60年代にゴジラやウルトラシリーズのプラモデルやソフトビニール人形を大ヒットさせた老舗玩具メーカー、マルサン。一度倒産した後に再興し、1970年の怪獣ブームに乗じてオリジナルデザイン怪獣のソフトビニール人形を、まるで柳沢みきおの漫画のように多品種大量生産したことでも知られている。

「ゆるキャラ」を先取りしたかのようなセンスの奇想天外な怪獣たちは、通常の玩具店よりも物産ルート(お土産屋や縁日の屋台)を中心に販売されたため、リアルタイムで遊んだ人は多くはないけれど、今でも全国のパチ怪獣マニア(推定約70人)を魅了してやまない。

そんなマルサンが5月末に渋谷のギャラリーハセガワで行った展示会で、伝説のオリジナル怪獣の発売に関わった人物を招いてトークショーを開催したので、大雨の中いってきた。

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パチ怪獣コレクターにとっては夢のような空間。

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左から 喜井竜児さん(パチ怪獣マニアの大御所)、渡辺哲さん(マルサン「怪獣新聞」記者)、神永英司さん(マルサン代表)。

この渡辺さんという方が、当時のオリジナル怪獣の設定をほとんど全て考えた人。父親がマルサンに関わっていたという縁で、当時まだ18歳の大学生だった彼が、バイトとして怪獣の設定資料の作成を頼まれたとのこと。

次々と工場から出来上がってくる怪獣の原型を見せられ、それぞれの大きさと体重を考え、生息地や技を考え、最後に名前を考えたという。1体につき500円のバイトで、その数30体以上。彼が書いた設定が、そのまま「怪獣新聞」となって怪獣のオマケになった。あの「人間ロボット」だけは別の人が設定を考えたらしい。

渡辺さん自身は当時はフランス文学青年で、怪獣にまったく思い入れはなかったとのことで、あまりディープな話は伺えなかったけれど、怪獣のデザイン・造形は全て蝋型原型師たちが行っていたらしいので、次回はぜひその方々の話も聞いてみたい。

マルサン オリジナル怪獣コンプリートまでの道のりはまだまだ遠いけど、今年の夏も「パチ怪獣まつり」をお楽しみに!