2011年04月13日
プラザキサカプセル75mg、115mgの特徴・薬価
直接トロンビン阻害剤「プラザキサカプセル75mg、115mg」の特徴・薬価
プラザキサ:ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩製剤
【効能・効果】 非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
【用法・用量】 通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg (75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg (110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること
【特徴】
プラザキサ150mg×2回/日は、ワルファリンと比べて有意に脳卒中/全身性塞栓症の発症率を低下させた。
また、プラザキサ150mg×2回/日は、ワルファリンと比べて有意に頭蓋内出血の発現率を低下させた。
プラザキサ150mg×2回/日は、脳卒中リスクに関係なく、脳卒中/全身性塞栓症の発症リスクを減少させることが示唆された。
プラザキサはモニタリングによる用量調節が不要。
・定期的な血液凝固能のモニタリングが不要
・ビタミンKを含む食物との相互作用がない(納豆、クロレラ併用OK)
・細かい用量調節が不要
ワルファリンからプラザキサへ切り替える際には、ワルファリンを投与中止し、INRが2.0未満になれば投与可能
【注意点】
ベラパミル塩酸塩(ワソラン)との併用により、ダビガトランの血中濃度が上昇することがあるため、1回110mg1日2回投与を考慮すること。
ワソランが定常状態でプラザキサの追加はOK。
新規にワソランを追加するときは、ワソラン服用の2時間以上前にプラザキサを服用させること。
吸湿性が高い。
・アルミピロー開封後は3か月まで安定
・ヒートから出すと1日で含量低下→一包化不可
・脱カプセルも不可
消化不良を起こすことがあるので、必ず多めの水で服用すること。
【薬価】
プラザキサの薬価は高い。
ここが大きな難点か。
プラザキサ75mg 薬価132.60円
プラザキサ110mg 薬価232.70円
ワーファリン1mg 薬価9.6円
【まとめ】
相互作用が少なく、血中モニタリングも不要で、効果の安定性が期待でき、患者も煩わしい検査や食物制限から解放される利点は大きい。
しかし、薬価が高く、まだ14日処方制限もあることから、金額的な負担は大きいと言わざるをえない。
また、一包化できない、保存が難しいことからも、高齢者への投与は慎重に考慮する必要があるだろう。
とりあえず1年間は、医師も様子見の可能性が高い。