「日本国憲法」無効論  小山常実著  草思社   1995円


日本国憲法の誕生-1/政府草案/松本乙案
日本国憲法の誕生-2/松本乙案≒民間草案
日本国憲法の誕生-3/GHQ案押付プロセス
日本国憲法の誕生-4/ポツダム宣言違反
日本国憲法の誕生-5/GHQ統制帝国議会

日本国憲法の誕生-6/其ノ筋ノ意向「国民主権」
日本国憲法の誕生-7/皇室自治・職能代表制
日本国憲法の誕生-8/第9条修正ドタバタ劇
日本国憲法の誕生-9/占領軍制定無効憲法



 
成立過程のどの部分をみても日本側の自由意思はなかった。
議会でさえもなかった。


 

【渡部氏】こんにちは。はじめてお目にかかります。えーと小山先生はですね、2、3年まえですかね、この「日本国憲法」無効論という大変評判になる本をお出しになりました。

まあ、「日本国憲法」がですね、これは日本が主権がない時代、占領軍によって創られたといっていいようなものですから、どちらかと言えば主権のない時代の法律ですから憲法としては無効ではないのかという意見はこのごろ相当浸透してきたと思うんです。

それをもっとキッチリ述べられて、そのうえにその無効の後で何が起こるかというところまで十分検討された非常に貴重な本です。
それから、先生は公民教科書、それと関係してですね。非常に危険な要素があるということも指摘されておられます。

この特に憲法無効論は非常に重要な私は文献だと思っています。まず、あのう、小山先生から憲法無効論の根拠をですね、わかりやすく述べていただきたいんですけども。

【小山氏】えっと、まあ、だいたい3点で今は捉えるようになっています。

一つは、成立過程が無茶苦茶であったってことですね。いろいろ法律論議もありますけれども法律論議以前に、まあ、どういう風に作られたのかということを事実をちゃんと捉えたいと。

【渡部氏】そうですね。うん。

【小山氏】実は事実をちゃんと捉えられていないんですよ。

【渡部氏】はい。

【小山氏】それを捉えるためには現在ですとですね。衆議院の憲法改正委員会ってのがありまして、その中に小委員会がつくられたんですね。その小委員会が基本的に「日本国憲法」の内容を決めたんですね。

その小委員会の議事録をみますとですね、日本側はすべてGHQにお伺いをたててその許しを得て案を変えているんですね。それでGHQから要求がきたら結局最後は受け入れるんです。
 




【渡部氏】ですから要するに占領軍の認可・許可・黙認・容認がなければひとつとして成立しなかったということですね。 


【小山氏】ええ。それが議会でさえもそうなんです。) 

  

【渡部氏】そうですね。

【小山氏】
ところがそのことを、みんな認めないわけなんです。 基本的には(笑)

【渡部氏】ところが当時の占領軍の方針では憲法については議論してはいけないってことだったです(笑
だから国民に議論をゆるさないで内容なんかいわんや何にもいわせないで、そんな風にして出来た憲法がどうして有効なのかね。

【小山氏】ええ、だからそのあたりは知ってるんだけども、少なくとも
戦後生まれの学者はそのところにふれないで結局議会では自由に修正したとゆうことで有効にしてるんですね(笑)
 
【渡部氏】修正したって条文がかわったのはひとつもないわけなんだからね。
あのう、私はね、今の憲法学者たちは例外は除きましてね、あまり当てにならないと思いますのがね、公職追放令でたくさんの人たちが追放されました、そのあとに入った人たちは、まあ、簡単に言えば占領軍の気にめした方という方ですから、その後をついで先生になったという人はその先生の恩恵をこうむったひと、だから、
やや露骨な言葉で言えば敗戦利得者なんですね。

【小山氏】そうですね。(笑)

【渡部氏】だから自分の利得に関わるようなことはね、触れたくないんですよ。たとえその利得が不法に(笑)入れたものであるにせよですね。

【小山氏】 憲法学者ってのは結局「日本国憲法」が有効でないとメシ喰えないわけですから(笑)

【渡部氏】そういうことなんですね。

【小山氏】だからどうしても
無効かなあと思っても、最後は否定しちゃうんですね(笑

l


【渡部氏】僕はね日本国、憲法学者のまったくしょうがないという実体験を持ってるんですよ。

【小山氏】はい。

【渡部氏】それはロッキード裁判のときにですね。検事側の証書なんかいろいろ鑑定なんかさせられて、ようするに反対尋問してないことを知ったんですよね。それでそういうことを論じましたらですね。

