インサイター

insight : the ability to understand and realize what people or situations are really like

2009年05月

サラリーマン金太郎の裏話

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本宮ひろ志がコミックバンチで『サラリーマン金太郎』の裏話をちらっと語っていた。

もともとは編集部から「”サラリーマン”を取って」っていう要求があったんですよ。ヤングジャンプはサラリーマンを対象にしてないからって。でもね、俺は「絶対ダメだ」って折れなかったんですよ。サラリーマンっていう縛りがあるからこそ差別化できるし、いずれは読者もサラリーマンになっていくわけじゃないですか。時代が変わったらサラリーマンの読者が一番多くなるでしょ。だから漫画のタイトルって戦略なんですよ。

ロッテのFit'sダンスを踊る女子が可愛過ぎる件

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バカ売れして生産が追い付かないというロッテのガム「Fit's」。CMも大人気。YouTubeで開催した「Fit's ダンスコンテスト」も、日本の動画投稿型キャンペーンとしては異例の成功を収めたらしい。

それはそうと、そのダンスコンテストで4位に入賞した女子の映像が可愛過ぎる。こんな神の子と付き合える男はいったい前世でどれだけ徳を積んだのかっていう話だ。

悪夢から白昼夢へ 〜『プライマリー・カラーズ』 ザ・ホラーズ

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プライマリー・カラーズプライマリー・カラーズ
アーティスト:ザ・ホラーズ
販売元:ワーナーミュージック・ジャパン
発売日:2009-05-13
おすすめ度:4.5
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ガレージゴスだったザ・ホラーズの新譜が、まさかこういう音になるとは思っていなかった。

ウワンウワンと篭るように反響するギター。フワフワ漂うシンセ。詩を朗読するように歌うボーカル。ベルベット・アンダーグラウンドとジョイ・ディビジョンとマイ・ブラディ・バレンタインを足して割らない感じ。エコー&ザ・バニーメンにすら似ている白昼夢サイケだ。こんな音を何年待ち続けたことか。今年はもうこれ一枚あればいいかもしれない。

The Horrors - Sea Within A Sea

サラリーマン映画の社会史 〜あの頃、銀幕の主役はサラリーマンだった〜

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週刊ビジスタニュースというメルマガに、サラリーマン映画の歴史に関する文章を書いてみた。

http://www.sbcr.jp/bisista/mail/art.asp?newsid=3365



今週のガセネタ

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■宮台真司の新書『日本の難点』は、宮台本としては久し振りに売れているらしい。

■インドにも漫才があるらしい。

モーレツ社員の挫折 〜『岸辺のアルバム』山田太一

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岸辺のアルバム (光文社文庫)岸辺のアルバム (光文社文庫)
著者:山田 太一
販売元:光文社
発売日:2006-04-12
おすすめ度:4.5
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1977年にTBSで放映された連続テレビドラマ『岸辺のアルバム』は、テレビ史上に残る傑作といわれているけれど、なぜかDVD化されていないので、いまだに見たことがない(本当は動画共有サイトで一部だけ観た)。これはその原作。山田太一初の小説として、前年より東京新聞で連載されたものだ。

モーレツ社員の田島謙作は会社の命令で無謀な業務に手を染め、専業主婦である妻は不倫にハマり、娘は外国人に騙されて酷い目にあい、息子は大学受験に失敗して家出。平凡な核家族が崩壊していく過程が、淡々と、しかし濃密に描かれる。

若手社員の頃に森繁の社長シリーズや植木等の日本一の男シリーズを観ていたかもしれない世代の謙作。そんな彼が出世やマイホームといった夢を剥がされ、むき出しになった現実を突き付けられる様は、高度経済成長期を終えたサラリーマンの挫折を象徴していた。

 そして会社。いわば自分の人生の大半をつぎ込んだ相手。そいつが崩壊しようとしている。いや、それは大げさだ。まだ崩壊と決まった訳ではない。しぶとい筈である。関連会社がそう簡単につぶすわけがない。謙作は不確定なものにすがった。すがることで絶望感から這い上がろうとした。

