暖かく優しい人々の心に支えられて…
あの年老いた迷子の犬、その後はどうなったのでしょうか。
発見から41時間経過した本日の早朝、保護してくださっている泉が丘団地の北川さんからお電話をいただきました。
「山本さん! 飼い主が見つかったよ!」…
その吉報を告げる北川さんの声は弾んでいた。
喜びに満ち、自身の41時間の老犬に注いだ愛情と処断に間違いはなかったことを再確認するようだった。
「えッ! 良かったですね! 北川さんのおかげです」…
発見当日の29日14:30分頃、声掛け合って集った5名が、迷う高齢犬を取り囲み緊急の対策本部を立ち上げ、今後の対応について協議した。
発見現場の最寄りのお宅の青年と犬の散歩中だった団地内の壮年の方、たまたま隣接するお宅に訪問した鈴鹿からこられたばかりのご婦人おふた方とそして私の計5名とで、犬の様子を見ながら種々の協議を重ねた。
自治会の役員さんにも連絡するがことごとくご不在。結局、全体の意見は可能な限りの捜索をする方向性が出た。その折に散歩中だった壮年の方が、しばらく保護すると申し出てくださった。
ありがたい!
一日でも保護できれば捜索の手が延ばせるからだ。
保健所は土曜日でお休み、仕方なく警察に届け出て保護してくださる方の情報を告げて、万が一の場合の対応をお願いした。
その後、壮年の方のご自宅に搬送した。高齢犬は三々五々用意した水も餌も食べず、相当体力を消耗している様子。
さらにその先があった。
保護して下さった北川さんは高齢犬を動物病院に搬送し、点滴を施し獣医の診察を受けられたという。
何という奇特な方だろう。保護していただくことだけでもなかなかできないことであるのに、病院診察まで手配して下さり驚くばかりです。
良い方に保護していただいたと感謝しています。
夜には寒さも厳しいだろうと、倉庫内のケージに暖房用の照明も施し、点滴の効果で元気になった老犬はすやすやと眠っています。
ただ、寂しいのか夜から朝方にかけて鳴いて保護者を困らせたらしい。
昨日は北川さんによる手作りの回覧版を自治会に回し、午後にはごみステーションに掲示していただいた。
その結果、今朝、飼い主がごみステーションで掲示板を見て連絡をしてくださったという。そして、すぐさま引き取りに来られ北川さんにお礼はもとより、北川さんの優しい配慮に感謝することしきりであったという。
一連の迷う高齢犬に関わる人々の内在する優しさに触れる時、ペットといえども介護の在り方や、更には「看取り」という時点まで動物と人との関係性で生命尊厳という観点から、人の責任を全うする社会の仕組みを構築する必要性を再確認させていただきました。
何故ならペットは人の精神の朋友であり、ペットに取ってもかけがえのない人生の伴侶であろう。当然にして互いに暗黙の社会システムが構築されている。
今回の解決までのプロセスで最も大切なことは、人々のネットワークと云うことです。
さしずめ今回の迷い犬事件がハッピーエンドで終結したことの勝因は、地域のネットワーク以外にないからだ。
まさに地域力の勝利と云えるだろう。
因みに、飼い主は29日の夕方に犬がいないことに気づき、その後2日間、ご家族で捜索をしていたという。
1月31日
無事に引き取られた後、住み慣れた飼い主宅でくつろぐ迷い介護犬。
その名は「ボブ」。
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Posted by info_matsusaka at
11:57