京都で行われた憲法学会の二次会でですね。みんなが憲法の学者たちが話しあって、「やあ、あれは渡部ってやつが言ってるのがホントなんだけども、相手が田中角栄だから黙っていようや」って申し合わせをしたというんですよ。

それを若き憲法学者に後になる人が助手として聴いてきましてね、もう憤慨に堪えなかったと私に話してくださいましたですね。だからそんな憲法学者の集まりですからね、今の憲法学を講じているひとは例外を除いてねかなり眉唾であると私は実感的に思ってますね。

【小山氏】ですから、まあ、成立過程で基本的に議会さえも自由意思をもっておらずGHQに完全に統制されていたということが一つの理由です。それがまあ、一番の理由ですね。 


【渡部氏】そうですね。主権がなかったということですね。

【小山氏】ですから全条文が無効であるということになります。それから二つ目にはですね。
あのう、前文第二段のところで「日本国憲法」の前文第二段のところで我らの安全と生存を「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれていますね。で、これが9条2項に行きまして戦力さえも放棄してしまう、ということになってるんですね。

【渡部氏】そのね、前文がね、憲法改正委員会でも前文はあまり問題にしないように思うんですよ。

【小山氏】でも、この前文が実は大変なんで。
ここんところは何かというと、一種の自然法に反する条文だと思います、条文および前文だと思います。

国家の戦力保持の権利とそれから戦争権といいますかね、それから戦力保持の権利と義務があるわけです。戦力を持ってなければ治安維持さえもできなくて無茶苦茶な状態になってそこに混乱が生じてですね、そうすると盗賊もはびこりますし、ということで他の国が入ってこざるを得なくなくわけですね。

そういう観点から言っても単に権利じゃなくて義務であったと思うんですね。



【渡部氏】それでね、あのう。安全を他国に委ねるっていうのは、まあ、モナコはフランスに委ねるとかね、ありうると思うんですよ。
けど生存を委ねるというのは、これは主権放棄にもならないんじゃないでしょうかね。

【小山氏】主権放棄だと思うんですけども。

【渡部氏】これだけでね日本の憲法はね、自分の憲法でないことがわかるんですよね。

【小山氏】だから自然法に反するということでですね。これは日本であろうとどこであろうとこういう条文があれば無効に通ずると。

【渡部氏】無効ですね。それ自体が無効にしてますね。

【小山氏】少なくとも前文と9条第二項は無効ということになると思いますね。
で、3点目がですね。日本の国体法というものがあると思うんですね。日本の歴史が1500年とみるか2000年とみるか、はたまた2600年とみるか色々問題ありますけれども、まあ、1500年以上は続いている。

その中で一貫して守られてきたものがあるわけです。それが一応天皇を最高の存在として天皇から国家権力の正統性をあたえてもらうという形ですね。で、これは明治憲法の時代までは守られてきたわけです。これは単に明治憲法うんぬんではなくて、日本の歴史から言ってですね、絶対にやってはいけないことなんですこの国体を破るということは。

【渡部氏】そうですね。うん。

【小山氏】ところが今の「日本国憲法」ってのはどうかというと第1条をみてもらえばわかると思いますように象徴天皇制にしてしまった。そうして究極の国家権力の権力は国民があたえるんですね。

国民の中に天皇が入ってればまだちょっとちがってくるんですけども。今の憲法学者はみんな国民から天皇を排除してます。で、おもしろいのは憲法改正議会では国民プラス天皇だったんです主権者ってのは。国民主権と書いてあるけどもこれは天皇を含む国民全体が主権をもつ意味ですねというふうに確認してるんです。これは社会党からみんなOKしてる。
それをですね、破っていったわけです戦後60年で。



【渡部氏】なるほどねえ。うん。



【渡部氏】憲法という言葉は英語で言えばコンスティチューションですね。コンスティチューションってのは体質という意味です元来。だから国の体質なんですよね。

それであのう、イギリスってのは憲法と書いたもの出せといわれりゃ何もないわけですけどもね、むかしからコンスティチューショナルでね。なにか議論があるとそういうことは、あるいはこの法律はコンスティチューショナルじゃあないという言い方で・・・・という言い方するんですよね。

