2010年07月01日

「消費税増税」の協議より社会保障の将来像描け

公明新聞:2010年7月1日付

民主党 「年金一元化」提唱から7年、まだ具体案示せず
公明党 「加算年金制度」創設や「新・介護ビジョン」提案
.菅直人首相は、所信表明演説でも明かさなかった「消費税増税」を唐突に表明し、「超党派で議論を」と呼び掛けました。超党派で議論すべきは「増税」より「社会保障の将来像」が先。議論が逆転しています。

民主党はそもそも、マニフェストの財源について「消費税の議論をする前に、税金のムダ遣いを徹底的に見直せば、財源は十分にある」と豪語していたはず。それを、わずか9カ月で前言を翻し、唐突に「消費税10%」公約を表明するのは、明らかに国民への重大な裏切り行為。まさに“マニフェスト詐欺”です。

しかも、消費税増税の理由について「財政再建のため」と言ったり、「社会保障が破綻する」と言ったり、ブレまくっています。仮に「社会保障に使う」というなら、国民に社会保障のあるべき全体像を明確に示し、理解を求めるのが筋です。

ところが、昨夏に大宣伝した「年金制度を一元化し、月額7万円の最低保障年金を実現します」との“年金一元化案”も、提唱から7年間たつのに、一度も具体案を示していません。それどころか、政府が6月29日に発表した新年金制度の基本方針からは「月額7万円」の数字も消滅。また、「後期高齢者医療制度は廃止」との公約についても、「廃止後」のあり方すら示せず、実現できていません。

民主党は「抜本改革!」「廃止し公平な制度に!」など、常に口先だけ。何一つ現実的な社会保障の姿を示さないで、増税の議論をしようというのは本末転倒です。

超高齢社会・人口減少社会を迎え、国民が安心できる持続可能な社会保障を構築することは最重要の課題です。

そこで公明党は、参院選向けの「マニフェスト2010」で「新しい福祉」政策を掲げました。年金制度では、最低保障機能の充実へ、低所得者の基礎年金を25%上乗せする「加算年金制度」の創設や、現行25年の年金受給資格期間を10年に短縮することを明記。介護でも“総点検活動”を踏まえて集約した政策提言「新・介護公明ビジョン」の実現など、“社会保障の将来像”を力強く訴えています。

菅首相の消費税増税発言には、「『強い社会保障』の全体像を描き上げてから具体的な税制抜本改革を提示すべき」(6月26日 荒井聰国家戦略担当相)など、閣内からも異論噴出。公明党の山口那津男代表が同15日の参院代表質問で“逆提案”した通り、「社会保障のあるべき姿」を先に超党派で論議すべきです。

超党派で社会保障論議を
国際医療福祉大学大学院 高橋 紘士教授

菅首相の「消費税10%」公約について、国際医療福祉大学大学院の高橋紘士教授に、その問題点を聞いた。

日本の財政状況は非常に厳しい。民主・鳩山政権は、“選挙対策”で消費税論議を封印したまま財源の裏打ちのない政策を打ったので、余計に状況を悪くしてしまった。このままでは、社会保障費も増大し、日本の財政はクラッシュ(破たん)してしまう。「強い財政」をめざすなら、菅首相はまず、バラマキ路線のマニフェストを見直すべきだ。

菅首相は財政再建へ、消費税引き上げに関する超党派協議会を呼び掛けた。遅まきながら現実に目を向けたと言えなくもないが、民主党マニフェストは社会保障ビジョン自体が不明確で、「最低保障年金」の導入をはじめ、消費税10%で収まるとは到底思えない。民主党は福田内閣の時、自民・公明両党が社会保障論議を「超党派でやろう」と提言したのを蹴った“前科”があるが、強い社会保障を主張するなら、その将来像を超党派で議論すべきだ。
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