ひろです。

これまで様々なトピックについて扱ってきましたが、ここで一度、参考図書を整理しようと思います。
深く勉強したい人にとっては全てお薦めできる本ばかりですので、是非とも手に取ってみて下さい。
(2018/11/26:M&Aに『M&Aの契約実務(第2版)』を追加)
(2018/11/26:ファイナンスに『買収ファイナンスの法務(第2版)』を追加)

以下、トピック毎にまとめて行きます。


<企業価値評価>
 結構昔の本ではありますが、ひろが学生時代に読んだ本です。もう人にあげてしまったので手元にはないですが、平易な内容で読みやすかったと記憶しています。「企業価値評価って何?」という人は、本書から入るとよいと思います。

いわずと知れた、「Valuationと言えばこれ!」という名著。実はひろは網羅的に読んだことはなく、必要な箇所をざざっと見たことしかないです。が、非常にためになります。コーポレート・ファイナンスについては、英語版を読める方は、英語版を読んだ方が意外と楽に理解できると思います。何しろ、向こうが本場ですのでファイナンスの用語はカタカタも多く、文章の繋がりも英語の方が分かりやすいことがあります。

企業価値評価 第6版[上]―――バリュエーションの理論と実践
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ダイヤモンド社
2016-08-26
日本語版です。日本語だと2冊に分かれてしまうのもマイナス点です…

企業価値評価 第6版[下]―――バリュエーションの理論と実践
マッキンゼー・アンド・カンパニー
ダイヤモンド社
2016-08-26
下巻です。


これは日本語訳は存在しないですが、「valuationの応用編」という内容で、著者は名門ニューヨーク大スターンスクールのダモダラン教授です。スタートアップ企業やグロース企業、縮小企業やシクリカル企業等、様々な特性を持つ企業を評価する上で、どのような点に留意すべきなのかという、極めて応用的な価値評価を行うための考え方が纏められています。ひろは必要に応じて一部をピックアップして読みましたが、valuationについて一段高い見識を持つには非常に有益です。

なんと、第3版が出るようなので、こちらもリンクだけ紹介しておきます。本当にお勧めです。




<コーポレート・ファイナンス>

リーマン・ブラザーズ、UBSでの勤務を経て、現在は神戸大学大学院経営学研究科の准教授を務めていらっしゃる、保田さんの書籍です。これも人にあげてしまったのですが、「入門講座」とあるだけに、分かりやすく纏められています。

最近読みました。上記保田さんの本は若干古いですが、こちらは非常に新しいです。宮川さんは野村證券やトムソンでの勤務経験がおありなので、実務家視点も踏まえて執筆されている点がよいかと思います。初学者はこちらの本から取り掛かるのをお勧めです。

Principles of Corporate Finance
Richard A. Brealey
McGraw Hill Higher Education
2016-05-01
これは名著ですね。ひろが最初にまともにコーポレート・ファイナンスを勉強する時に読んだ本で、思い入れがあります(当時は2008年発売のものですが)。ある程度理解しようと思ったら、やはりこの本を手に取るべきかと思います。

コーポレート・ファイナンス 第10版 上
リチャード・A・ブリーリー
日経BP社
2014-06-20
日本語訳です。 英語版は第12版なのに、日本語は第10版…このあたりのタイムラグも、原書をお薦めする理由です。



コーポレート・ファイナンス 第10版 下
リチャード・A・ブリーリー
日経BP社
2014-06-20
下巻です。




<M&A>

M&Aの契約実務
中央経済社
2010-07
"Must Buy"です。M&Aは最後は契約が全てですし、これだけは絶対に目を通すしかないと思います。M&Aの契約について、各条項や内容について非常に詳細に解説された本で、ひろも相当にこの書籍を参考にしています。

第2版が出ていました! これはお薦めです!

M&A契約――モデル条項と解説
戸嶋 浩二
商事法務
2018-02-26
これは決定版ですね。だいぶ新しい本ですし、今買うなら上の本ではなくこっちの方がよいでしょう。新たな"Must Buy"間違いなしです。なんと、契約書の具体的なサンプルまで収録されています。

M&A法大系
有斐閣
2015-12-22
これまた"Must Buy"です。これだけM&Aに関する網羅的な内容について、相当に深堀された本はあまりありません。1,000頁を超える大作なので、概要を理解するためにまずは活用し、その上で、個別テーマを深堀りする時には、個別テーマの参考書籍をあたる、という感じに使うことになると思います。

様々なM&Aのストラクチャー(株式譲渡、事業譲渡、合併、株式交換等)における、法務と税務についてまとめられた本です。税務の観点もストラクチャの検討には重要であり、対象会社・対象会社株主・買収会社それぞれの税務面で考慮すべき内容が、ストラクチャ毎にまとめられている点は非常に有益です。

上記は「法務」と「税務」ですが、本書は「会計」と「税務」。もうこれで網羅できたのでは(笑)。具体的なケースにしてくれていることで、分かりやすさも向上。

公認会計士と弁護士が教える「専門家を使いこなす」ためのM&Aの知識と実務の勘所
木村 直人
日本法令
2015-03-19
タイトルからして、そこまで専門色は強くなく、読みやすい内容です。会計士と弁護士がそれぞれ執筆しているため、財務デュー・ディリジェンス(DD: Due Diligence)と法務DDを一冊で網羅できる点も、有益です。専門家が行うレベルまで理解する必要は、必ずしもないので、「程よいレベル感」と言えるかと思います。最後に参考資料として財務DD、法務DDの要求資料リスト、秘密保持契約書、基本合意書、株式譲渡契約書等のサンプルが収録されている所も、ポイントです。

