インサイター

insight : the ability to understand and realize what people or situations are really like

現地レポート

相対性理論のすゝめ

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インディーズでありながらオリコンのアルバム・デイリーチャートで突如4位に登場して話題になっているバンド、相対性理論。僕も久しぶりに一聴惚れ(ひとぎきぼれ)してアルバムを購入、ライブにも行ってきた。

1月11日に渋谷O-WESTで行われたライブのセットリストは以下の通り。

 1 テレ東
 2 ルネサンス
 3 LOVEずっきゅん
 4 さわやか会社員
 5 ふしぎデカルト
 6 四角革命
 7 学級崩壊
 8 地獄先生
 9 品川ナンバー

相対性理論は懐かしさと新しさを同時に感じさせてくれる。ザ・スミスやザ・サンデイズを彷彿させる繊細でポップなギターサウンドと、ゼルダやD-DAYにも通じる低血圧女性ボーカル。言葉を楽器のように用いる、語呂合わせ・言葉遊びの多い大人の童謡のような歌詞。一回聴いたら忘れられない。全体的に「あの頃」のニューウェイヴ色が強いので、メンバーは80年代に青春を過ごした人なのかと思ったら、結構若いので驚いた。全曲の作詞作曲を手掛けているバンドのキーマン、ベーシストの真部脩一とは一体何者なのか、非常に興味がある。

終始直立不動&無表情で囁くように歌うボーカルのやくしまるえつこは、遠くから見る限りでは中島美嘉とオセロ松嶋の中間的なルックスで、小柄なのに異様な迫力があった。ライブ中のMCは「相対性理論です」「はい、アメダスに聞いてみます」「小麦はパンになると思う」「呼んだ?」の四言のみという、徹底した不思議ちゃんキャラ。平成のロリータ順子と呼びたい。

個人的にはギターのスミス色が強い前作『シフォン主義』のほうが好みだけれど、すでに大物のような余裕を感じさせる新譜『ハイファイ新書』も素晴らしい。バンドとしての懐の深さを感じさせる。今年の夏、各ロックフェスは相対性理論を取り合うことになるだろう。

ハイファイ新書ハイファイ新書
アーティスト:相対性理論
販売元:インディーズ・メーカー
発売日:2009-01-07
おすすめ度:4.0
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シフォン主義シフォン主義
アーティスト:相対性理論
販売元:インディーズ・メーカー
発売日:2008-05-08
おすすめ度:4.0
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ロス・キャンペシーノス!(Los Campesinos!)の来日公演を見て気力が回復した

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ウェールズ出身のインディーロックバンド、ロス・キャンペシーノス!(Los Campesinos!)の渋谷公演にふらりと行ったら、想像以上に客が入って盛り上がっていたので驚いた。もう10年ほど音楽誌を全く読んでいないので、こういう若い海外バンドがどれくらい日本で人気があるものなのか実際に見るまで全く見当がつかない。

大学を卒業したばかりの男性4人+女性3人という「あいのり」的なメンバー構成のこのバンドは、男女混成のボーカルやバイオリンを効果的に使っていることもあって、いい意味で「ベル&セバスチャン学割」あるいは「エンポリオ・アーケード・ファイヤー」という印象を受ける。バラードの類は一切歌わず、目一杯ネジを巻いたオモチャの楽団のごとく演奏する姿は希望に溢れていて素晴らしかった。こういう日本のバンドがあったら誰か教えてください。

Los Campesinos! - International TweeXcore Underground



Hold on Now, Youngster...