 そうだ。この家がある。この家は、まぎれもなく自分の二十数年の成果だ。四十五歳で、すでにローンを終えている。しかし、それがなにになる。家の中身が、この有様でなにになる。

物語の最後では家族の再生が示唆される。田島謙作がまだ生きていればもう77歳。幸せだといいな。

ちなみにこの作品、今年になって何故か突然、吉田まゆみよる漫画化が始まっている。ストーリーは原作とほぼ変わらないものの、舞台は現代。母親が娘と同い年にしか見えないのがすごく不自然で、なにより謙作の内面が今のところほとんど描かれていないのが不満だ。今週発売される第2巻では改善されているのかどうか。

岸辺のアルバム 1 (1) (KCデラックス)岸辺のアルバム 1 (1) (KCデラックス)
著者:山田 太一
販売元:講談社
発売日:2009-02-13
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『諦女』宮崎吐夢

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諦女 宮崎吐夢のOL短編集諦女 宮崎吐夢のOL短編集
著者:宮崎吐夢
販売元:グラフ社
発売日:2009-04-24
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OLを主人公とした短編集。有吉顔負けのあだ名つきの顧客リストを流出させてしまうOLを描いた「おわびのしるしに」、OL進化論的なほのぼの話が一転してホラー化する「残業秘話」、風俗に転落するOL寓話「マリアの運命」等を収録。基本的には笑いがベースになっていて、実際に笑えるけれど、笑いを控えめにして七人のOLそれぞれの悩みを重ねた「シャワーを浴びる七人の女」の出来が群を抜いていると思う。

大衆消費社会を予言したサラリーマン狂想曲 〜『巨人と玩具』(1958)

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巨人と玩具 [DVD]巨人と玩具 [DVD]
出演:川口浩.野添ひとみ.高松英郎.小野道子(長谷川季子).伊藤雄之助
販売元:角川エンタテインメント
発売日:2007-11-22
おすすめ度:4.5
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凄い映画だった。面白い。こんなにスピーディでスタイリッシュで残酷なサラリーマン狂想曲が、あのベタな森繁の社長シリーズと同時期に公開されていたなんて、にわかには信じ難い。

物語の舞台は、重役がみんな社長の親戚、という会社家族主義的な製菓会社。新入社員の西洋介(川口浩)は、出世のために部長の娘と愛のない結婚をしたという若き宣伝課長、合田竜次(高松英郎)のもとで「ワールド・キャラメル」の宣伝キャンペーンに着手する。

競合メーカーのキャンペーン情報を得て合田課長に貢献しようと張り切る洋介は、アポロ製菓の宣伝課員、倉橋雅美(小野道子)に近づき、付き合うようになるものの、雅美のほうが一枚も二枚も上手でなかなか情報を引き出せない。

一方、街でたまたま見かけた、虫歯だらけの野暮ったい娘、島京子(野添ひとみ)をスターにしようと目論んだ合田は、名カメラマンを起用した巧みなメディア戦略で彼女をプロデュースしていく。あっという間に人気者になった彼女はワールド・キャラメルのマスコットに任命される。

キャラメルの販促キャンペーンは、ワールド、アポロ、そして洋介の大学時代の親友が勤務するヘラクレスの三社三つ巴の宣伝合戦に突入。一歩リードしたのは雅美が企画したプレミアム(乳母車から婚礼までの生活資金!)を提供するアポロだった。社長からのプレッシャーが強まり、焦る合田課長と洋介。あれほどスマートに見えた合田は次第に冷静さを失い、ヒロポンを飲んで更にモーレツに働き、身も心も壊れていく。

