日経朝刊で今月から連載が始まった渡邉恒雄の「私の履歴書」は、第一回目の冒頭からして強烈だった。普通であれば何年何月にどこそこで生まれた、みたいな書き出しで始まるのに、いきなり「学校から帰ると姉たちがうろたえ取り乱している。父平吉が玄関で洗面器いっぱいの血を吐き、病院に担ぎ込まれたのだという。」というスプラッター描写で意表をつかれる。タクシーに乗って病院に行く際の描写も「だが、父が死ぬかもしれないなどとは思いもしなかった。初めて乗ったタクシーがライトの明かりで闇を切り裂きながら疾走する、そのことに心が躍った。」とカッコイイ。こんな感じのドライ&ダイナミック&リズミカル(DDR)な文体で、彼の波乱に満ちた青春期をいきいきと描き出している。石原慎太郎の「私の履歴書」は駄作だったけど、ナベツネのこれは稀に見る傑作になりそうな予感がする。
今のところの最高傑作は12月3日に掲載された第三回目に書かれた、戦時下の旧制高校で校長たちを闇討ちにするエピソードだろう。
「入学したその年の秋の記念祭で学生たちの鬱屈が暴発した。校庭で薪を燃やして「東高踊り」を踊りながら周囲を回るうちに夕闇が訪れた。それが合図だった。私と数人の仲間は打ち合わせどおり校長、体育教師、生徒監といった軍国主義を鼓吹している主要なメンバーを次々に襲った。殴る、蹴飛ばす、体当たりする。怒声の隙を縫うようにして逃げた。」
尾崎豊でもここまでやらないよ。あと数回青春期〜戦争期が続いた後は、共産主義運動を経てマスコミ界のドンと呼ばれるに至るまでの、ダースベイダー顔負けのピカレスクロマンが展開されるはずなので期待したい。
今のところの最高傑作は12月3日に掲載された第三回目に書かれた、戦時下の旧制高校で校長たちを闇討ちにするエピソードだろう。
「入学したその年の秋の記念祭で学生たちの鬱屈が暴発した。校庭で薪を燃やして「東高踊り」を踊りながら周囲を回るうちに夕闇が訪れた。それが合図だった。私と数人の仲間は打ち合わせどおり校長、体育教師、生徒監といった軍国主義を鼓吹している主要なメンバーを次々に襲った。殴る、蹴飛ばす、体当たりする。怒声の隙を縫うようにして逃げた。」
尾崎豊でもここまでやらないよ。あと数回青春期〜戦争期が続いた後は、共産主義運動を経てマスコミ界のドンと呼ばれるに至るまでの、ダースベイダー顔負けのピカレスクロマンが展開されるはずなので期待したい。

ピカレスクロマンって、ホントその通りだ。笑