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音楽

【お蔵出し/タイアップ資本論】ケータイで聴く青春女優歌謡〜新垣結衣『そら』

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そら (初回限定盤)
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※この原稿は雑誌『INVITATION』2008年1月号に寄稿したものです。


初回限定版ジャケットが各方面に衝撃を与えているアルバム『そら』でCDデビューを果たした新垣結衣。アルバム発売に先駆け、主演映画『恋空』の挿入歌である「heavenly days」の着うた配信が開始されている。モバイルサイト「魔法のiらんど」で発表されたケータイ小説のタイアップ・ソングが、シングルCD化されずに着うたのみで販売されるという、いかにもケータイ世代に向けた今風のタイアップではある。

今風といえば、今の新垣結衣には時代を味方につけた者だけが放つオーラが漂っている。1997年頃の広末涼子に近い。ポッキーのCMで見せる無垢なエネルギー、損保ジャパンのCMで見せる慈悲深い微笑み。清楚で元気で明るくやさしい、穢れなきキャラクターは、偽装と欺瞞とやらせに満ちた、穢れきった現代社会を浄化する天使のようでもある。思えば1997年の広末涼子も、コギャルと援交とオヤジ狩りで殺伐とした時代に舞い降りた天使として消費された。新垣結衣の場合、同時代に沢尻エリカという悪魔的な魅力の黒アイドルがいるだけに、その天使的な魅力は際立っている(この二人はまるでキカイダーとハカイダーのようだ)。

アルバムで聴ける歌声も、デビュー当時の原田知世や斉藤由貴を彷彿させるイノセントでひたむきなピュアボイスで、誰もが心の中に抱く儚い青春の記憶を呼び覚ますミラクルパワーを秘めている。30−40代のオヤジ世代にも十分にウケるであろう、純度の高い正統派「青春女優歌謡」だ。そう考えると、シングルが着うたのみという展開は少々さみしいという気もする。

人間には性欲とは別に、青春時代のナイーブな気持ちを取り戻すことを欲するという青春欲=青欲が存在する。新垣結衣はそんな青欲を刺激する稀有なアイコンとして、同世代のアイドルから一歩抜きん出た存在となった。映画の中で汚れた役を演じても、その透明感は当分は穢されないだろう。

早川義夫と『サルビアの花』

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昨日の朝日新聞に掲載された早川義夫「サルビアの花」のエピソードが良かった。この曲を1972年にカバーして30万枚を売った女子高生グループ「もとまろ」は、(今では考えられないことだけど)早川義夫の許可を得ないままにカバーしていたらしく、2003年にようやく和解したらしい。

1969年に音楽活動を停止した早川義夫は、1994年に再デビューした理由をこう語っている。「このままうたわないで死んだら、焼かれたとき、骨とは違う別の塊が残るかもしれない、それは気持ち悪いから。あと大げさに言えば、うたわないと自分がいつか犯罪者になってしまうんじゃないかとも思って」。

インタビューによると、彼は昔の自分の歌い方を尋常ではないほど嫌っているらしく、現在の音を聞いてほしいと願っているとのこと。というわけで「サルビアの花」早川義夫復帰後バージョン。ストーカーのような執着の唸り。



「サルビアの花」は歌う人によってイメージがガラリと変わる。これはもとまろバージョン。せつない気持ち。



YouTubeでいろんな人の「サルビアの花」を聴いてみたけど、天地真里のバージョンが意外と良かった。魂こもってない感じが新鮮。



高校生の頃に文庫版の『ラブ・ゼネレーション』を読んで「早川義夫みたいな文章を書けるようになりたい」と思った時期が自分にもあった。もちろん書けるようにはならなかった。

『ポストパンク・ジェネレーション 1978−1984』

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ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984ポストパンク・ジェネレーション 1978-1984
著者:サイモン・レイノルズ
販売元:シンコーミュージック・エンタテイメント
発売日:2010-05-12
おすすめ度:5.0
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1978年以降の混沌としたポストパンク・シーン、所謂「ニュー・ウェイヴ」シーンについて詳細に記録した力作。リアルタイムで日本に入ってくる情報が少なかったジャンルなので全編刺激的だけど、個人的に特に興味深く読んだのはゴスの黎明期について記した第22項「Dark Things 暗闇にうごめく者たち:ゴスの誕生とロックへの揺り戻し」。これを読めばポストパンクの反神秘性に対する揺り戻しとしてゴスが発生した経緯が良く分かる。アダム・アントをゴスのプロトタイプとして位置付け、彼がポップ化して失望したファンたちがバウハウスに流れた、という指摘も新鮮だった。

日本で人気の高いバウハウスやシスターズ・オブ・マーシーの評価がやけに低いのは、この著者の私見なのか、それともイギリスにおける一般的な見解なのかは分からないけれど、スージー&ザ・バンシーズがとにかく非常に高く評価されているので、スージーの声を久しぶりに聴きたくなる。

メトリック来日公演

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10月7日(水)はメトリックの来日公演に行く。超楽しみ。







Hard Times - Patrick Wolf

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「英国が誇るグラマラス・エレクトロ・ポップ・シンガー」と言われているPATRICK WOLFの新曲「Hard Times」のビデオがイイ。疾走感のあるダークなバロック風エレポップとチープな蛍光ギミックの映像。80年代か。

パンク界の中森明菜

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YouTubeでG-SCHMITTを「パンク界の中森明菜」と紹介している人がいてホホウと思った。

実際に当時G-SCHMITTは日本のパンクというかポジパンの中で「ボーカルが美人&歌が上手い」ということで異彩を放っていたけれど、今となってはなんでこのような正統派ニューウェーヴがパンクと言われたのかピンとこない人もいるかもしれない。

メトリックが10月に来日するらしい

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FantasiesFantasies
アーティスト:Metric
販売元:Sony
発売日:2009-05-12
おすすめ度:5.0
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な・い・し・ょのエンペラーマジック

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なぜか突然思い出したので貼ってみた。山崎春美with坂本龍一。

子供のトラウマになるミュージックビデオ

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曲も後半のアニメもいいんだけど、これに出ている子供には確実にトラウマでしょう。よくこんなビデオがアメリカで許されたなあ。

MGMT - Kids

黒猫チェルシー

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黒猫チェルシー黒猫チェルシー
アーティスト:黒猫チェルシー
販売元:DECKREC/UK.PROJECT
発売日:2009-04-08
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渋谷のHMVで試聴して購入。スターリン、INU、奇形児、マスターベーション、肉弾といった80年代の日本のドロドロしたイビツな初期パンクを彷彿させるので、当時の無名バンドの復刻盤なのかと思ったら、今年メジャーデビューしたバンドのファーストアルバムだった。しかもメンバーは高校を卒業したばかりらしい。

Profile
真実一郎
心に茨を持つリーマン。吐き気がするほどロマンチスト。好きな言葉は「巨悪も美女も眠らせない!」。

サラリーマン漫画の戦後史 (新書y 240)
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