2010年01月20日

「真理の扉」を開いた漫画家たち

漫画家というのは因果な商売です。ひたすら「正統派」の漫画で読者に感動を与え続けられるのはほんの一握り。その他の多くの漫画家は、生き残るために「オンリーワン」を身に付ける事を余儀なくされます。もちろん必ずというわけではないですが、ベテラン漫画家の多くは自然と「他人には真似できない独特の持ち味」を身に付けているのではないでしょうか。

今まで、そのような独特な持ち味が行く所まで行っていることを「突き抜けた」「もはやギャグ漫画」などのように表現されていたと思うのですが、こういう
独特の世界観から突き抜けて面白みを感じるようになることを「真理の扉を開いた」と表現し、その境地に至った漫画家を「人柱候補」と呼ぼうという話をしてみます。


※元ネタはご存知「鋼の錬金術師」。

真理の扉を開いた人柱候補の代表者として、本宮ひろ志、三田紀房、雁屋哲・花咲アキラ、天王寺大・郷力也、土山しげる、水島新司、板垣圭介、村生ミオなどが挙げられます。(敬称略)

「扉を開いた」様子。

「SとM」はあくまで「エロティックサスペンス」です!「ギャグ漫画」ではありません。


扉を開いたかどうかは主観的なものもあるので外から見て分かりづらい部分もあります。例えば漫☆画太郎は…、あの人は開いたとか開いてないとかではなく、むしろ天然で扉が開きっぱなしで、常にいろいろヤバイものが見えている気もしますw 漫画界のホムンクルス。

長きに渡る漫画家生活によって苦労やら努力やら工夫やらを重ねて「自分の漫画の特徴」を作り上げていく漫画家が多い中、まだ30代の若さで最年少人柱候補になった漫画家も居ます。それが許斐剛。「テニスの王子様」にて完全に真理の扉を開いたこと、そしてその扉を開いていく様子が日本一売れている少年ジャンプ誌上で起こったことから、みなさんの記憶にも新しいのではないでしょうか。いちおう「テニス漫画」としての体裁を保ちながらも常識外れの戦いを繰り広げて読者を驚かせていく様、あれが「真理の扉を開く」行為なのです。お分かりになったでしょうか。


これまた完全に「扉が開いて」います。
でも、テニプリはギャグ漫画だと言われることはあっても、体裁はあくまで「テニス漫画」ですよね!


麻雀漫画の世界で最も有名な人柱候補はやはり福本伸行でしょう。「銀と金」「天」「カイジ」などなど主にアツい勝負モノを描く漫画家として大ブレイクしましたが、そのあまりに特徴的な絵にみんな戸惑いました。しかし、そんな独特の画風すらも「持ち味」としてしまい、読者を勝負の世界に引き込んでいきました。
そして「アカギ」では、アカギと鷲巣様の勝負を描いているはずだったのに、今では「日本一可愛い75歳」こと鷲巣巌様の一挙手一投足を見てニヤニヤする漫画と化しています。もちろん、いちおう闘牌は継続中なので麻雀漫画としての体裁は保ちながら。
○参考記事
近代麻雀漫画生活:アカギは癒し系漫画である



そして、長年漫画家としてくすぶり続けていながらも、近年になって急に扉を開いた漫画家も居ます。それが原恵一郎。もとより「狂気」を描くのには定評があったのですが、「ワシズ-閻魔の闘牌-」でその狂気を面白みに結びつける方法を完全にマスターし、新しい人柱候補として名乗りを上げました。

○参考記事
【ワシズ -閻魔の闘牌-】第10話 ワシズ様、宙を舞うの巻
【ワシズ -閻魔の闘牌-】第13話 ワシズ様、誘拐されるの巻
【ワシズ -閻魔の闘牌-】第16話 ワシズ様の大砲、すごく…大きいです…
【ワシズ -閻魔の闘牌-】第19話 ワシズ様、竜宮城へ行く!?の巻


いったい彼らが通行料として支払った代償はどのようなものなのでしょう…。人柱候補には多くの固定ファンが付きます。その独特の世界観から繰り広げられる面白みには中毒性があり、その漫画家の作品を追わずには居られなくなるのです。もしかしたら、この現実世界では通行料を払っているのは人柱候補自身ではなく、彼らに魅了された信者である我々の「人生の一部」なのかもしれませんね。と、最後になんか上手いことを言ってこの話を締めるとしましょう。


【Special Thanks】
soorceさんトルドさん閣下さんイタバシさん、冬コミ1日目後のオフ会でこの話を聞いていただきありがとうございます。



いのけん at 00:00│Comments(4)はてなブックマーク - 「真理の扉」を開いた漫画家たちこのエントリーをはてなブックマークに追加twitterでつぶやく漫画 

この記事へのコメント

1. Posted by スペシャルフリーク   2010年01月19日 23:16
島本和彦先生も開いてると思います

「そんな…バカな」
「あ…あだち充!!」
「あいつ…野球漫画の描き片が…全然わかってないんだ…!」
(あだち先生は同誌で連載中です)
2. Posted by いのけん   2010年01月20日 01:22
あー、たしかに開いてる開いてるw
3. Posted by skebeningen   2010年01月20日 01:26
この「真理の扉」というネーミングは面白いですね……! 仰るとおり、作中で「ギャグとして演出されていないのに、そのパワーゆえギャグマンガに見えるほど突き抜けている」というのを差す言葉として。

これと混同しがちなのが「稚拙ゆえにつっこまれて笑われる」ことなんですよね(もしかしたら、両者の境目は限りなく低いのかもしれない)。例えば少年ジャンプの「斬」もまじめにやっているのに笑われた一例ですが、それはパワーよりは稚拙さが生むおかしさに見えます。
逆にテニプリなんかはいまでもギャグマンガだといわれるとき、「あまりに稚拙だから」という意味で形容されることも。

>スペシャルフリークさん
このエントリで例にだされた漫画と、島本和彦作品ではかなり違うという印象。島本作品はあくまで意図的にギャグを標榜しているでしょう。もっというなら、冷静な視点が常に存在する(読者にわかる)。
4. Posted by スペシャルフリーク   2010年01月20日 08:33
多重コメ失礼します

>skebeningenさん

言われて見ればそうですね
島本先生でいうと「逆境描いたアンタが言うな!」
的なツッコミをさせる計算しているし
いのけんさんの挙げた中に大和田先生がいないのも、そうゆうことか……

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