井上じろの俳句的

1997年松山で夏井いつきと出会い作句開始。以後いろんな方々と交流。2012年1月第一句集「東京松山」を松山市のマルコボ.コムから発行。このブログでは俳句に限らず時々の感想を。

たんぽぽが一つ咲いたと思ったら次の日にはたちまち五六個の花に増えていたのが、一週間ほど前のこと。いずれも茎の短いたんぽぽだった。本日の発見は、それが絮毛になるときには、茎がぐんと伸びるということ。おそらく風を受けやすくして遠くに飛ぶためだと思う。けなげな努力があるのだなと。
 
   たんぽぽや日はいつまでも大空に   中村汀女
   蒲公英や三番打者は女の子      山田佳乃
   たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり  加藤楸邨

一週間前
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いま
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上州の温泉から帰ってきたら、誕生日に桜満開となった。誕生日をうれしいと思う人ではないが、珍しいなと思っている。今年も桜を迎える心構えができていないうちに、咲いてしまった。近くの川沿いを歩くと、人はまだ多くないが、少人数の家庭的お花見が多い。これからだ。湯疲れでけだるいが、暖かいし、とろりんと桜の日々を過ごしたい。
 
   さまざまの事おもひ出す桜かな     芭蕉
   身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな    黒田杏子
   鳩の目に金のまじれる桜かな      夏井いつき
   源流は白き闇なる落花かな       井上じろ

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寒くて寒くて、雪が凍り付いてしまった道も残る東京の景を見飽きたので、お日様の暖かそうな湘南大磯に出かけました。鴫立庵から島崎藤村終焉の家、輝きの海を見て旧吉田茂邸へ。雪の富士がどんと前に見えました。梅が本当に一輪咲いていました。どこもかも期待通りお日様一杯でした。
 
    冬の梅あたり払つて咲きにけり    一茶
    早梅に歩みよりゆく影法師      星野立子
 
かがやく海
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旧吉田邸からの富士
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梅一輪
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