2009年11月21日

「麻雀破壊神・傀」に見る、リストラ主人公の下克上劇

漫画にはいろんなかたちの「主人公」が居ます。圧倒的な人気で作品を引っ張るタイプの主人公も居れば、脇役に食われて影の薄くなってしまう主人公も居ます。

また、主人公という立場はそのままでも、強すぎたり人気が無かったりして扱いづらくなり、主要キャラとあまり絡まずに地方に飛ばされてしまう主人公なんてのも居たりします。少年漫画とかでもありますよね。「主人公が出てくるとつまらない漫画」ってのがw

 
(画像は、脇役に食われてしまったTさんと、地方に飛ばされてしまったOさん)

主人公のあり方というのも難しいもので、中には「第1話では主人公だったけど、気が付いたらラスボスになってた」なんてキャラクターも居ます。
 
(左は「ノーマーク爆牌党」第1話、右は最終話より。)


そんな風に漫画には様々なタイプの主人公がいますが、珍しいのは、「一度は主人公をクビになったけど、主要キャラとして復活した」というもの。それが、「むこうぶち」の水原祐太です。


開始当初の立ち位置は明らかに主人公で、高レート雀荘に巣食う麻雀破壊神・傀に魅了されていくという設定のはずでした。しかし、第4話から突然状況は変わります。水原祐太を主人公とした物語から、人鬼・傀を物語の中心におき、その周りの人物の視点で「敗者」を描く構成に変わるのです。

私はこの当時はまだ近代麻雀を読んでいなかったため定かではないのですが、一説によると原作者の変更があったそうです。当初は故・安藤満でもましてやケネス徳田でもなく、別な人が原作を担当していたとかなんとか。なにやら問題があって安藤満プロに原作者が変更になった際に、高レート雀荘の圧倒的強者・傀と、その周りの敗者を描く方式に変更したという噂話を聞いた事があります。(※ただし、ソースは福地誠) そして、それによって一気に人気が出たとか。

なんにせよ、この騒動で煽りを食らったのは、本来は主人公のはずだった水原祐太です。第4話以降パタリと姿が消え、あらゆる読者から存在を忘れられることになります。こうして早々と主人公を首になっただけならたまにある話なのですが、水原祐太はここから根性を見せます。その鍵になったのは、安永萬プロを慕う後輩として準レギュラーになった多河巧典です。傀をはじめ裏世界の麻雀に入り込み始めた多河に対して、安永がこんな言葉を掛けたのです。

「ずっと前に同じ事をいって裏で行方不明になった若いのがいたんだョ」

このセリフが出たのは、破滅したと思われていた初期キャラ・江崎さんがワイルドになって再登場した回でした。江崎さんが流れを見極めたり得意の「速攻チィ!」などで、傀に匹敵するほどの実力を見せ付けたこともあり、水原祐太のよもやの復活を期待してむこうぶちファンは大いに盛り上がりました。そして、その少し後に、本当に水原祐太が再登場します。単にフェードアウトしてしまっただけのキャラかと思いきや、それ自体をも布石として再利用しようとは!登場しなくなってから約5年も掛けた復活劇に、むこうぶちファンは歓喜したものです。

そして、ここでは傀には及ばずとも安永以上の腕を見せ、「傀が名前を聞く」という演出により、作中最強の存在である傀のライバルとして設定されたのです。


その後、ライバルとなる条二とともに旅打ちに出て、かつて傀と闘ったことのある者達との勝負により成長をしました。前々号の近代麻雀では、「折り返し点」というサブタイトルの話があり、祐太は傀の所へ再び向かうことになりそうです。この先に祐太をを待ち受けているのはどんな運命なのだろうか。そして、第1話冒頭の「赤坂の街で昔を懐かしむ男」という布石は活きてくるのだろうか…。
某友人曰く「近代麻雀の笑ゥせぇるすまん」などと的を射た表現をしていましたが、水戸黄門的にいつまでも続いて欲しい反面、物語としての終着点を見たいという思いもあるので難しいところです。

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こんなリストラ主人公・水原祐太の活躍が収められている廉価版コミックス「麻雀破壊神・傀」、好評発売中、だと思います!(まだ竹書房から届いていないし、コンビニで売ってる所も見かけていないw)




いのけん at 00:00│Comments(11)はてなブックマーク - 「麻雀破壊神・傀」に見る、リストラ主人公の下克上劇このエントリーをはてなブックマークに追加twitterでつぶやく麻雀漫画(その他) 

この記事へのコメント

1. Posted by スズメ   2009年11月20日 23:40
さすが発売日が休日でも繰り上げしない竹書房、流通経路にぬかりありですね。
私はローソンで買いました。
2. Posted by スペシャルフリーク   2009年11月21日 00:25
最初の原作者は前原さんと聞いたことがあるような

懐かしむ男はカイを追いかけてる記者

っていのけんさん書いてなかった?
3. Posted by konozma   2009年11月21日 01:26
天の主人公はひろゆきだと思ってました。
4. Posted by 表裏裏   2009年11月21日 14:24
Oさんって別の出版社じゃないですかw

とりあえずローソンには売ってました。他ではまだ見てないですね・・・
5. Posted by あ   2009年11月21日 17:16
むこうぶちってタイトルだから、最初から裕太はどう考えても主人公じゃないでしょ。
6. Posted by 鐘   2009年11月22日 03:37
そういやOさんが主人公だったっけw
7. Posted by ひがしかん   2009年11月22日 06:47
オレもローソン組です。

ただ「麻雀破壊神・傀」というタイトルは相当アレだと思います。
「むこうぶち」って原題に全ての意味が込められているのになぁ。
8. Posted by     2009年11月22日 20:16
爆岡の画像を見るだけで泣けてきます。
最初はあんな軽いキャラだったのに、
後半のストイックに麻雀を打つ姿はまさにラスボスです。
9. Posted by あ   2009年11月23日 20:13
ところで、劉大人とワイルドになった江崎サンはいつになったら復帰するんでしょうね?
10. Posted by お見せしよう、王者のコメントを!   2017年03月03日 12:49
現在アマゾンでは傀対祐太の試合漫画はありません!御無礼
11. Posted by 復帰組   2017年05月27日 20:53
裕太が復帰し、江崎さんも復帰した今、モツのバラ売りから復帰した金子さんが待ち望まれますね・・・
米屋のオッサンも実は偽装自殺だったってことでカイさんに復讐に・・・は無いかw

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