「現実を受け入れて、覚悟する」
(「人生のその時に心に刻む10のこと〜父から息子へ」(致知出版社)より)
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 人生には、どうしようもない、逃げるに逃げられない、死ぬに死ねない、そんな逆境がある。私の人生の逆境は、景子を天国に送るときでした。

 今までの人生の中で、君が逆境だったと感じている出来事を振り返ってください。
 なぜ自分だけがと嘆いたり、あれが悪いと批判をしたのではないでしょうか。誰もがそうです、私も同じです。でも何万回嘆いても、現実は何一つ変わらなかったはずです。逆境の絶望にいるとき、何よりも一番に心することがあるのです。

 目の前にある現実を、まず受け入れることです。

 東日本大震災の被災地で、ある中小企業の経営者とお会いしました。
「工場や家など、一億円近くを失くしました。この街で何十年と築いてきたものが一瞬で消えてしまった。借金もある。一晩中、妻とただ泣きました。
 でももう嘆かない、そう決めました。私には家族もいる、仲間もいる。あるものを生かして必ず商売をはじます。今がどん底、もう失うものはありませんから」と、穏やかに笑顔で話されたのです。
 生きんがための心底からの覚悟を感じました。

 現実を受け入れるとは、「覚悟する」ことです。
 強い覚悟があってこそ、逆境に立ち向かうことができるのです。覚悟のある人は、生きる構え方が違ってきます。

 嘆かない、逃げない、自分ひとりでもやりぬく、生きる!
 その覚悟をしっかり腹にすえてください。

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