アーカイブ

2014年05月

アート見て歩き〜山邊桜子 展〜

カテゴリ:
自転車で機動力を増したので、今日は東山三条界隈から北上してgallerynearまで足を伸ばしました。

生憎途中で空腹に耐えかねてラーメンを食べたので、前回とても気に入ったここのベーグルセットは食べられませんでしたが。笑

山邊さんの作品は3面に及ぶ大作と、四十七都道府県の形を使ったものがそれぞれ展示。

画面に漲る力強さは、油彩の厚塗りが理由ではなく、作家の色彩への飽くなき探求心から来ているのかも知れません。

都道府県の形を取りながら、天地を逆さまにしたり、境界線を激しいストロークで消してしまったり、その意図するところはギャラリーの説明に詳しいので譲りますが、私は壁に所狭しと並べられたこの労作のひとつひとつに、本能的確とでも言いたくなるような執念を感じました。

3面の大作と向き合っても、印象は同じでした。もっともこちらはより自由で、偶発的な爆発に満ちたスリリングなものでしたが。。

絵画にとって色彩は様々な意味を持つと思いますし、それを重視する作家には、いわゆるキーカラーが多かれ少なかれあるでしょう。

でも今回の山邊さんの作品からはそれが感じられませんでした。

沸騰している色彩へのこだわり。そこに何らかの方向性が見えて来るのは、色彩そのものへのこだわりが強ければ強いほど用意ではなく、また鑑賞者の理解の域へと近づくのは難しいかもしれません。

ただそれだけに、山邊さんが自分の描く土俵を見出した時には、全く新しい、面白いものが生まれる可能性があると思いました。

絵画における新しい制作理論、あるいは哲学は、実に思いがけず、試行錯誤の末に、まるで宇宙量子論のトンネル効果のように、ポッカリと生まれるものですから。

2014-05-23-20-56-22

http://blow-works.com/gallery/press/140523_0604.html


アート見て歩き〜河崎ひろみ展〜

カテゴリ:
今日はgallery morningで河崎ひろみ個展〜あらゆるものと 小さなひとつのために〜を見てきました。油彩と版画の小品が展示されています。

油彩は全体に明るく透明感のあるイエローが支配していて、風景なのでしょう、ほとんど抽象化されています。画面は遠景と近景が融合しているようで、広がりと奥行きが感じられます。
また、観者にあれは何かしら?この水色は川かな?など、想像させる楽しさがありました。

大画面も小品も、デッサンをあまり感じさせないのに、とりとめなくなってしまわず、少ない色の組み合わせでシンプルに全体のバランスを整えています。
油彩にしては薄塗りであることも合間って、明るく抜け切った色彩が大変心地よく感じられる作品です。

対して版画は作家の巧みな線の妙味を味わえます。油彩と対比して観られるのはとても興味深く、良いアイデアと思いました。


2014-05-23-20-37-24
gallerymorning ホームページから転載。河崎ひろみさんの透明なイエロー。

アート見て歩き〜勇内真美展〜

カテゴリ:
今日はまずkunstarztで勇内真美 個展〜MEMORIES-1990〜を見てきました。

展示はリトグラフと、それを立体に造作したオブジェ、それにそれらの作品世界を反映した短編の映像です。

「時」をテーマとした本展では、それを象徴する存在としての塔、風車、機関車などが表現されていて、それらが連鎖しつつ、独自の世界を展開しています。

作品はほとんどがモノクロで、中世を思い起こさせる古びた佇まい。そのスタイルがまた悠久の時を、そして同時に人間の存在の孤独さを感じさせます。

また、ポリマー凹版による版画は、通常のリトグラフよりも透明感と奥行きのある独自の仕上がりで、これはとても魅力的だし、勇内さんの世界感に合っているようでした。

個を超越した時の存在は、容赦なく我々を呑み込んで行きます。勇内さんの作品は、シュールでありながら、同時にメルヘン的なイメージで、そんな儚い存在である私たちの、侵すべからざる魂の聖域を表しているようでした。

2014-05-23-12-58-52
ユニークな塔のモデルはピサの斜塔とのこと。

2014-05-23-12-59-17
塔の原紙となるリトグラフ

2014-05-23-13-02-24
ポリマー凹版による美しい作品。

2014-05-23-13-00-29
原子炉と思しきものも見える。

アート見て歩き〜山本 茂 展〜

カテゴリ:
Art Spot Korinでは、山本 茂の写真展を見て来ました。

山本さんは2011、12と木津川アートに参加していて、今年も参加される予定です。

1Fは全てモノクロの小品。いずれもダンボールの額縁に収められているのは、通販の箱からインスピレーションを得ているそうで、届いた商品を開ける時のワクワク感になぞらえられているのだとか。

写真は一見すると宇宙か何処かの不思議な世界。光が弧を描き、炸裂し、中には得体の知れない生命体のように見えるものもあります。

が、実はこれらの正体は、誰もが知っているビルや美術館、お寺などの写真を、部分的に切り取って見せているもの。

普段は当たり前だと思っていたものが、写真に捉えることによって、全く新しい表情でこちらに訴えかけてくる面白さ。
そんな発見を探して、見つける喜びが伝わってくるようでした。

2Fには、これらとはまた違った、花に近接して捉えたカラーの写真がありましたが、とても美しかったです。モノクロとカラーの対比という点でも、鮮やかで効果的な展示でした。
2014-05-16-16-44-50
2014-05-16-16-43-50
2014-05-16-16-43-13
2014-05-16-16-43-23

アート見て歩き〜児玉画廊〜

カテゴリ:
今日はさらに十条河原町の児玉画廊へ。

1Fは貴志真生也のインスタレーション。2Fは高谷史郎の写真&映像作品でした。

「調節方法 (1)見つけるためのダウジング (2)保持するための雪吊 (3)処理するための活け締め」と題された貴志さんのインスタレーションは、素材も作品も、極力表現を抑制し、見るものの想像力を誘発せて行くようなものです。

ただ、その作品のありようが、自らの美意識を封印することに専念している、またはこちらの想像力をも抑制させてしまうようなストイックな佇まいをなしているので、自然とアーチストと鑑賞者の間にピンと張り詰めた緊張感が生まれて来るようでした。

大きな木製の吊り上げ機械、箱は、何のためにあるのか見当さえつかず、極限まで単純化された壁の絵は頓知絵のよう。。

まるで知の迷路を歩かされているような、または謎めいた記号で書かれた詩を読んでいるような、そんな緊迫したひと時で、こちらとしては脳みそが一汗かいたような気分でした。笑

2階の高谷さんは京都文化博物館別館で見た「火星 - 未知なる地表」のインスタレーションを担当した方です。

展示は昨年の東京都写真美術館での個展「明るい部屋」に展示したものだそうです。

空間の遠近感、視点を狂わせて不思議な世界を醸し出すモノクロの室内写真や、打ち寄せる波が、その風景の一部から徐々に停止して行ってしまうというビデオ作品が印象的でした。

写真・映像ならではのトリッキーな手法で、空間や時間に対するこちらの曖昧で怠惰な固定観念を揺さぶってきます。

お二人の作品については、ギャラリーの丁寧な解説があるので、そちらを読んで実物に触れると楽しいと思います。
www.kodamagallery.com/index_jpn.html

2014-05-16-20-18-27
2014-05-16-20-18-41
児玉画廊のDMから。上が貴志真生也。下が高谷史郎。







このページのトップヘ

見出し画像
×