大阪府マニフェスト案 先月、本法人の存続について議論している大阪府は、府民をはじめとするアンケート調査を行い、これを本学の存続を実際に審議する戦略本部に示すとしています。その戦略本部の議事録から本学に関する部分について、抜粋しました。
 議事録では、橋下知事、綛山副知事、小河副知事、政策企画部長、府民文化部長、が登場しています。
【綛山副知事】
・府立大学について、110億円の交付金を出し運営しているが、その110億円の税は何のために投入しているのか。大学生に授業を受けさせるためだけでは絶対にない。そこをきちんと府民に理解してもらうように。大学は都市の一つの装置のような気がしている。府民文化のPR、府民理解にきちんとつなげてもらいたい。
・たとえば、先日、府立大学での亜臨界水を使った廃棄物の再資源化に関する先端研究について報道されていたが、あれがうまくいけば、産業廃棄物問題は一気に片付いてしまう。
 たまたま新聞に取り上げてもらったが、大阪経済や企業への貢献といったものを府立大学自身がPRする努力をすべき。

【府民文化部長】
・いい取組みをやっていることは、できる限り皆さんに知ってもらうことが大事。また、府民のためにやるという意識を持って取り組んでもらう必要がある。

【小河副知事】
・府立大学と市立大学の合併が話題になっているが、都市格とか大阪における府立大学の位置付けというものがあるはず。府立大学、市立大学、私立大学など、大阪にこれだけたくさんある大学を行政としてどう利用していくのかという観点で語られていない。国公私立を含めた大学政策を
 どうしていくのか、大きな視点で議論してほしい。でないと、「大学は私立に任せればよい」ということだけに終わってしまう。結果としてそうなるのは仕方ないが、思考する過程では全体像を示す必要。

【府民文化部長】
・府立大学なので、公立大学がどうあるべきかというところに焦点を絞らざるを得ないと思う。

【小河副知事】
・大阪という都市における大学行政をどうするか。大学をうまく使えば都市を変えることもできるし、うまく情報発信もできる。

【府民文化部長】
・いろいろな大学がある中、なぜ大阪府が府立大学に110億円の交付金を出すのかということをきちんと固める必要がある。それ以外の大学をどう活用するのかという点については、その次の話。

【小河副知事】
・話の順序が逆で、大学をどうするのかという大きな話があって、その中で110億円をどうするかを議論しないといけないのでは。

【府民文化部長】
・公立大学は私立大学とは異なり、府民にとって必要であるということを言わなければならない。でないと、国立大学、私立大学との役割も明らかにならない。まずは、府立大学が公立大学として公費を投入するにふさわしいものだという必要性を明確にしたい。
・地域において大学という知的財産をどう活用するのかについては、改めて府立大学も含めて考えなければならないと思うが、ここで検討するのは府立大学のあり方に絞りたい。

【綛山副知事】
・私立大学も国家の存立という観点で国が一定の助成をしている。それを認識した上で、自治体としての大阪府が府立大学を持つ意味、110億円を投入する意味は一体何なのか、そこはきちんと分析すべき。でないと、「私立大学に任せておけばいい」というとおかしな議論になる。 そこはお願いしておく。

【府民文化部】
・府として大学という知的財産をどう活用するのかという議論には、大学コンソーシアムを府としてどう活用していくのか、そこにどういう意見を述べていくかという視点が必要。

【知事】
・大学の「知」というものを大阪から無くしてしまうとは思っていないが、実際に私立で「府大を経営してもいい」と言っているところがいくつかある。そういう声が出てきたときに、なぜ府が持っていなければいけないかという点はしっかりと固めないといけない。
 概算で計算してもらった数字では、私立大学で経営した方が、はるかに効率化が図れる。
 なぜ府立でなければならないのかしっかりと明示してもらわないと、仮にもっといい案が出てきたら「そっちでやってもらえば良い」という話になってしまう。そこは、私だけではなく、府民の皆さんにわかるようにやってもらいたい。以前、大学と議論した際に「人材養成は国家の役割」
といった型どおりの答えが返ってきたが、きっちりと府民の理解が得られるように示してもらいたい。
・本来、大学は都市の魅力を発信するためのかなり中心的な機関になるはず。今までの文化行政のようにちょこちょこお金を配るより、大学をしっかりさせることで、はるかに大阪の文化的なイメージが発信できると思う。
・「?アウトカムの数値目標」では、府民や企業からの評価だけではなく、府立大学の全国評価を掲げられないか。全国アンケートは無理だろうから、何かそれに代わるものを示してほしい。
・重点課題3の高校教育については、私はどうしてもこだわりがある。「?アウトカムの数値目標」に「企画室や教育委員会と調整」と書いているが、そもそもこの項目自体が、重点課題1や6と同様、「部局横断的課題」という取扱いではないか。

【政策企画部長】
・生活文化部長のマニフェストでは私学、専修学校にしぼった目標を設定していただいている。 もちろん連携すべき点は多いと思うが。

【知事】
・たとえば「?アウトプットの数値目標」の「保護者負担の公私間格差の是正」などは、また私学助成の増額の話なのかと捉えられないか。

【府民文化部長】
・そこはまさに公私の高校教育のあり方議論の中で課題が出てくる。ここを括弧書きで表記したのは、まだ教育委員会と合意ができていないから。私学だけの問題ではなく、大阪の教育を考えたときに、子どもたちの高校入学という夢を実現するためには、公も私もなく対応する必要。そのための制度が私学助成か、奨学金か、バウチャーか、それはこれから議論。
 さて、どのような印象をお持ちになったでしょうか?

 この議論では、どうも大阪府立大学に対しては、優秀な人材の輩出は二の次、三の次のようで、国立と同様のものではいけない、ということのようです。

 これについては、特に前理事長のように国立を追っかけてきた経営が大きな徒になっているようです。

 かつて大阪府立大学は、地域産業と連携しながら、小規模ながら着実に共同研究を細々とやっていた時代もありました。今では考えられませんが、税で運営されている大学が一私企業のために協力してもいいのか、と批判されていたこともありました。当時は、研究費をもらっている教員も今したが、特に共同研究費をもらうでもなく、今よりも遙かに潤沢だった研究時間を利用して、中小企業との開発などを行っていた教員もいたようです。
 ところが、国家政策の変化によって共同研究が叫ばれ、業績主義、外部資金獲得競争が個人レベルで始められると、人員削減、予算削減の中で、有償で研究を行うようになりました。

 また、堂々とお金を払わない企業とは研究をしない、と明言する教員も増え、そしてついに先日、本学では外部資金獲得を教員にキャッシュバックする制度もできました。

 これは一つの事例です。また、これらは大阪府の政策の中で生じた状況でもあります。結果的には、地域の中小企業にとってはやや敷居の高い大学になっているのかもしれません。



 この本学の存続を検討している戦略会議の議論と現状およびその経緯は、矛盾していないのでしょうか。


 みなさんはどのようにお考えでしょう。