2012年08月19日

麻雀劇画の到達点「よんぶんのさん」がついに復刊!

麻雀劇画ファンの間でずっと揺るぎない名作とされていた「よんぶんのさん」ほんまりうが、「麻雀超戦術3/4 よんぶんのさん」としてコンビニ版コミックス上下巻でついに復刊されました。

麻雀超戦術3/4 上 (バンブー・コミックス)
ほんま りう
竹書房 (2012-08-07)
麻雀超戦術3/4 下 (バンブー・コミックス)
ほんま りう
竹書房 (2012-08-07)

私も読んだのは昨年と最近のことなんですけどね。すでに絶版な上にほんまりう作品は古本屋にあまり置いてないので、四方田さんにお借りして読みました。麻雀劇画好きには「よんぶんのさん」と「あぶれもん」「勝負師の条件」あたりを読めば80年代以前の麻雀劇画はもう読まなくていいと言われるほどで、実際それほどの「今読んでも充分に面白い」作品でした。


主人公は明都大学応援部員1年の堀場要。特技はセミの形態模写。


嘘です。これ、応援団の先輩によるイジメ(シゴキ)です。いやー、本物の応援団(80年代)がここまで酷いかどうかは知りませんが、少なくともこんなことやらされるようなイメージはありますよね。私、体育会系って苦手です。そして、この応援団を抜けるための麻雀勝負から物語は始まります。

その後、堀場は魚地や鎌田(クイ鎌)などに教えを請い、様々な出会いと勝負を経て、「牌温読み」を操る京都の竹松梅松兄弟との勝負へと進んでいきます。



この勝負の珍しいところは、「一日半荘3回」ってことでさらに何日も間を空けて打っているため、一気に勝敗が決まらずに同じ面子で何度も何度も闘っていくことです。そして、その長丁場の闘いで徐々に堀場も成長していきます。中でも、堀場がその闘いで試して身に付けていくのが「王牌打ち」



このへんの理論は一口で説明しずらいので実際に読んでもらうとして、ハッキリ言ってしまえば「オカルト」にも程があるって内容なのですが、この作品のように「麻雀には流れがある」という世界観での闘牌としてすこぶるレベルが高く、そして読んでいて面白いです。

「牌温読み」との決着後、最終対決は堀場と魚地の勝負になるのですが、物語を締めくくるのは主人公・堀場ではなく、彼の友人である「マンケン」の視点からとなります。


途中から「堀場が対局中にぶつぶつ呟いていた」という情報があるのですが、何と呟いていたかが明かされるのは最後の最後。そして、その言葉が、かつてマンケンが堀場に語った言葉「よんぶんのさん」だったのです。堀場は「王牌打ち」という常人には真似できないオンリーワンの打ち筋を引っさげて麻雀界を制しました。そんな「よんぶんのさん」の苦しさを乗り越えて「よんぶんのよん」へと至った堀場でも、ずっと心の中には「よんぶんのさん」という言葉を持っていたのです。「よんぶんのさん」側の人間であるマンケンから「よんぶんのよん」へと至った堀場を思う、という視点で物語を締める演出があまりに美しく、名作と言われ続けているのも納得の素晴らしい締めでした。

発売してから10日くらい経っちゃってますが、今ならまだコンビニにあるはず! これを読まずして麻雀劇画は語れない!! でも、今連載中の「麻雀劇画」って天牌くらいだから、麻雀劇画を語る機会ってそうそう無いぞ!(ぉ

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関係あるような無いような話ですが、今年の6月に米沢嘉博記念図書館|『孤独のグルメ』谷口ジロー原画展に行ってきました。

その時に、米沢図書館で谷口ジロー先生の名作「神々の山嶺」を読んだのですが、その話の締めくくり方に「よんぶんのさん」と似たものを感じました。「神々の山嶺」もまた、いわゆる「よんぶんのさん」を越えられなかった一般人の側から、その向こう側の超一流へと至った男を見た物語だったのですよ。「神々の山嶺」もまた、読まずに人生を終えるなんてもったいなさすぎるくらいの超名作ですので、合わせてオススメしておきます。

神々の山嶺 全5巻セット (集英社文庫―コミック版)
谷口 ジロー 夢枕 獏
集英社
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この記事へのコメント

1. Posted by 名無し   2012年08月18日 21:02
おー、やっと取り上げられた

でも最後の堀場の念仏、ネタ明かさない方がいいとおもうんだか
2. Posted by 名無しさん   2012年08月19日 05:09
某所に以下の文を書いたんだけど全く反応なくて、この名作、もう読んだ人はほとんどいないんだぁ と悲しくなっていたところ、やっぱり取り上げてくれましたね!

8月にコンビニコミックで発売されたほんまりうの「麻雀超戦術3/4 よんぶんのさん」(麻雀激闘録3/4よんぶんのさん)いま読んでも名作
スジ対子理論の元となったツモ牌相理論、完全に理牌をする相手にどのブロックがどの牌種かを読み、上下の図柄が違う牌などから入り目を推理する
(触らずの14牌の発展系)某アニメでモチーフされた牌温読みなどなど。麻雀漫画ではどこかで見たような描写がたくさんありますが、この本は1986年ころの連載でこっちが元ネタです
麻雀の描写だけでなく、主人公の成長と前半の話から後半の話までがうまく関連して物語の筋もしっかり。でてくる博打打ちに関わる女性がベタだけどいい味だしている。
宣伝と思われてもいいよ。マジで面白いから。
3. Posted by 名無し   2012年11月18日 13:52
高校生の時、リアルタイムで読みました
この理論をものにしようと頑張ったものです。
出来ませんでしたけど(笑

これが復刊したなら、あぶれもんとかも出ますかね?

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