中部地区の国公私立大学を中心に、入試問題の共用、データベース化の取り組みが始まったようです。大学における入試関連作業は、非常に効率も悪く、しかもハイリスクな作業が多いのが現状。一つの解決方法として面白い方向性かも知れません。
 入試問題には、その大学の個性が表れる、ともいわれます。しかし、法人となり効率的な運営を宿命づけられた大学にとって、「個性の主張」ですら、経費の観点からの評価を行い、ペイしているかどうかの判断を迫られているようです。

 一方で、大学の標準化、第三者評価も大学では進んでいます。個性とは相反する部分も含みそうな標準化の観点からは、国家試験などで問題がプール制であることはよくあるケースのようですから、大学の入試にそのような制度が導入されても、一定の工夫さえすれば大きな問題は発生しないものと考えられそうです。また、立場によって評価が分かれそうですが、入試問題のレベルがどの大学でも同程度であれば、志願者の質も明確になり、大学の序列もより明確になる可能性があります。

 一般入試はともかく、大学院入試や、そのほか特別入試などでは、よくあるケースとして、受験者1名にたいして10名以上の出題者が入試問題を作成、複数日での入試実施、それらの前後の作業に多くの工数がつぎ込まれます。コスト評価を行えば、受験料はとてつもなく高額になります。しかも、最悪のケースでは「辞退」あるいは「欠席」などで、結局誰も入学しないこともあります。大学で実施される多くの入試は、経営上大きな問題を抱えているのも事実です。
 また、出題者と受験者がきわめて近い大学院入試では、本学で「懲戒解雇」となった(らしい)事例も発生していて、法人だけではなく、出題者にとっては、問題作成ミスだけではない大きな制度上のリスクをしょっているのも現実です。
 
 このような問題の解決に積極的に変革を行おうという中部地区の大学の意気込みは、法人となった大学の一つの変化の例かもしれません。今後の大学入試は、入試センター試験に加えて、また大きく変化しそうな兆しです。