教員の卵を育てる
(いのちびと2017年11月号より)

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教師を目指す学生を指導するU先生の思いです。

「クラスに『死ね』という言葉をよく口にする子どもがいます。
あなたは、担任としてどのように指導しますか」

これは、教員採用試験の面接で問われた質問です。
学校教育で「命の大切さ」を指導できる教員が求められていることに他なりません。
その指導するためには、日々人間力向上への情熱に燃え、豊かな心を持ち合わせた教員の卵を育てることが肝腎です。

私は、まず学生たちには、教員にとって必要な資質を考えさせます。
「恕の心(思いやり)」「仁の心(相手の立場を重んじる)」「信の心(信頼すること)」
「万象肯定・万象感謝(すべての出来事を丸ごと受入れ、どんなことにも感謝すること)」
「目に見えない偉大な力(例えば神仏・先祖)を敬うこと」を機会あるごとに語っています。
この思いが「いのち」におのずと結びついていくものと確信しているからです。

学生たちは、「謙虚さや感謝」に思いを馳せるようになります。
人は、それぞれの役割を果たすために「いのち」をいただいる。
人を幸せにするために生かされているということに次第に気づいていくのです。

「教員採用試験に合格するために必要な事を書き出しなさい」というグループワークをします。
すると、「人の喜びを追求する。人を敬う謙虚さ。人間性を磨く。感謝の心。素直さ。掃除」など、およそ採用試験とは無縁だと思われることを、どのグループも挙げてくれます。

学内でゴミを見つけるとさっと拾う学生、教室や机・椅子等に一礼をする学生を見るにつけ嬉しくなります。
卒業時には、学内の清掃員さんや守衛さんにお礼の気持ちを綴った色紙を渡す学生もいます。

しかし、このような学生の全員が採用試験に合格するわけではありません。
不合格をした学生は、仲間の合格を喜び、人の悲しさや辛さに寄り添う優しさを深めてくれます。
私は「飛びっきりの教員になるチャンスをいただきましたね」と励まし、再度、採用試験に挑戦するエールを贈ります。

学生たちの成長に無上の喜びを感じます。
子どもたちを温かく包み込み、「いのち」を真剣に考える子を育んでくれることと大いに期待しています。 
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