幸せの時間 1 (双葉文庫 く 10-2 名作シリーズ)
幸せの時間 1 (双葉文庫 く 10-2 名作シリーズ)
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『幸せの時間』は、『100億の男』で日本的会社組織の崩壊をいち早く描ききった国友やすゆきが、戦後核家族の崩壊を描ききり過ぎた、知っている人は知っているサラリーマン漫画だ。

中堅ゼネコンに勤務する朝倉竜彦は、42歳のエリート管理職。妻と息子、娘の4人で新築の一戸建てに住み、すべてが順風満帆の「幸せな時間」を生きている。しかし偶然知り合った女にハマってからは、欲望のままに人生を捻じ曲げ、不正と愚行を重ね続け、いつしか家族の心はバラバラに。ついには社会的な地位も財産も家屋も全て失うことになる…。

まるで中年サラリーマンの煩悩の見本市。あの山田太一脚本の名作ドラマ『岸辺のアルバム』(1977)の明らかなオマージュでありながら、膨大な数の安いセックス描写のおかげで、深夜ドラマのようなB級感が強烈に漂う。だからこそ、煩悩が身を滅ぼす惨めさが生々しく切実だ。

そんな本作が、「超刺激的ホームドラマ」として11月5日から昼ドラ化されることになった。深夜ならともかく昼の時間にいいのか?と思いながら予告動画を見てみたら、神楽坂恵が早速下着になっている。しかも柳沢慎吾が(原作では)結構大事な役で出演してるし、そこそこ話題になるかもしれない。

家族関係の崩壊が進むたびに、家屋のヒビ割れや雨漏りも進行し、最終的にはバキバキと完全に倒壊してしまうという、直球すぎるにもほどがある原作のクライマックス・シーンがどう表現されるかも含め、注目していきたい。