2月28日の朝日新聞によると、村上隆が昨年ニューヨークのジャパン・ソサエティで企画した「リトルボーイ 爆発する日本のサブカルチャー・アート」展が、国際美術批評家協会のアメリカ支部によって、昨年度のニューヨークの最優秀テーマ美術展に選ばれたらしい。「日本の文化にある自己治癒の方向、無責任さと無頓着な部分をラジカルにひもといていくことで、マンガやアニメのような日本の卑俗な文化が、社会の高尚な文化の端くれになっていけばいいと思う」という村上隆のコメントも掲載されていた。

原爆の影響によって日本人は子供的で特殊な脱力文化を形成した、という「リトルボーイ」の視点は確かにユニークでガイジン受けするものだった。一方で、これは原爆の正当性をアメリカに確認させるだけの誤った立場だ、とする大塚英志の批判も一理ある。

「極論として、日本のまんが/アニメは本質的に日本に移植された「ディズニー的なもの」の「亜種」であり、現在のジャパニメーションの国際化は、この日本で数十年ほどかかって育てた「亜種」を宗主国が回収しているにすぎないという立場をとります。占領という「文化植民地」化がいかに達成されたかを宗主国に報告にいったのが「リトルボーイ展」なわけです。何か、ナショナリストみたいになってますけれど、原爆を落とされた側の立場に立った時「リトルボーイ」をネタにしたイベントをぼくは肯定できません。」(『「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか』大塚英志)

村上隆もこの本を読んでいるはずなので、いずれどこかで公式な反論があるはずだ。


Little Boy: The Arts Of Japan's Exploding Subculture


「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか
大塚英志