ポツドール初体験

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三浦大輔率いる劇団「ポツドール」の新作公演『顔よ』を本多劇場で観た。4つの部屋を舞台に繰り広げられる、顔の美醜をテーマとした人間模様。テーマもストーリーも構成もディテールも面白かった。以前からのポツドール・ファンの中には物足りないと感じる人もいるようで、確かにウワサで聞いていたほどのエグみや重みは無いなとは思ったけれど、エンターテイメントとして緻密で良く出来ている。

特に右下の部屋を舞台とする不細工カップルの心模様は、『ふぞろいの林檎たち』の柳沢慎吾と中島唱子のそれを彷彿させて、公演終了後も続きを見たくなるほどだ。三浦大輔は連続テレビドラマを手掛けたら00年代の山田太一になるかもしれない。

顔よ

怪獣アートの世界

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ガロ系の漫画家・逆柱いみりとイラストレーター・新谷成唯、怪獣芸術家ピコピコのトムラアツシの3人の作家による怪獣作品展『逆柱いみり 対 新谷成唯・ピコピコ 怪獣チャンピオンまつり』が、南青山のビリケンギャラリーで開催中。パチ怪獣的ないかがわしいセンスに溢れたオリジナル怪獣の立体フィギュアや絵画が数多く展示されていて、まるで今が第4次怪獣ブームであるかのような錯覚をおこさせてくれる。

逆柱いみりは漫画家でありながら怪獣フィギュアの制作能力も飛躍的に上達しているようで、昭和テイストのオリジナル怪獣だけでなく、テレスドンやギララ、ドラコといった有名怪獣のフィギュア(紙粘土製)も展示販売している。創作ヒーロー「ドクロ太郎」で有名な新谷成唯が制作した新作怪獣の出来も予想以上に素晴らしいし、ピコピコの展示(怪獣というよりモンスターだけど)は立体作品もさることながら絵画の面白さに驚かされる。一歩間違えばクールジャパンとか言われかねない。

日本ならではの怪獣アートを楽しめるこの作品展、開催は4月2日(水)まで。

怪獣チャンピオンまつり

鷹野隆大と会田誠

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一昨日は富ヶ谷で開催された鷹野隆大と会田誠のトークイベントを見に行って熟睡。司会の女性の仕切りや質問が下手で、せっかくの面白い組み合わせが台無しだった。男のヌードやポートレートを撮って木村伊兵衛写真賞を受賞した鷹野隆大は、ある意味で男版HIROMIXなんだから、もっと「男の時代」について二人に語ってもらうのが筋なのに、会田誠のサービストーク(オナニーネタ)ばかりが印象に残る空疎な雑談に終始。対談の司会はプロにやって欲しい。

ところで、このトークイベントの告知ポスターには会田誠が安倍元首相の顔真似をしている写真が使われていて、タイトルも「総理に聞く」になっていた。当日、謎の美女を連れた篠山紀信を除けば20-30代のアート系男女ばかりだった観衆の中に、明らかに70歳以上の老夫婦が一組だけいたんだけど、彼らが鷹野か会田のファンだとはどうしても思えない。安倍元首相の講演会だとガチで間違えて入場したんだと思う。

総理

『ゴジラ対ヘドラ』の富士宮ミキ復活

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東京ビッグサイトで開催されたWCC(ワールド・キャラクター・コンベンション)の特設ステージで、『ゴジラ対ヘドラ』の主題歌を歌った富士宮ミキが35年ぶりに復活した。富士宮ミキを演じた麻里圭子さんは相変わらず若々しく、振り付けバリバリで『かえせ!太陽を』の新バージョンを披露(現在この歌は板橋区の環境保全ソングにもなっているらしい)。欲を言えば映画同様に魚マスクを被ったダンサーたちをバックに躍らせて欲しかったけど、まあ著作権的にいろいろあったのかもしれない。

麻里さんによると、『ゴジラ対ヘドラ』は公開当時、ヘドラがあまりに醜いためにアメリカやイギリスでの評価が非常に低かったものの、最近はカルト映画としての人気が高まり、同時にこの主題歌の英語バージョンSAVE THE EARTHも注目が高まっているという。日本でもこの数年でヘドラのフィギュアが大量に発売されているし、デトックス・ブームの裏側で毒々しい公害怪獣が復活して蠢いているという構図はちょっと面白い。

