

2月3日に締め切られた大学二次試験の志願者数等が公表されています。文科省から19日公表された確定値では、競争倍率は4.9倍で前年よりわずかながら0.1ポイント上回ったそうです。
大阪府立大学の状況はどうだったのでしょうか?
公表された志願者数等の情報によれば、一部学部をのぞいて全国平均の動向とは逆に大きく競争倍率を下げたようです。前期志願倍率でもっとも下げたのは -76% の看護学部。ただし後期では約+150超えとなりトータルで -18%となっています。理事長が学部廃止と計画発表を行った経済学部が前・後期でもっとも減少、-21%となっています。続いて生命環境科学部が -19%、看護学部が -18%と続きます。唯一、倍率が上昇したのは総合リハビリテーション学部のみで +28%でした。
存続といわれていた生命環境科学部や工学部も競争倍率を大きく減少させています。
これまで高校、大学の共学化によって市場開拓、経営改革を行ってきた私立大学の流れとは逆に、大学自らが「総合大学」という看板をかなぐり捨て、男子学生が多く集うであろう「理系特化」を前面に押し出しました。橋下知事の大阪市立大との統合話が完全に頓挫しているにもかかわらず、この道を選んだ大学の経営方針も受験生心理に影響を与えているのかもしれません。いかにも経営スタンスが後手後手でお役所的です。地方独立行政法人のメリットが全く見られません。
学生にとっては、理系特化によって高等教育機関として必要な社会に関する幅広い教育サービスにも、近い将来、大きく影響する可能性も予想されます。一芸秀でればあとはどうでもいい、という大学のスタンスも受験生に敬遠されたのかもしれません。
就職でも、人間力、という言葉が使われたのも耳に新しいことと思います。最近では、優秀な技術を持つ相撲やスノーボード競技者に関する社会問題も記憶に新しいものです。時代の流れは、その程度、是非はさておき、大学においても人間としての幅広い教育の必要性が望まれているのかもしれません。
でも、それが大阪府立大学のアイデンティティなら貫けばよいでしょう。
今日、日本航空は49年間の上場の歴史を閉じます。日本航空は国が支援し継続しますが、「日本航空はつぶれない」と信じていた人はかなりの数に上っていたことでしょう。それでも今の時代では、事実上倒産し、株の価値はなくなってしまいました。
一部では、公立大学はつぶれない、などという考えも根強いようですが、大阪府民の強い支持を得ている橋下知事の下、「廃止」という言葉までマスコミに出して議論されている55年間の歴史がある大阪府立大学の将来と、日本航空の状況とがオーバーラップしないはずがありません。
しかも、大学法人理事長は、総合大学としての組織のメリットとその維持を主張するどころか、自らの示した案においても橋下知事の主張と同じく、理系特化という大学縮小を府に要望しました。
実際、設立団体の経済状況の影響、意志を色濃く受け、教育経費は少なく、学生/教員比率も増大し教員ひとりあたりの教育のための時間が増え、研究環境も劣悪という事実を示すかのように、他大学にポストを見つけて転職する教員も増えているようにも見えます。その欠員を補うために法人も努力しているようですが、結果的には意義が今ひとつわからない「人事の流動性」が確保されてきっと大学にとっては大きなプラスなのでしょう。
この劣悪環境のスパイラルから脱出するには、教育ではなく研究業績獲得に集中し、他大学採用時に他大学の教員との競争にも勝たねばなりません。オープンキャンパスの対応でもそんな教員の様子はしみ出て受験生に伝わっていたのかもしれませんが、報告書では非常に成果を上げたようなので、この憶測は誤りなのでしょう。
結局は、昨年入試時期に続いて橋下知事の執拗な運営、経費などの面からの大阪府立への集中攻撃。こんな状況とあわせて客観的に見れば、近い将来廃止されるかも、という不安で受験生が敬遠したのかもしれませんね。理事長の、「卒業までは」という受験生向け期限付き保証発言も火に油を注いだ感があります。
いずれにせよ、出願前に理事長自身が示した「大学運営マニュフェスト」の内容が、平均8.1倍の受験生の支持を得たものの、全国平均0.1ポイント上昇の中、昨年より0.8ポイント下げたことは、何を意味しているかと言うことかもしれません。
