前回のエントリ「make」は、例文解説が途中でしたので、その続きを。

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冬コミ新刊「D&Dに出る英単語」からの引用となります。唐突に例文から始まりますが、前回のエントリの続きとしてご覧ください。


 次いで「ability check」に絡んだ一文を。ウォーロックは特定の「Patron =パトロン」と契約を結ぶことで力を得ます。カタカナで「パトロン」というとあんまり迫力がありませんが、強大な力を持っています。ここで採り上げた「Dark One's Own Luck=ダーク・ワンズ・オウン・ラック」は、アスモデウスやメフィストフェレスといった「アークデビル」や、デモゴルゴンやオルクスといった「デーモン・プリンス」の助けを借りて運命を捻じ曲げる力です。

When you make an ability check or a saving throw, you can use this feature to add a d10 to your roll.
(『Player's Handbook』P.109 / Warlockの「DARK ONE'S OWN LUCK」より)

能力判定かセーヴィング・スローを行う際に、あなたはこのフィーチャーを使ってロールに10 面体ダイスを1 つ追加することができる。



when
 ~するとき
 
feature
 フィーチャー(各クラスが持っている特殊な技全般)
 
add A to B
 A をB に加える
 
d10
 10 面体ダイス
 
roll
 ダイスを振ること、ダイスを振った結果のこと




 ここの「make」は2 つ兼用で、「or」がそれらをつないでいます。

When you make an ability check
                        or
                        a saving throw

あなたがするとき 能力判定を
         もしくは
      セーヴィング・スローを



 「When」は条件を表す語で、ルールブックでは超頻出の単語。この条件に合ったタイミングで、そのあとに書かれている内容を行使できます。

 「feature =フィーチャー=特徴」もゲーム用語なので覚えてしまいましょう。各クラスが持っている固有の技芸はぜんぶフィーチャーです。クレリックの「ターン・アンデッド」も、パラディンの「レイ・オン・ハンズ」も、ぜんぶ「Class Feature =クラス・フィーチャー」です。

 「use」のあとの「to do」は、「use A to doA を使ってto do する」。ここでは「this feature」を使って「add」するわけです。






 締めくくりに「make a saving throw」の例文を。ここではウィザードの中でも「Enchantment =エンチャントメント=心術」が専門の「School of Enchantment =スクール・オヴ・エンチャントメント」のフィーチャーから。相手を魅了して自分に対する攻撃を逸らさせます。

The attacker must make a Wisdom saving throw against your wizard spell save DC.
(『Player's Handbook』P.117 / Wizard の「INSTINCTIVE CHARM」より)

攻撃する者は、あなたのウィザード呪文のセーヴDC に対してウィズダムのセーヴィング・スローを行わなければならない。

must 
 ~しなければならない
 
Wisdom 
 ウィズダム(赤箱で「知恵」、HJ 版で「判断力」)
 
saving throw 
 セーヴィング・スロー(たんに「save」と書かれることも)
 
against 
 ~に対して
 
wizard 
 ウィザード(かつてのマジック・ユーザー)
 
spell 
 スペル、呪文
 
DC 
 「Difficulty Class」の略。難度、難易度



 上記例文はシンプルですが、いちおうこんな感じになっています。

The attacker must make 
 =攻撃者はしなくてはなりませんよ
a Wisdom saving throw 
 =ウィズダムのセーヴィング・スローを
against 
 =対抗して
your wizard spell save DC 
 =あなたのウィザード呪文のセーヴDC に



 相手がこのウィズダム判定に失敗すると、自分に向けられた攻撃を、他の標的に向けさせることができます。
 D&D の「Magic =魔法」には8 つの「School =スクール」があります。日本語でなじみのある「スクール」は、いわゆる「学校」ですが、「学派」「流派」といった意味もあり、ウィザードたちが古代の文献や宇宙の構造について研究を重ねているアプローチの違いを表現するのに使われているわけです。第5 版では「Wish =ウィッシュ」は「Conjuration =コンジュレーション」のスクールであり、かつて存在していた「Universal =ユニヴァーサル」のスクールは消滅しています。

少しだけ補足を。「prince=プリンス」は「公爵」であり、いつもカタカナ語の「王子さま」であるとは限りません。もちろん王位継承権を持った王族の男子を差すことも多いのですが。英国皇太子の称号である「Prince of Wales=プリンス・オヴ・ウェールズ」は「ウェールズ公」。

or」や「and」が、何を並べているのかは状況によって変わりますが、同格で同規模のものを並べてつなぎます。上記の最初の例文では「an ability check」「a saving throw」というように、両方に不定冠詞の「a」が付いていることが目印のひとつ。



「D&Dに出る英単語」に掲載した最初の単語「make」の例文は以上です。

このところ製品情報ばっかりだった本ブログですが、本来の趣旨である「英語を読む」というアプローチも忘れてはならないなと思い直した年頭でした。

あらためまして本年もよろしくお願いします。










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