヴァリアーとサムライは現実世界に存在していたものだけれど、いずれのファイター・アーキタイプもポップカルチャー(民話や映画、コミックなど)から着想を得たものであって、歴史からではない。

Our intent is to capture the cinematic, heroic element of both archetypes in the game, rather than create an accurate historical representation of either one.
我々の意図としては、これらのアーキタイプの歴史的側面を忠実に再現したいというよりは、映画的でヒロイックな要素をゲームに取り入れたいと思っている。
つまるところ、映画やアニメなどで目にするような「日本刀使い」なんかをイメージして、そのアクションや立ち居振る舞いをゲームに取り込むといいよ、という提案なのでしょう。もちろん、世界観によっては「遥か東方の国」というものが存在しますから、「Kara-turから来たサムライ」という遊び方もできるかとは思います。


rangerレンジャーでは3種類のサブクラスが追加。左から順に「Horison Walker=ホライゾン・ウォーカー」「Monster Slayer=モンスター・スレイヤー」「Gloom Stalker=グルームストーカー」。「Gloom=暗闇」に溶け込む「Gloom Stalker=グルームストーカー」は早々にダークヴィジョンがもらえて、種族との組み合わせ次第では便利そう。ダメージを伸ばすというよりは、「外れたらやりなおし」「ダメージを回避できるかも」といった保険的な能力が多い保守派。

The_Celestialウォーロックの新たなパトロン「The Celestial=ザ・セレスチャル」。個人的には「極端な善」に傾いたセレスチャルをイメージしてしまいます。ウォーロックのパトロンには、どこか一筋縄ではいかない「底の知れなさ」があると面白く、そうしたツイストが表現できるんじゃないかと思っています。




【新規マジック・アイテム】

本書ではレアリティが「Common=コモン」のマジック・アイテムが大量に追加されています。いずれも劇的な効力を発揮するようなものではなく、「日常的にちょっと便利」という程度のもの。この「ちょっと便利感」がファンタジックな雰囲気を醸し出していて、いい感じ。
●Pipe of smoke monsters
煙草を吸うためのパイプ。吐き出した煙が「モンスター」の形状を取るというユーモラスなマジック・アイテムで、わざわざ1アクションが必要。モンスターの一例として挙げられているのは「Dragon=ドラゴン」「Flumph=フランフ」「Froghemoth=フロゲモス」など、いずれも煙で表現するとコミカルな感じのものばかり。
●Candle of the deep
水に浸しても消えない蝋燭。だけど、通常のキャンドルと同様に熱と光を発します
●Shield of expression
でっかい顔が描かれた盾。ボーナス・アクションを使うと表情を変えることができます。煽りアイテムに見えますが、DMがうまく拾ってくれると意外な展開を引き起こすことができそうです。





というわけで、ここまでが「新規追加」の要素。

だいぶ長いエントリになってしまっていますので、ここから先は時間があるときに、またゆっくりご覧いただいてもよいかなと思います。まだまだ興味があるぞという方は、このままお付き合いください。



さてさて、本書の構成要素で「5th Edition=第5版」らしいと感じるのは、ここから先の既存の要素の掘り下げのほうです。

キャンペーンで扱えるキャラクターは「1人」であり、次から次へと「乗り換え」「使い捨て」というわけにはいきません。中には短いエピソードでセッションを楽しみ、都度キャラクターを入れ替えるというプレイスタイルもあるかもしれませんが、まだまだ「1周目」「2周目」のキャラクターを絶賛プレイ中という人も多いはず。そうした観点から見てみると「既存の要素を掘り下げる」ことも重要なサポートではあります。



【Personality=パーソナリティ】

Player's Handbook=プレイヤーズ・ハンドブック』では、おもに来歴である「Background=バックグラウンド」に基づくパーソナリティが提示されていましたが、本書で掘り下げられているのは、各「クラス」に応じた個性であり、これらを使って現在進行中のキャンペーンに新たな冒険のシードを埋め込むこともできそうです。