合田は変わった。京子も変わった。親友も変わった。雅美はどこまでもドライだ。そんなサラリーマン生活に対して洋介は疑問を抱き始める。もっと人間らしい生き方をしたい、と。しかし合田は血反吐を吐きながら叫ぶ。「ここは日本だぞ、無意味でも非人間的でも、とにかくしゃにむに働かなければ食えない日本だぞ!」

オープニングからエンディングまで、ナパームデスばりのハイスピード&ハイテンションで一気に描かれる。登場人物たちは目まぐるしく回る高度経済成長期の大衆消費社会の中で、自分がなぜ働いているのか、その意味すら分からなくなっていく。それはどこか、戦場の狂気に似ている。タイトルである『巨人と玩具』の「玩具」とは、アイドルという「大衆のおもちゃ」へと変わっていく野添ひとみのことを指すようでいて、実は会社や消費社会という巨人に弄ばれる「おもちゃの兵隊」と化したサラリーマンのことなんだろう。

漫画『エンゼルバンク』の第6巻でも指摘されていることだけれど、日本の会社は年功序列だといいながらも結構な実力主義の世界だった、ということがこの映画を見ると分かる。会社家族主義のポジティブな側面を描いた東宝の社長シリーズやサラリーマン喜劇とは対照的に、ネガティブな部分、シビアな側面を描いたこの映画は、興行的には失敗した。でも2009年のサラリーマンに対して問題提起をするパワーがあるのは間違いなく『巨人と玩具』のほうだ。

監督の増村保造は、「オレは十年早すぎた」が口癖だったというけれど、実際に日本人が「エコノミックアニマル」と揶揄されるようになるのは、この映画が公開されてからちょうど10年後くらいのことだった。

今週のガセネタ

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■転職エージェントの話によると、転職支援会社のオフィスには三田紀房の漫画『エンゼルバンク』が置いてあるらしい。

■企業から独立した人は3年経つと組織に戻りたくなるらしい。

■転職を繰り返している人は金融業界とIT業界に多いらしい。

世紀のミスキャスト 〜映画版『課長島耕作』

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1992年の映画。すでに人気が下り坂だった田原俊彦を主役に据えたためか、公開当時たいして話題になっていなかったと記憶している。DVD化されていないのでVTRで購入して視聴。

ストーリーは原作漫画の前半部分をある程度忠実に再現していて、漫画同様に仕事そのものよりも派閥争いや夜のクラブ活動が中心に描かれる。つまり、この映画は古き良き東宝サラリーマン映画の系譜を見事に継いでいるということになる。しかも森繁の社長シリーズのレギュラー出演者だった三木のり平が吉原初太郎会長役として起用されていたりする。

映像は都会的で華やかだし、舞台となるオフィスもパーテーションに区切られた近代的な空間設計で、いま見ても意外と古さを感じさせない。ヒロインの麻生祐未と森口瑤子はそれなりの濡れ場を見せてくれる。「平成の東宝サラリーマン映画」としてのお膳立ては整っている。東宝としては、サラリーマン映画全盛期の夢よもう一度、ということでシリーズ化を狙いたかったところだろう。

問題は田原俊彦だった。完全なミスキャスト。仕事が出来る男に見えない。バリバリ働いているように見えない。上司に評価されるような男に見えない。ただただボーっとしている。だから最後まで島耕作に見えない。

ラスト近くで、島耕作は副社長に対してこう語る。「今勝負をかければ本当に定年まで30年勝ち続けることができるんでしょうか?私はサラリーマンという仕事が好きです。私にふさわしい30年を送りたいんです」。バブルが崩壊し、終身雇用という前提も揺らぎ始めていたはずなのに、こんな呑気な発言をする、この場面だけは「田原俊彦の島耕作」らしさが良くも悪くもハマっていたように見えた。

主役が誰かほかの俳優であればシリーズ化されて、今頃は「社長島耕作」が映画化されていたのかもしれない。
Profile
真実一郎
心に茨を持つリーマン。吐き気がするほどロマンチスト。好きな言葉は「巨悪も美女も眠らせない!」。

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