こどもの日、父から息子へのメッセージを綴ります。ご一読賜れば幸いです。

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「家族を背負うとき」
(「人生のそのときに心に刻む10のこと」致知出版社 より)


 家族は、本当に不思議です。
 ふと気づくと、同じ屋根の下で、笑い、喜び、けんかして、涙しながら暮らしています。人生とは、家族との歩みとも言えます。君は、夫として、父として、子として、家族を背負っていきます。大切にしてほしいこと伝えます。

 まず結婚です。
 新しい家族を育む中で、君の人生も深く豊かになる。そのスタートが結婚です。優しく、思いやりのある人と末永く一緒にいてほしい。“いい人”と結婚したら、“いい夫婦”になる努力も必要です。そのことは、君が結婚する時に、私の失敗談(ざんげ物語?)も含めて、男同士で飲みながら話そう。

 やがて、父となる日が来るだろう。
 子どもを抱くとき、守るべきものができた喜びを実感するだろうね。思いを込めて命名しなさい。その思いを、子どもにも話してあげてください。生まれてきてくれてありがとう、産んでくれてありがとう。それが家族の絆の原点になるのです。

 子育ても、いよいよ本番。
子どもは、百年時代を生きていくのです。目先のことではなく、百年先も人として大切な心根を育てることを大事にしてください。ありがとう・ごめんなさいを言う、挨拶をする、履物を揃える、時間を守る、後片付けをする…。君自身の姿として示すことが大切です。

 実は、子育てができる時期は限られています。
愛らしい笑顔の子どもも、高校生になると親離れしていく。子育てをする時、君は仕事でとても忙しい毎日だろう。だからこそ、家族との時間を意識してつくりなさい。君の人間づくりとしても。

 子を持って知る親の恩という言葉があります。
 親の思いは、子どもには伝わらないものです。親はウザイ、それが普通の子どもの気持ちです。親にしてもらったことを、自分の子どもにする。それで人生はバランスしているように思います。

 お母さんのこともお願いしておくよ。
 私は気ままに生きてしまっているので、自分の身は始末する覚悟でいます。でも、家族に少し世話になることもあるかもしれないね。自分も行く道。そう思い、君ができることをしてくれれば十分です。

 もし、君の大切な人が涙するとき、言葉はいらない。ただ寄り添ってあげてください。
 そして、君も忘れないでください。寄り添ってくれる家族がいることを。

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