インサイター

insight : the ability to understand and realize what people or situations are really like

2010年01月

サラリーマン漫画座談会

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『みんな漫画を読んで大人になった ――【学園漫画&サラリーマン漫画座談会】』という座談会に参加したので、興味のある方は是非。何故か島耕作に関して喋る時間が全然無かったので、いつか誰かと語りあいたい。あと、島耕作のエロ同人誌があったら読んでみたいんだけど、あるのかなあ?

幻のヒーロー「突撃!ヒューマン!!」が収録されたDVDを見た

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YAHOO!ニュースで「幻のヒーロー奇跡の復活!DVD化「突撃!ヒューマン!!」」という記事を読み、早速DVDを取り寄せてみた。まさか2010年にもなって突撃ヒューマンの名をYAHOO!ニュースで見るとは思わなかった。

マスターテープが現存しない作品なので、放映されたものをVTR録画した人が現れない限り、「当時放映された番組のDVD化」は実質的に不可能。今回は「当時のヒーローショーを8ミリフィルム撮影した映像のDVD化」ということで、厳密には「復活」とは言い難い。それでもこの『懐かしのせんだい・みやぎ映像集 昭和の情景』というDVDに収録されたヒューマンの映像を見ると、のび太がタイムマシンで過去に戻り、おばあちゃんを見て言った「生きてる!歩いてる!」という言葉が思わず口をついて出た。

ヒューマンの映像は計1分半ほど。バリハイセンターというレジャーランドでのショーと、エンドーチェーンというスーパー屋上のヒーローショーの2つが収録されている。後者では超満員の観客席もチラッと映っていて、当時のヒューマンの意外な人気に驚かされる。先日後楽園で見たシンケンジャー・ショーよりも人が入っている。

肝心のヒューマンは、視界が異常に狭そうなマスクのために、アクションはやや緩慢。それでも顔と胸がピカピカ光っていてカッコイイ。怪獣も3匹収録されていて、写真でしか見ることが出来なかった成田亨デザインの「メガヘルツ」と「インパルス」、あともうひとつ謎のキノコ型怪獣が動く姿を拝むことが出来る。メガヘルツは動き方がエイのようでとてもチャーミングなのに、両腕をヒューマンにぶっこ抜かれてかわいそう。

残念なのは、音声がBGMによって全て消されていること。もとの音声を生かして欲しかった。

このDVDには他にもスペクトルマン・ショーや帰ってきたウルトラマン・ショーが収録されていて、昭和40年代の怪獣ブームの凄さが垣間見える。アマゾンではなく仙台放送のホームページから購入可能。

突撃ヒューマン

サラリーマンと社歌

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釣りバカシリーズの最高傑作『釣りバカ日誌16 浜崎は今日もダメだった』(2005)の中で最も印象的なシーンは、鈴木建設の社歌を全社員が合唱するシーンだ。正社員と派遣社員、ホワイトカラーとブルーカラー、役員とヒラ、男性社員と女性社員、受付嬢や掃除のオバサンに至るまで、階級も職種も関係無く、歌によって全ての会社関与者がフラットに溶け合う理想的な会社世界。釣りバカが描いてきた昭和的な会社家族主義のエッセンスがここに凝縮されている。

鈴木建設の社歌は久石譲が作曲した最初のバージョンも良かったけれど、テンションが上がるのはやっぱりこの16で披露された新しいほうの社歌だろう。イギリス人の同僚に聞いたところ、欧米では社歌というものを耳にしたことは無いらしく、恐らく日本独自の文化なのではとのこと。数年前にタモリ倶楽部を起点としてちょっとした社歌ブームが巻き起こり、コンピレーションCDが発売されたりもしたものだ。それでも鈴木建設社歌のクオリティを上回る社歌はなかなか存在しない。

社歌はたぶん今後ゆっくりと失われていく昭和カルチャーなので(楽天やサイバーエージェントには社歌ってあるんだろうか?)、そうした意味でも『釣りバカ日誌 ファイナル』は昭和ノスタルジー保存コンテンツとして鈴木建設の社歌を効果的に使うべきだったと思う。エンディングは社歌であってほしかった。

「日本サラリーマンの原風景」の終幕 〜『釣りバカ日誌20 ファイナル』

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釣りバカシリーズを濃厚に覆うのは、馴れ合い上等の和気あいあいとした家族的会社組織や、酒を飲んで腹を割って語り合う飲みニケーション、セックスレスとは無縁(合体!)な円満家族といった、高度経済成長時代のノスタルジックなサラリーマン像だ。

主人公のハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)は、そうした「日本サラリーマンの原風景」の中、組織に守られつつ競争から解放された、つまり「安定」と「自由」を同時に手に入れた理想的なポジションで人生を謳歌する。観客はその温かいファンタジー世界に浸ればそれでいい。

最終作となる今作は、とりあえず鈴木建設会長スーさん(三國連太郎)の肉体的な衰えがハンパない。こんな老人が会社のトップに居座っていたら確かに業績は良くならなさそうだな、と思わせるだけの説得力がある。物語後半で、臨死状態のスーさんが賽の河原で頭に天冠(白い三角布)を装着するシーンなど、あまりに似合い過ぎていてギャグになっているかギリギリのライン。

もともとシリーズを通して経営の才能を見せることが無かったスーさんは、結局今回も会社の窮状を打開するビジョンや戦略を披露することは無かった。そんなスーさんが800人の社員を前に退任スピーチをするシーンで、この映画は長い歴史に幕を閉じる。そのスピーチに感動する人もいるようだけれど、昭和の名言を引用して精神論を語っているだけなので、一見明るいエンディングに見えながら、実は鈴木建設の明るい未来に繋がる具体的なものはなにも無い。

昭和ノスタルジーに貫かれた釣りバカらしい、無責任だけど憎めない最後だった。たぶん鈴木建設もそう長くはないだろう。ハマちゃんの定年退職も近づいている。釣りバカ日誌の社会的な役割は終わったのだ。

Profile
真実一郎
心に茨を持つリーマン。吐き気がするほどロマンチスト。好きな言葉は「巨悪も美女も眠らせない!」。

サラリーマン漫画の戦後史 (新書y 240)
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