井上じろの俳句的

1997年松山で夏井いつきと出会い作句開始。以後いろんな方々と交流。2012年1月第一句集「東京松山」を松山市のマルコボ.コムから発行。このブログでは俳句に限らず時々の感想を。

2016年01月

一昨日、夜は雪かという寒い日は吟行で明治神宮へ。思いのほかの大収穫は山雀という鳥を覚えたこと。俳句を始める前は、その辺りにいる鳥は、大きければ鴉、小さければ、雀、真ん中は鳩と思っていたくらいで、その他の鳥がいるということに思いが及ばなかったくらい。俳句を始めてからも、鳥は遠くにいて小さくて動くので、なかなかしっかり見ることが出来ず覚えられなかった。今回はメンバーにほぼプロがいたので、いろいろ教わったが、こんなに色鮮やかな小さな鳥が山雀といい、手を出していると手にとまってくれたので、感激してしまった次第。いい鳥です。ただし夏の季語です。新日本大歳時記 講談社 には「利口な鳥なので芸をしこむとよく覚える。」とあります。 

山雀の高音に成るも別れかな  去来  

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昨日、一昨日とつれづれなるままの武蔵野探訪。井の頭池は、水を抜いて掻い掘り中。池の底に川があり、これが神田川の源。白鷺が寒々と、しかし冬晴の日を浴びて真っ白に歩いていた。
玉川上水は、武蔵境を北上したところへ見に行く。雪がいっぱい残っていて、思うように歩けなくて残念だったが、武蔵野らしくて満足。ちなみに句は全然できませんでした。

  むさしのの空真青なる落葉かな    水原秋桜子
武蔵野はもの枯れ冬に入るひかり   加藤楸邨
武蔵野のふるき並木の種物屋     篠田悌二郎
武蔵野に武蔵野残る桜桃忌         井上じろ (句集「東京松山」所収) 

井の頭池 
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玉川上水   
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10日、今年の初句会は埼玉県小川町の紙漉き体験吟行句会。小川町は和紙と酒造りの町だったそうで、早めに着いてぶらぶらすると、昔旦那衆がいっぱいいて力があったんだろうななどと思った。理由は割烹旅館の存在です。
さて紙漉きだが、この季語の感じは良くわかりましたというのが収穫。初めて見ると紙漉きの波が大変印象的なのだが、経験者からは「紙漉きと波の」の句はごまんとあるそうで、それを止めて詠むのはなかなか難しいところでありました。

   漉き紙のほの暗き水かさねたり     矢島渚男
  漉く紙のまだ紙でなく水でなく     正木ゆう子 

写真は、全く関係のない小川町の自転車屋さん
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正月二日は、例年のことながら、神田明神そばの天野屋の甘酒が無性に飲みたくなり出かける。立ち飲み350円。参拝は混んでてとてもとてもなので別途にして、道路の反対から一礼するが、今年は同様の位置から写真を撮ったり礼をする人が結構増えていて、ここでもここ数年、この場所を例にしている自分に先見の明があったかと心ひそかに胸を張る。御茶ノ水反対側の坂を下り、元鉄道博物館がこじゃれたモールになっているacute march のテラスで神田川をしばし見て、時代劇小説の舞台によくなる柳原土手のあと近辺をあるく。

  正月の二日は遊ぶはじめかな    信徳
 初空のなんにもなくて美しき    今井杏太郎

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