きっと府知事にも指摘され優秀な人材を集めた経営企画部門が分析を行い、今回の結果が経営にとっても教育環境にとてもプラスとなっていることを報告していただけることでしょう。
アンケート:クリックすると結果が見られます
存続といわれていた生命環境科学部や工学部も競争倍率を大きく減少させています。
これまで高校、大学の共学化によって市場開拓、経営改革を行ってきた私立大学の流れとは逆に、大学自らが「総合大学」という看板をかなぐり捨て、男子学生が多く集うであろう「理系特化」を前面に押し出しました。橋下知事の大阪市立大との統合話が完全に頓挫しているにもかかわらず、この道を選んだ大学の経営方針も受験生心理に影響を与えているのかもしれません。いかにも経営スタンスが後手後手でお役所的です。地方独立行政法人のメリットが全く見られません。
学生にとっては、理系特化によって高等教育機関として必要な社会に関する幅広い教育サービスにも、近い将来、大きく影響する可能性も予想されます。一芸秀でればあとはどうでもいい、という大学のスタンスも受験生に敬遠されたのかもしれません。
就職でも、人間力、という言葉が使われたのも耳に新しいことと思います。最近では、優秀な技術を持つ相撲やスノーボード競技者に関する社会問題も記憶に新しいものです。時代の流れは、その程度、是非はさておき、大学においても人間としての幅広い教育の必要性が望まれているのかもしれません。
でも、それが大阪府立大学のアイデンティティなら貫けばよいでしょう。
今日、日本航空は49年間の上場の歴史を閉じます。日本航空は国が支援し継続しますが、「日本航空はつぶれない」と信じていた人はかなりの数に上っていたことでしょう。それでも今の時代では、事実上倒産し、株の価値はなくなってしまいました。
一部では、公立大学はつぶれない、などという考えも根強いようですが、大阪府民の強い支持を得ている橋下知事の下、「廃止」という言葉までマスコミに出して議論されている55年間の歴史がある大阪府立大学の将来と、日本航空の状況とがオーバーラップしないはずがありません。
しかも、大学法人理事長は、総合大学としての組織のメリットとその維持を主張するどころか、自らの示した案においても橋下知事の主張と同じく、理系特化という大学縮小を府に要望しました。
実際、設立団体の経済状況の影響、意志を色濃く受け、教育経費は少なく、学生/教員比率も増大し教員ひとりあたりの教育のための時間が増え、研究環境も劣悪という事実を示すかのように、他大学にポストを見つけて転職する教員も増えているようにも見えます。その欠員を補うために法人も努力しているようですが、結果的には意義が今ひとつわからない「人事の流動性」が確保されてきっと大学にとっては大きなプラスなのでしょう。
この劣悪環境のスパイラルから脱出するには、教育ではなく研究業績獲得に集中し、他大学採用時に他大学の教員との競争にも勝たねばなりません。オープンキャンパスの対応でもそんな教員の様子はしみ出て受験生に伝わっていたのかもしれませんが、報告書では非常に成果を上げたようなので、この憶測は誤りなのでしょう。
結局は、昨年入試時期に続いて橋下知事の執拗な運営、経費などの面からの大阪府立への集中攻撃。こんな状況とあわせて客観的に見れば、近い将来廃止されるかも、という不安で受験生が敬遠したのかもしれませんね。理事長の、「卒業までは」という受験生向け期限付き保証発言も火に油を注いだ感があります。
いずれにせよ、出願前に理事長自身が示した「大学運営マニュフェスト」の内容が、平均8.1倍の受験生の支持を得たものの、全国平均0.1ポイント上昇の中、昨年より0.8ポイント下げたことは、何を意味しているかと言うことかもしれません。
きっと府知事にも指摘され優秀な人材を集めた経営企画部門が分析を行い、今回の結果が経営にとっても教育環境にとてもプラスとなっていることを報告していただけることでしょう。
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