本書ではクラスごとに「3つ」ずつ、パーソナリティに関する項目が追加されていて、それぞれに「1d6」でランダム決定できるチャートも添えられています。その中から、いくつかピックアップして見てみましょう。



■ファイターの「Heraldic sign=紋章」から

自らが掲げる理念や信念などを「紋章」の形として示し、盾や上衣、バナーといったものに描きます。例として挙げられているものから、いくつかピックアップ。
A rampant golden dragon on a green field , representing valor and a quest for wealth.
緑野で猛る金色のドラゴン。勇猛さと富を求める探索を表す。
A skull with a dagger through it, representing the doom you bring to your enemies.
頭蓋骨とそれを貫くダガー。自らに仇なす者に下す審判を表す。
A phoenix in a ring of fire, an expression of an indomitable spirit.
火輪の中に描かれた不死鳥。不屈の精神を表す。
Three drops of blood beneath a horizontal sword blade on a black background, symbolizing three foes you have sworn to kill.
黒地に描かれた、水平な刀身からしたたる三滴の血。殺すと誓った3体の敵を象徴する。

もし、今プレイしているファイターにこういった紋章がないのであれば、これらの中から選ぶ、あるいはこの項目を参考にして作るのもいいんじゃないでしょうか。わざわざ自分の信念を掲げて示しているわけで、これを見た人々からのリアクションが期待でき、好意的なものも敵対的なものも、いずれもドラマや冒険を生み出すきっかけになるものと思います。


なおRampant」は紋章で使われる用語で、前足を上げた特定のポーズを示します。ためしにGoogleで「rampant dragon」などと検索してみると、「ああ、あれか」と思う画像がいっぱい出てくるはず。日本語には存在しない語彙なので「1対1」の翻訳が難しい単語ではあります。



■バーバリアンの「Superstitions=迷信」から

未開人は迷信深く、自分の故郷では見慣れなかったものに対して「事実とは異なる思い込み」を持っていたりするものです。

Dwarves have lost their spirits, and are almost like the undead. That's why they live underground.
ドワーフとは魂を失った者たちであり、ほとんどアンデッドと言っていい。その証拠に彼らは地下に棲んでいる。
If an elf looks you in the eyes, she's trying to read your thoughts.
エルフが目を見ているとき、そのエルフはこちらの考えを読もうとしている。
迷信とは厄介なものですが、こういうちょっとした「厄介さ」が意外な掛け合いや展開を生むこともあるものです。



■ドルイドの「Mentor=師匠・庇護者」から

まだ力が開花しきっていないドルイドを導いてくれた存在が、どのようなものであったか。それは知識や技術を丁寧に手ほどきしてくれる人物であったかもしれませんし、自然と力を身に着けていく未熟なドルイドに「さりげなくヒントを与える」「密かに重大な危機から守る」といった非密着型の存在だったかもしれません。そうした「Mentor=メンター」について掘り下げた項目です。

You were tutored by a dryad who watched over a slumbering portal to the Abyss. During your training, you were tasked with watching for hidden threats to the world.
あなたはドライアドから教えを受けた。そのドライアドはアビスにつながる休眠中の門を監視しており、修業の期間中、あなたは隠された世界的脅威を見張るよう課せられていた。
あとあと、この「Portal=門」をキャンペーンで回収して、物語全体を盛り上げつつキャラクターを掘り下げていくこともできそうです。

Your tutor always interacted with you in the form of a falcon. You never saw the tutor's humanoid form.
あなたに教えを授けた存在は、つねにファルコン(隼)の姿をしていた。あなたを導いた存在がヒューマノイドの姿をしているのを一度も見たことがない。
You were one of several youngsters who were mentored by an old druid, until one of your fellow pupils betrayed your group and killed your master.
あなたは老いたドルイドから、数人の若者たちと一緒に教えを受けていたが、のちにその仲間の1人が裏切り、師匠を殺害してしまった。
これもキャンペーンに広げていくのが容易な背景で、いずれはこの「事件」の真相を明らかにすることも可能でしょう。はたして「裏切り者」とされた彼は、本当に仲間を裏切ったのか。そもそも、本当に彼が師匠を殺めたのか。その背後に「真の敵」がいるのかどうか。いくらでもストーリーが作れそうです。