要するにイギリスという国体、国柄に合わないということなんですよね。国体というと国の体操大会みたいな話になっちゃってね、国の体質という意味では若い人には通じなくなったんじゃないですか。

【小山氏】でも、どこにでもですね。どこであっても守るべき国体ってあるんですよ。

【渡部氏】そうそう。うん。

【小山氏】日本の場合は明確にハッキリしておりまして結局天皇を最高の存在として、そこから正統性をあたえてもらう。これはあのう幕府政治でもそうなんです。

【渡部氏】そうですね。あの頼朝だって何だって朝廷から位をもらってるんですね。征夷大将軍とかね。

【小山氏】朝廷そのものが殆どの実権無に等しいけども、でもやっぱり朝廷からもらわなければ正統性がないわけですね。

【渡部氏】それから神話の時代までさかのぼれる国の体質ですよね。

【小山氏】そうですね。これを、そのう米軍に、なんといいますかね、押し付けられたからといってこれを破ってしまっていいのかという問題がありまして、そういう国体に反するというので無効だと。

一応3点ですね成立過程の問題。それから前文第二段と第9条2項ですね。それから日本の国体法に第1条が反しているとこの3点から「日本国憲法」は無効であるという風に今は理解してます。

【渡部氏】その有効なことを主張している人たちの根拠はどんなものなんですか?

【小山氏】それは一番大きいのは、なんやかんや言ってもですね(笑)

【渡部氏】(笑)


【小山氏】議会では自由意思があったと。 で、これはいわゆる保守派も進歩派も革新派も全部みとめてるわけです。護憲派も改憲派もここは否定しないわけです。

そこを否定せずにですね、なんとか無効ぎみであると言ったりですね、あるいは、まあ、作られ方が異常であったから改正しようじゃないかとか、異常って言うんだったら無効まで行けばいいんですけれども、なかなか、改憲派の方が行かない。

【渡部氏】そういう時、議会がねえ。認めたというのがそれ自体がインチキだったと思うんですよ。というのは憲法できても主権の発動でないことはですね。いわゆる新憲法が出来てあとでですね、日本国内で憲法によらずに死刑囚が出てるじゃないですか。

東京裁判のね。だから死刑囚みたいなのが自分の国に憲法に関係なくやられるということは憲法の上にもう一つの権力があったということだけで、「日本国憲法」と称しているだけで全然主権の発動でもないし、議会といっても、国民の総意といっても、その上に外国のちからがあったという、なんというかな、明々白々なる状況ですからね。

あの時代のわたしは、僕は憲法無効論のみならずですね、占領下にあった時代のあらゆる立法は本質的に無効であると思うんですね。

【小山氏】うん。ただ、その問題ちょっと(笑)  ややこしい問題がありまして。

【渡部氏】そうですか、というのはですね。私の理解するところね、占領の時代にはどんな法律でもね、アメリカ軍の容認、許可、あるいは強制か、なんか無ければ絶対出来ません。

【小山氏】それはそのとおりですよね。

【渡部氏】ですから、そっくりね、あの7年間の法律は本質的にすべて無効であるということを宣言する必要がるんじゃないですか?

【小山氏】ええ、まあ、そういう意味ではそうですね。

【渡部氏】憲法はその中の一つであると、ということでどうなんでしょう。

【小山氏】ただまあ憲法の場合より自律性が求められると思うんですね、つくる側の。だから日本側の自律性が普通の法律なんか以上に自律性が必要だったのにかかわらず、他の法律以上に自律性がなかったと、自由意思がなかったと。だから無効の度合いは一番強いと思うんです。


【渡部氏】僕がある程度参考になると思うのがですね。ナチスがフランスを制圧していたころのビシー政権ね。ペタン元帥がビシー政権・・・ビシー政権があれ数年続いてるわけですから。その間に立法から何から色々あるわけです。しかしドゴールが戻ってきますとね、無いことにしちゃったですね。あれが一番すっきりしてる。

【小山氏】そして占領下でつくられたものは無効なんだということを憲法で規定したんですね。日本も実はそれをやる必要があるんですよ。新しい憲法で。

【渡部氏】ありますね。これからでも、おそくないんじゃないですか。そのね。きっちりしないとだめですねえ。

【小山氏】それは絶対必要だと思いますね。


 【渡部氏】私もね、参議院でも衆議院でも、なんか委員会に呼ばれなんかしてですね、そういう方の意見など聴く機会もあったんですけどですね。無効をハッキリ宣言しなきゃだめだという意見は以外に少ないんですねえ。

