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2015年01月

アート見て歩き〜松尾勇祐展『箱庭ラプソディ』〜

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今回の<アート見て歩き>は、Gallery Morningさんで開催中の松尾勇祐展です。

タイトルの『箱庭ラプソディ』は、心理療法の「箱庭療法」から来ています。これは与えられた箱の中に好きなおもちゃを入れてゆくことで、総合失調症などの病を癒すというものだそうです。いわゆるセラピーのひとつですね。

アーチストのステートメントにも、
「頭の中のイメージを自由につなげて出来上がった作品。そして、それを自由に並べていく。」というくだりがありますが、松尾さんの彫刻に向き合うスタンスを表しているのでしょうか。

また、同じくステートメントにある「人の世界はほとんどがクレアトゥーラで、それでも実在のかたちとして実現させる…」は、松尾さんが作品によって何を表現したいのかが言われています。

クレアトゥーラは心理用語ですが、精神的なものが世界に反映されたもの、とでも言えば良いのでしょうか?物質的なもの、予め与えられた秩序のようなものだけではなく、人の精神によってこの頃世界は作られているという、その顕在化した状態を表すものでしょうか。

今回の展示は、二つの部屋に分かれていますが、手前のメインルームがここ1年ほどの作品ということで、高さ50センチほどの男女の頭部、胸像、上半身など十数点の木彫が展れていました。

これらの木彫はどれも、適度にシャープで的確な写実をベースに、一部が鳥や魚などの形に、あるいは抽象的な形態へと、大胆にデフォルメされています。

けれど全体に動作は抑制され、表情は慎ましやかで、何かを沈思黙考しているような静けさがあります。とても品のある、美しい彫刻群です。
それは何となく憂いを帯びますが、なんとも潤いのある憂いです。

ミケランジェロは「石に閉じ込められた形を解放しているのだ」と言ったとか…。松尾さんの彫刻からはそんな力技のようなものは全く感じず、もともとそこに自然に佇んでいるような柔らかさがあります。

着色がまたデリケートで美しいです。彫塑といえばザクザクと荒々しいものや逆にツルツルに磨き上げられたものもありますが、松尾さんのはむしろ彫刻らしくないな、と感じてしまうほど自然な彫塑です。それゆえその色彩の美しさを素直に感じられるのかもしれません。

実は私はあまり彫刻というジャンルに関心が高くはないのですが、しっとりとした情感を漂わせ、絵画的なニュアンスにも富んだ松尾さんの作品からは、ジャンルによって仕切られることのない自由な風が吹いてくるような、そんな清々しさを感じることができました。

奥の部屋にはこれらより少し前の作品も展示されています。主に動物をモチーフにした、エキゾチックで豪奢な作品たちで、こちらも力強くなかなか魅力的です。

松尾さんの個展は今週日曜日までです。


http://gallerymorningkyoto.com/2015exhibition/matsuoyusuke2014.html


アート見て歩き〜Serendipity〜

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アート見て歩き〜Serendipity〜

今日は旧立誠小学校で開催されているグループ展、「Serendipity -若い視点の連立-」を鑑賞して来ました。
総勢11名の若いアーチストの新鮮な絵画、映像、インスタレーションを楽しめました。会場の雰囲気も面白く、まだ行かれてない方にはオススメいたします。

東遼太さんの映像作品。生命、失われるものへの哀悼と容赦のない自然の営みがクロスする。

加藤沙知さんの作品。艶やかではあるがどこか幽霊的な雰囲気のするコスチューム。

宮城幸佑さんの大作絵画。人間性の危機、逃れようのない滅亡への予感漲る。

青木亜樹さん。今にも崩壊しそうな、見るものを緊張させる出来栄え。

斉藤華奈子さんのインスタレーション。現実の捉えようのない不気味さと何かの相関関係を見出そうとする試み。

吉田紳平さんの肖像画。抑制された表情が却って人物の性格を彷彿とさせる。

上田純さんの作品。時間が止まったような部屋で起きている不思議な現象。

青木佑緯さんのインスタレーション。階段を上手く活用している。楽しいデコルテ。

アイヴァン・リーさんの写真。日常の景色に潜む美しさを直感的に捉えている。

小中知里さんのイラスト。なんとも言えない脱力感に、オシャレさを感じる。

福森茜さんのインスタレーション。残念ながら写真を撮り忘れてしまいましたが、白い紙にペンで細かく描かれた模様と、その余白が空間にまで派生するという感じの、広がりのある空間掌握。
















新年明けましておめでとうございます

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新年あけましておめでとうございます。
明日から今年の第一弾常設展がスタートです。

2月に個展を行う宮崎敦の貴重なキャンバス新作。昨年10月にいのくま亭初の個展を行った半井麻里(まりもったん)の新作「金閣寺」。田中加織の30号大作など、見どころが満載です。

会期は1月9日(金)〜25(日)*18日(日)、22日(木)は休業。開廊時間は13:00〜18:00です。

http://galleryinokumatei.flips.jp

<作家紹介>
宮崎敦

宮崎敦はスーパーやドラッグストアで使われる販促物をモチーフに、ユニークな絵画空間を創出します。一見騒々しく混沌とした画面の中に、闊達でポップな独特の美しさが光ります。2月にはいのくま亭で大作を中心とした個展を開催します。

水野悠衣
水野悠衣は日本画材である水干絵具を使用して、細かいドットによる作品を制作します。対象を極限まで抽象化した結果、現れるものは何なのか? 見る人の想像を喚起します。
3月に個展が予定されています。


田中加織
田中加織は印象的なカラフルな色彩で、日本庭園や富士山をモチーフにした作品を描きます。伝統的な美に素材を求めながら、その作品は未来的な世界を現出させています。5月に個展を予定しています。


山原晶子
山原晶子は印象的な繊細な色彩で、浮遊感のある、大胆かつデリケートな絵画世界を展開しています。布やフェルトを駆使し、クラフトマンシップに溢れるその絵は、具象と抽象が重なり合い、広いパースペクティブを獲得しています。昨年11月の個展も大変好評でした。


半井麻里(まりもったん)
半井麻里(まりもったん)は、ユニークな銅版画を制作している東京在住の作家です。都会の人々をシニカルかつユーモアに表現する傍ら、京都の美しいモニュメントに不思議な世界観を導入しています。

今年前半の企画展の予定は以下のようになっています。
2月 宮崎敦 個展
3月 水野悠衣 個展
4月 常設展(田中加織、井上裕葵、半井麻里、山原晶子、宮崎敦)
5月 田中加織 個展
6月 未定



嵐山、嵯峨野、天龍寺

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元旦に雪が積もった今日、嵐山へ散歩に出かけました。いつもよりは少ないものの賑わっていましたが、雪化粧した清澄な景色が気持ちよかったです。おかげで新たな気持ちで新年を迎えることができました。

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