【Tool=ツール】

さて、次は「Tool=ツール」について。『Player's Handbook=プレイヤーズ・ハンドブック』では、簡単に触れられるにとどまっている「Tool=ツール」ですが、本書ではより詳細な用途や判定基準が示されています。

そもそも「Tool=ツール」に分類されている役割は、もともと旧版では「Skill=スキル」に分類されていたもの。その多くは「Profession=職能」に該当しますし、「Disguise=変装」や「Forgery=偽造」は単独のスキルでした。システム上の立ち位置こそ変わったものの、ロールプレイングにおけるこれらの技の重要性は少しも変わりません

本書では、この「Tool=ツール」をより詳細に解説することで、よりツールを活用しやすくし、なおかつ描写によりリアルな雰囲気を添えられるような掘り下げがなされているのです。

まずは「Tool=ツール」の大基本をおさらいしておきましょう。
Tool=ツール」に習熟していると、これらの器具を使用する判定に「Proficiency Bonus=プロフィシエンシィ・ボーナス」を加算できる
(PHB/P.154)
Tool=ツール」は、キャラクターの背景を表す「Background=バックグラウンド」に応じて取得できる
(PHB/P.125)
Tool=ツール」を新たに習得するには「250日」と「1日あたり1gp」を要する
(PHB/P.187)

これを踏まえた上で、本書『Xanathar's Guide to Everything』で明記された処理は以下の2つ。

Advantage=アドバンテージ

Skill=スキル」と「Tool=ツール」、両方ともが判定に適用される場合、プロフィシエンシィのボーナスを二重に適用するのではなくて、ロールにアドバンテージを得ます。

たとえばですが、冒険の途中で手に入れた「古地図」から、なんらかの情報を読み取るとしましょう。この際に、「History=歴史」のスキルと、「Cartographer's Tools=地図の製図用具」の両方を持っているキャラクターは、スキルからボーナスを得て、アドバンテージ状態でダイスをロールできるわけです。


そして「Tool=ツール」に関するもう1つの処理。
Added Benefit=追加でいいこと

複数のスキルやツールに精通して、それらの知識や技術が同時に発揮できる状況だと、判定成功時に追加でメリットが得られます。これはさらなる情報であったり、副次効果であったり、さまざまな形で作用します。
例として挙げられているのは「Mason's tools=石工のツール」を持ったキャラクターが石壁の隠し扉を捜索した場合、たんに隠し扉の存在を発見するのみならず、その「開け方」まで見抜くことができる、といったケースが紹介されています。


いくつか「Tool=ツール」の例にも触れておきましょう。

Forgery Kit=偽造用具一式

文字が存在する世界においては「文書」の効力は絶大です。そして、その文書の力を最大限操るのが「Forgery=偽造」と言えます。

そもそも「Forgery」は第3版では正式に「Skill=スキル」だったほどに重要な技術で、対人関係の場においては会話によるコミュニケーションと並んで劇的な力を発揮します。

通行証を偽造して城門や関所を無事に通過したり、敵の幹部が内通していると見せかけるための密書を用意して内部から揺さぶりをかけたり。鑑定書や手形を偽造すれば巨額の財貨を必要とするような事案を乗り切ることさえできてしまいます。

スキルなどとの相乗効果としては「Arcana=アルカナ」でマジック・アイテムが本物であるかの真贋を見極めたり、地図作成のツールである「Cartgrapher's Tools」と組み合わせて「ニセの地図」を作り出したりといったシナジーが紹介されています。