富士宮ミキ

伝説のカルトシンガー「元気いいぞう」

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元気いいぞう伝説のカルトシンガー「元気いいぞう」のライブを見た。ライブといっても中野にある民家のリビングルームで開催される小規模なもので、観客も20人程度。毎月30日に定期的に開催されているらしい。

かつて「お笑いスター誕生」に田村真一郎という本名で出演していたこともある彼の芸は、ギター1本で時事ネタ、シモネタ、宗教ネタ、政治ネタを歌うというもの。「毛糸の地引網」「オナニー」「うっひっひダイアナ妃」「くるってる」「メッコール・メモリー」といった曲名から容易に想像できるように、社会風刺的な要素は全くなく、あるのは笑いだけ。「ブラッド・ピット」という曲はちんちんをブラブラさせてピッピッピッと射精する男の歌だし、「ウンチク」という曲の歌詞は「俺のウンチ、食う?」。冗談ばかり言う中学生時代のクラスの人気者がそのまま大人(41歳)になってしまって歌っている感じ、といえば伝わるだろうか。大人計画の宮崎吐夢さんも、元気いいぞうにかなり影響を受けていると聞く。

信じてもらえないかもしれないけれど、2時間以上に及ぶ彼のライブを見ているうちに、僕はなぜだか遠藤ミチロウのライブを見ているような感覚に襲われた。ゲスト参加した「水中、それは苦しい」というバンドのヴァイオリニストと共に演奏したラストナンバー「まあ、生きていれば良しとする」の叙情性などは、明らかに単なるコミックシンガーの域を逸脱している。自虐的かつ楽天的なロマンチストがギターをかき鳴らす姿は「中野のスターリン」だ。

ドン・キホーテの次世代型コンビニ「情熱空間」が近所に欲しい

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情熱空間あのドン・キホーテが渋谷区西原にオープンした次世代型コンビニ「パワーコンビニ情熱空間」に行ってきた。コンビニなのに飲食品が既存のコンビニより安く、缶コーヒーが99円、500mlペットボトル飲料が118円、ビールが199円、カップヌードルが127円、ポテチ類も99円。かといって従来の激安店のような品揃えではなく、海外の高級ミネラルウォーターや珍しいお酒やヨーロッパの菓子といった、輸入食材ショップにあるようなプレミアムブランドも数多く並んでいる。コスメコーナーも充実していて、雰囲気はドン・キホーテよりもソニープラザに近いかもしれない。流れているBGMもドンドンドン・ドンキ〜ではなくラテン・ポップだった。一方でドンキーらしくパーティーグッズ・コーナーもあったりする。

店内には作りたての惣菜・弁当を販売するコーナーも設けられていて、これも既存コンビニとの大きな違いになっている。明らかにオリジン弁当を意識したスタイルながら、惣菜はどれも結構美味しそうだった。

安い価格設定、幅広い品揃え、楽しい雰囲気、新鮮な弁当と惣菜、24時間営業。コンビニの王者セブンイレブンにとっては恐ろしいライバルが登場したといえる。実際この情熱空間1号店の賑わいとは対照的に、真正面にあるセブンイレブンには客が一人も入っていない時間が多く、セブンの店員たちは劇団ひとりを見る品川庄治の品川のような目で情熱空間を見つめていた。これがオープン直後のご祝儀人気であることを差し引いても、目の前に情熱空間があればセブンイレブンに行く理由は全く無くなる。ここのセブンは将来的には雑誌・書籍のみを扱う本屋として業態を変えないと共存できないような気がする。

POSデータでガチガチに管理したセブンイレブンの無味乾燥な品揃えが嫌いな僕としては、情熱空間は近所に欲しいコンビニNo1だ。
Profile
真実一郎
心に茨を持つリーマン。吐き気がするほどロマンチスト。好きな言葉は「巨悪も美女も眠らせない!」。

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