公開買付けの理論と実務〔第3版〕
商事法務
2016-10-19
 TOBについて、プロセスや留意点を幅広く記載されています。二段階TOB(異なる金額で2回TOBを実施)、エクスチェンジ・オファー(自社(またはグループ会社)の株式を対価とするTOB)等もカバーしており、非常に幅広いです。手元にあると、いざという時には助かりますが、TOB自体「凄く多い」というわけでもないので、意外と書棚に眠ってしまったりします(笑)。

(第2版が出るのでリンクのみ更新)。「スクイーズ・アウト」とは、たとえばTOB(Take-Over Bid、公開買付)で株式の大多数を取得した後で、応募しなかった少数の株主から強制的に株式を取得することを指します。株式等売渡請求、株式併合、全部取得条項付種類株式、現金株式交換、現金合併といった様々なスクイーズ・アウト手法の法務プロセスや税務的な考慮事項等について、手法間での比較も含めてまとめられています。



 
<ファイナンス>

これは、お仕事次第でMust Buyに近いですが、あまり一般的な人には関係ありません。法務の観点から「買収ファイナンス」、本書ではすなわち「LBOファイナンス」についてまとめられています。「LBO」とは「Leveraged Buy-Out」の略で、対象会社のキャッシュフローを返済原資とし、ノンリコースで仕入れる借入金のことです。シニアローンのみならず、メザニンについてもカバーされているのが嬉しい所。担保・保証についてもまとめられています。

買収ファイナンスの法務(第2版)
鈴木健太郎
中央経済社
2018-11-20
これも第2版が出ていました! 素晴らしい!

M&Aファイナンス
笹山 幸嗣
金融財政事情研究会
2008-07
こちらも買収ファイナンスについてまとめられた本です。ひろも重宝していましたが、上の本の方が全体的に役立つかも知れないです…が、今でも十分にお薦めです。

様々なエクイティ・ファイナンスについて、実務の観点から書かれた本です。普通株式、種類株式、新株予約権、普通社債と新株予約権付社債、それぞれの有利発行、各種開示、公募や第三者割当の実務プロセス、そしてライツ・オファリングまで、実に様々なファイナンスの実務が纏められています。

日本のエクイティ・ファイナンス
鈴木 健嗣
中央経済社
2017-08-09
かなり新しい本ですし、日本におけるエクイティ・ファイナンス(公募増資、第三者割当増資、ライツ・オファリング、転換社債等)について、株価反応や発行時のディスカウント率、引受手数料やタイミング、実行の決定要因等についてまとめられています。全部を読んでもよいですし、知りたい内容のみをピックアップして読むのもよいと思います。

新株予約権ハンドブック〔第3版〕
商事法務
2018-03-17
(第3版を紹介していましたが、第4版が出ました!)必ずしもファイナンスのみが目的ではないですが、本書は新株予約権についてのバイブルですね。法務のみならず、会計・税務もカバーされており、とにかく分からないことを最初に調べる時に参照しています。



<会計>

グロービスMBAアカウンティング【改訂3版】
グロービス経営大学院
ダイヤモンド社
2008-08-29
ちょっと困った時に調べると、「そういえばこんな指標もあったなあ」と思った記憶があります。意外と手元にあると便利です。

財務会計(第13版)
広瀬 義州
中央経済社
2015-09-30
こちらは財務会計の辞書みたいな本ですね。よくわからないことがあった時に、索引や目次から調べていくとよいと思います。

管理会計〔第六版〕
櫻井 通晴
同文舘出版
2015-06-06
こちらは管理会計の辞書みたいな本です。同じく、よくわからないことがあった時に、索引や目次から調べていくイメージです。



<組織・人事>

人事と組織の経済学・実践編
エドワード・P・ラジアー
日本経済新聞出版社
2017-04-22
2017年7月9日時点でリアルタイムに読んでいる本ですが、何をするにしても、新卒就職にせよ転職するにせよ起業するにせよ、およそ他人と何か事を成す以上は組織が必要であり、その中では組織構成や意思決定の在り方や評価の在り方、昇進等の人事を、考えないわけにはいきません。本書は、人事と組織について基本的な考え方を提示してくれます。大学在籍中に読むよりも、ある程度実際に人と働いた後で読んだ方が、実感を持って読めるのではないでしょうか。

「『組織・人事』に入れるか?」という内容ですが、「『組織における意思決定方法』と置き換えて見ればまあいいか」と思い、最近読んでいて面白かったのでご紹介することにしました。
「多数決で決めたんだから平等だ」…と言われること、ありますよね。本書籍は「多数決」が如何に間違った結果を導き出すのか、非常に平易な語り口で鮮やかに解き明かしてくれます。筆者の新書では『多数決を疑う - 社会的選択理論とは何か』(岩波新書、2015年)もあります。



以上、とりあえずこんなものですかね~。
他にも思い出したりしたら、適宜追加していきたいと思います。

次のトピックは、またちょっと考えますね。少しお時間頂くかも知れません。

ではではまた。