【小山氏】そうですね。無効的だという風にみんなけっこう思っているんですけども(笑)

【渡部氏】おおやけに宣言しなきゃだめなんですよね。

【小山氏】
おおやけに宣言しないと思想が全く変わんないでしょね。

【渡部氏】そうなんですね。その、おおやけに宣言するためにね、どうしたらいいかということなんですけどね。

【小山氏】私が今考えているのが、私の独占じゃあ全くありませんで、あの東京裁判の弁護人をやっておられました 菅原裕 さんが 日本国憲法失効論9 という本を書いておりまして、それが私の無効論が出た時に、ちょっと一月くらい前にかな、復刻されたんです。

その中で基本的に展開されていまして、それを私は応用するかたちで昨年正論の4月号ですかね、正論4月号で無効論の処理の仕方、無効論による新憲法の扱い方というものを書いたんですね。それをちょっともう一回採録っていったらおかしいですけど述べさせていただきたいと思います。



【渡部氏】僕はね、無効論を言えるための雰囲気つくりも必要だと思うんですね。僕はその際にですね、どうしたらいいかと色々考えたんですけどですね。まず、日本が占領されていたということを知らせなきゃいけないんじゃないですか?

【小山氏】あ、はっはっは、それはありますねえ(笑)

【渡部氏】若い人たちは知らないんですよ。

【小山氏】アメリカと戦争したことさえ知らない。(笑)

【渡部氏】僕これね、友人に聞いたもんだからしょっちゅういうんですけどね。私の友人が国電に乗ってたら高校生らしいのがガチャガチャ話してると前に立ってね。そしたら、「おめえ、日本とアメリカ戦争したことあんだってよ」ってったらね、「うっそー」ってびっくりしたっていうんですけどね。

ですから占領されておったということを知らせるためにですね、そのためにはどうしても独立回復記念日が必要だと思うんですよ。4月28日ですからね。昭和天皇の日と重なってねこれは連休が伸びるだけですからあまり反対する人いないんじゃないかと思うんですね。

【小山氏】そこのサンフランシスコ講和条約は日本を確かに独立したもんですけども、だけれども、今そこの読み替えがされようとしてるんわけなんですよね東京裁判の受諾うんぬんというところが・・・

【渡部氏】だから独立したんだということを、回復したんだと、うん。

【小山氏】今、マスコミが言ってるような読み替えやっちゃうとね、あれは独立じゃあなくなるんですよ。

【渡部氏】そうです、そうです。独立回復したわけですよね。それを知らせるための記念日をつくらないのはおかしいんですよ。どこの国だってねえ、独立回復して記念日つくらないのはおかしいでしょう。韓国だって・・・・



【小山氏】だから私はこう思っているんですけれども。平和条約上は日本は独立してる、しかし、日本国憲法と国連憲章上では日本は独立していないと、そういう二重法体制の中にあると思っているんですね。

【渡部氏】まず、政治的には独立したわけですから、まず独立したんだということを知らせてからですね。それからまず始めるべきだとおもうんです。そして東京裁判史観というのがずーっと威力をふるっていますからね、東京裁判はあれは法律的な根拠はどこにもなくてマッカーサーの権威だけだったということも知らせて、そのマッカーサーはアメリカに行って取り消したんだってことをね、それをね、マッカーサー一代記ぐらいでね、テレビでまとめてですね、最後のところマッカーサーが上院で取り消したところを放送してね、NHKでそれを何回も放送してね、東京裁判は完全に無効になったんだということをみんなに知らせて、それからね、えー、だから7年間の法律は全部アメリカの支配下のもとでつくられたんだから、憲法も含めて無効にするというね無効宣言出したらどうかなあと。

【小山氏】私ね、もうひとつ必要かなと思うのが。





チャンネル桜 渡部昇一の大道無門 ゲスト:小山常実(3-1) へ

チャンネル桜 渡部昇一の大道無門 ゲスト:小山常実(3-2) へ

チャンネル桜 渡部昇一の大道無門 ゲスト:小山常実(3-3) へ