滴虫界 (Infusorian World)Ciliates,Amoebae,Flagellates,etc...

身近な水の中に住む原生動物を紹介します。アマチュアなので間違いも多いかもしれません・・・ブログ名の由来は、滴虫類(Infusoria、Infusionstierchen,枯れ草などを浸しておくと発生してくる、繊毛虫などの小動物類。浸滴虫類ともいう…1950年ごろからは使われなくなった死語)から。 へたくそなスケッチですが、「田んぼや水たまりのなかに、こんなおかしな生き物がいるんだ…・」などと思って、見てやってください。 なお掲載するスケッチ・写真類はすべてオリジナルなものです。念のため…

《おもな参考資料》

分類体系としては
i)Kahl "Wimpertiere oder Ciliata"(1930-1935)を参考にしている。最近の繊毛虫類の分類体系は複雑に過ぎ、また変化も激しいので思い切って昔ながらの体系でまとめた方がいいと感じたからである。

種や属の同定の参考にしたのは上記の書以外に、
ⅱ)H.Bergerの”Monograph of the Oxytrichidae"(1999)に続く下毛類Hypotrichous ciliateに関する一連の分類書(Monograph series)
ⅲ)Warren(1986,1988)(周毛類の分類。)
ⅳ)Curdsら(1982,1983)(繊毛虫全般)
ⅴ)Foissner(1993)(Colpodea類)
ⅵ)Foissner and Berger(1999)(limnetic plancton の繊毛虫類。) 
ⅶ)Page (1976)(淡水および土壌アメーバの分類)
ⅷ)アメーバ図鑑(石井圭一)
等の著書を参考にした。

日本語の書物としては、「原生動物図鑑」(猪木正三ら)、「動物系統分類学Ⅰ」(内田了ら)を参考にした。(主として和名、学術用語に関し)


繊毛虫分類の古典を無料で閲覧できるサイト紹介。


下記のホームページで20世紀の繊毛虫分類学の古典、
Kahlの”Wimpertiere oder Ciliata 1930-1935"を閲覧できます。淡水~汽水域の繊毛虫が多数記載されています。
繊毛虫全般を網羅した分類書ですが、著者カール氏はどうやらプロの学者ではなくアマチュアであったらしいです。
多少画像は古いですが文章は平易なので、ドイツ語を半年くらい勉強すれば何とか読みこなせるでしょう。(専門用語は、ハウスマンの原生動物学入門などで勉強しておけば十分かと。)
書物として手に入れようとすれば復刻版でも数十万はかかるでしょう。


http://ameba.i.hosei.ac.jp/DIB/Kahl/


生きていたChaosとゾウリムシ

昨年からほとんど放置していた(1~2カ月に1回、米粒を入れたり水を換えたりはした)ゾウリムシと大型多核アメーバChaosの培養容器(シャーレ)を双眼実体顕微鏡でのぞいてみたら、そこそこの数の個体が生存していた。冬期はいるのかいないのか分からなかったが。
Chaosの容器にたくさんいた多細胞の動物は姿を消している。
ゾウリムシの体形がかなりスリムになって体の中に食胞が少ないせいか体色はほとんど無色である。

Chilomonas paramecium ? 動画



昨年の記事の補足動画。

*メチルセルロース水溶液を培養液に加えて動きを緩やかにした。

身近なところにいる原生動物

1.一番身近なところといえば、自分の体ですが、もちろん健康な体の中にも原生動物はいますがあんまり面白い種類はいません。(大腸アメーバや歯齦アメーバなど。小型で見つけにくい。)

2.次に身近といえば、家の中。古くなった生花の花瓶の水などには小型の繊毛虫のコルピディウム、コルポダ、鞭毛虫が見られます。

3.家の前を流れる下水の溝にはもう少し変化に富んだ様々な種類が見られます。ゾウリムシを見つける場合もあります。しかし下水の水は富栄養ですから、環境要因に対しデリケートな大型の種類はあまり見られません。アメーバでも小型種はよく見つかりますが大型のAmoeba属などは見ることが少ないです。

4.家の周りに水田や池がないという都会に住む人にオススメな採集場所はホームセンターなどに売っている「腐葉土」です。これを少量ガラス容器(紙コップでもいい)に入れて水道水を少量加えておくと半日ほどで様々な原生動物がシストから脱囊して出現します。(大型の下毛類(Hypotrichous ciliates)、Urostylla属なども見つかることがあります。)水中で見つからない面白い種類が見つかることもあります。ぜひお試しを。

☆注意!!
原生動物を培養すると大抵は細菌やカビなども増殖してきますから、扱うときには注意しないと多量の微生物を口から入れてしまうとか、手指の傷口から侵入するとかいう危険が無きにしもあらずです。
常識的に不衛生なことは避けましょう。

原生動物採集の最適時期!

いきなりですが、3月下旬から初夏にかけての1~2ヶ月間が原生動物採集の最適期間です。

特に田んぼの変色した表面の膜などにはミドリムシを始めたくさんの種類、数の鞭毛虫が発生しています。
緑色の膜には緑色のベン毛藻類、ミドリムシ類が多く、赤みを帯びた褐色の膜にはクリソモナス(黄金色鞭毛虫)類のSynuraなどが多いようです。
またそれらの鞭毛虫を食べる比較的大型の肉食性の繊毛虫(Dileptus,Burusaria,Paradileptus,Prorodon)も同時に出現します。
田植えが終わった5月後半辺りからはこの水面の膜もアオミドロやヒビミドロ、アミミドロ等の糸状の藻類が優勢になり、また多細胞の動物も増えてきてそれらに食べられてしまうせいか原生動物の種類は春ほど多彩でない感じがします。
できれば採集のタイミングは、晴れた日が2~3日続いた後が良いようです。シスト(休眠胞子)から生物が出現してくるためには、雨の直後よりも暖かい日が続いて水温が上がったあとの方が良いからでしょう。
採集には、蓋付の瓶があれば十分で特別なネットなどは必要なしですが、田んぼは農家の人の私有地なので、人が見ている時にはなるべく手を出さないほうが無難でしょう・・・('∀`)。
また、できれば汚れてもいい長めのブーツかゴム長ぐつを履いたほうが安全です。

Loxophyllum helus?

infusoria094

観察日:2012年 11月

採集地:藍藻の繁茂する溝

体長:約150μm

①外形・体色:やや扁平な木の葉状で先端は急に尖り背側に反り返る。体の中央付近に隆起した、顆粒に富む内質が有り、その周りを透明な帯のように扁平な外質が取り巻く。外質には毛胞が密に並ぶが背側には小さないぼのような突起にまとまって毛胞がある。毛胞を含むこの疣(乳頭)の数はだいたい決まっており大体11個前後である。また細胞質のあちこちにも細い短針のようなトリコシスト(毛胞)が散在している。

②核の形状:2コのいくらか楕円形の大核が内質の中央に接近してある。小核は1個ずつ各々の大核に寄り添う。
③収縮胞:内質部の後端にある。
④繊毛、蕀毛:全身に密に分布するが、口のある腹側縁の前方には特に長い繊毛が生じる。

⑤口部装置の形態:口は体の腹側前方3分の1に裂け目状に開く。

⑥運動、食物他:捕食性である。非常に収縮しやすく、変形する。

⑦種属同定のための参考資料:ⅰ)など。

動画




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