なお、判定の「DC=難易度」の基準も示されていて、「Mimic Handwrighting=筆跡をまねる」場合は「DC 15」で、「Duplicate a wax seal=封蝋を複製する」は「DC 20」とのこと。


Brewer's Supplies=醸造用品

ビールやエールといった「お酒」を醸造する知識と用具です。アルコールと飲料に関する知識で、地味に冒険にも応用が利きます

医薬を取り扱う「Medicine=メディスン」のスキルと組み合わせると、「use alcohol to dull pain=アルコールを用いて痛みを和らげる」といった鎮痛&麻酔的な使い方ができます。

また、「purify water that would otherwise be undrinkable=本来なら飲料に適さないような水を浄化する」といったことも可能。8時間に及ぶ長い休息である「Long Rest」だと6ガロン(6人分の1日の必須摂取量)を確保することができ、短い休息である「Short Rest」だと1ガロンの水を確保することができます。睡眠のために必要な休息で6ガロンが賄えるのであれば、かさむ飲料水を持ち運ばなくても済むので序盤から重宝しそうです。



最後に、コア・ルールの補完となるルールをいくつか紹介しておきましょう。


■アーマーを着たまま休息したときのペナルティは?

従来の版では鎧を装着したまま睡眠をとっても、十分な休養効果は得られず、なんらかペナルティを課せられる仕様になっていました。

5th Edition=第5版」の『Player's Handbook=プレイヤーズ・ハンドブック』には、そうした鎧を装着して休養を取った場合の処理について明記されておらず、プレイング・グループによって判定は異なっていたのではないかと思います。

「ルールに明記されていないならペナルティなし」「DMの判断で独自処理」と、対応はさまざまだったのではと思います。今回ようやくガイドラインが示されたわけで、具体的には以下のようになります。

 ●「Light Armor=ライト・アーマー」は装着して寝てもペナルティなし
 ●使用した「Hit Dice=ヒットダイス」の1/4しか回復しない(最低で1HD)
 ●「Exhaustion=消耗」は1段階も回復しない
なお、「HDの1/4」というところに注意。あえて「minimum of one die=最低でダイス1つ」と書かれているところを見ますに、あくまでロールできるダイスの「個数」が1/4になるということかと思います。



■呪文の効果範囲

グリッドを使った場合の呪文の効果範囲が一例として示されています。今回の「5th Edition=第5版」では、とりわけ円錐形の「Cone=コーン」がもっとも扱いづらいと感じていまして、「距離=幅」という二等辺三角形を構成するため、四角いグリッドとの相性がよいとは言えず、厳密に処理しようとすると「時間がかかる」「意外と有効範囲が狭い」ということで、労多くしてプレイヤーの不満も募るという、たいへん面倒な仕様になっていたのでした。


こちらが本来の「Cone=コーン」のテンプレート。
Cone_Template



こちらが、もっとグリッド方式に適合するようにした「Token Method=トークン方式」の「Cone=コーン」。
Cone_TokenMethod

1マス進むごとに効果範囲が「横に1マス」広がる方式。その際に奇数マスと偶数マスとで交互に範囲が広がっていくのが特徴。

なお、グリッドを使わない場合の「Burning Hands=バーニング・ハンズ」の期待標的数は「2体」ですので、まぁこんなものかなとは思います。『Dungeon Master's Guide=ダンジョン・マスターズ・ガイド』の249ページに、呪文の効果範囲別のターゲット数が一覧で示されていますが、「Cone=コーン」の場合は「Size ÷ 10 (round up)=サイズ÷10(切り上げ)」となっていますので、「15÷10=1.5」。端数を切り上げて「2体」ということになるわけです。



またぞろ長いエントリとなってしまいましたが、この『Xanathar's Guide to Everything』は内容が盛りだくさんすぎて、とてもその全容を伝えきることはできません。つまるところ「全ページが見どころ」と言っても過言ではない充実度ですので、「コア・ルールを補完・拡張したい」と思っている人にとっては必携の一冊と言えるんじゃないでしょうか。





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