両国関係発展へ「三つの加速」を 太田代表
与党の努力で中日は重要転機に 温首相 (公明新聞より)
公明党の太田昭宏代表は12日、都内で中国の温家宝首相と会談した。両者は首脳レベルの対話を一層強化することで一致するとともに、太田代表が提案した日中関係の「三つの加速」について認識を共有し合った。
あいさつで太田代表は、日中両国の首脳間対話の進展を念願してきた心情を語り、温首相の来日実現を喜ぶとともに、「さらに首脳レベル対話が、毎月のように行われることを願っている」と述べた。
また、11日の日中首脳会談について「大変実りあるものができ、戦略的互恵関係が前進すると思う」との認識を表明。温首相の国会演説について「多くの国民に、未来に向けて日中関係の前進を期待するものだった」と語った。
温首相は、中日関係に今のような重要な転機が訪れたことについて「特に両国与党の努力を抜きにして語れない」と謝意を表明。「ようやくここまで来た、よい局面を大きくし、ハイレベルの往来をさらに強化していきたい」と述べるとともに、政党、議会、民間団体、国民同士の交流を強化する必要を指摘し、「公明党が中日関係の発展のために、さらに大きな貢献をすることを期待する」と語った。
会談の中で太田代表は日中関係発展のための「三つの加速」を提案した。
第1の加速は、首脳レベルの対話促進。太田代表は、特に「胡錦濤国家主席の一日も早い来日を心から願っている」と述べた。
温首相は首脳レベルの往来強化は「両国の協力強化のために極めて必要」と応じ、年内の安倍晋三首相の訪中、胡主席の訪日、ハイレベル経済対話に言及した。
第2の加速は、環境問題での協力の加速化。太田代表は、両国の戦略的互恵関係の構築では数多くのテーマがあるとしながら、「特に環境、エネルギー問題が世界にとって大事な局面に来ている」と強調。「(両国が)有限な地球の中でどのように環境問題を解決しながら経済成長していくかという課題に直面している」と述べた。
温首相は「省エネルギー、環境保護を戦略的互恵関係の重要内容にするべきだ」と応じた。
太田代表は、2013年以降の「ポスト京都議定書」の枠組みづくりについても「中国の大きな貢献をぜひともお願いしたい」と要望した。
第3の加速は、文化、スポーツ交流の側面を加えた青年交流の加速化。温首相は「青少年は両国関係の未来だ」「文化・スポーツ面の交流は人の心と心をつなげる」と賛同し、「(この面は)公明党の得意分野で長所を持っているので、引き続き役割を果たすことを期待する」と述べた。