大阪府からの資金がどんどん減少している公立大学法人 大阪府立大学。他の国立大学法人や私立大学の経営戦略を見ると、本学の大学院の将来が少し予測できそうです。
 最初に、高等教育の授業料が無償あるいはそれと同等の状況でなければならないことは本ブログの記事でふまえておいて下さい。その費用を税で補うか寄付で補うかは別問題です。
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 国は、大学院の重点化を行い「技術立国」を支えるために大学院後期課程(昔の博士課程)の定員の増加をおこないました。ところが、企業は博士課程の求人は拡大しておらず、後期課程卒業生の進路はフリーターまがいのポスドク(ポストドクター)として大学でのアルバイトのような不安定な立場におかれます。そんな事情もあってか、後期課程は万年定員割れです。特に、小泉改革のテーマ、「民間でできることは民間で」の政策が今も生きているため、国公立と呼ばれる法人化された大学も、非常勤講師を活用している私立大学に近づき、教員のポストも減少中です。この政策は、本法人の設立団体の長である橋下氏と国は一致しているようです。将来のくらい人生を歩むドクターも増えていくのかもしれません。

 もちろん、ドクター取得への動機のひとつである大学教員として職に就くという目標も、生涯年収や人手不足の中研究時間確保もままならないことを考えれば、大学教員になる魅力も減少していることから、近年の価値観の変化や生活を考えれば民間へ就職する方が有利であることが顕在化しつつあるようです。

 そんな中、実態を科学的資料も示さず博士後期課程を勧める事務や教員は、説明責任も果たさずある意味詐欺的商法であり、コンプライアンス的にも問題があるといえそうです。
# こんなことを言わなくても保護者の方は適正に判断されているでしょうが、、、^^

 報道によると、冒頭の条約によって、米国でも生活費相当分の支援を40%もの博士後期課程学生は受けているようですが、日本ではそのような在学中の支援もわずか(9%)のようです。そもそも国(本法人では府)からの手当があてにできない中、改善される見込みはなさそうです。


 博士後期課程は、在学中も卒業後も、苦難の道のり、というのが技術立国を目指す日本の実態のようです。

 東大、東工大、東京農大、室蘭工業大、などでは大学独自では30万円程度の経済支援制度などを導入しているものの、授業料だけで60万円を超える現状ではないよりはマシ、という状況です。
 もっとも資金潤沢な東京大学では、民間企業から120億円支出される信託基金をもっているようですが、それでも海外の有名大学の基金に比べれば100分の一以下。

 しかし、ないよりはマシなので、ネームバリューもある東大の博士後期課程を志望すれば、先に述べたように志望者減と定員増で、まず間違いなく進学できる状況であれば、どの大学院を選びますか?

 
 これは大学の事情ですが、医療機関の医師不足も根底を流れる状況は同じのようです。大学で医師育成コースの定員を増やしても、医療機関の医師が充分に補充されないのは、結局最後の受け皿の条件が良くないからでしょう。医師増のために定員を増やしてもムダというシナリオは、全国の大学院で実証済み、既存の事例なのです。