2012年08月

2012年08月27日

編集後記

 この夏は連日の猛暑、特にお盆以降の暑さは尋常でない。節電が尊ばれる世の
中だが、マンション内の日中の室内温度は30度を軽く超え、これはたまらんとエ
アコン、扇風機フル動員である。また日差しよけに、窓の外に、黒の農業用ネッ
トを使っているが、これもなかなかに効果がある。夏場は、外では汗が噴き出る
身だけに、出来る限り外出を控え、冷房空間内で過ごす機会が増える。それとい
そいそと涼を求めプール通い、そしてシャワーは温水を避け、できるだけ冷たい
水を浴びるようにしている。これが実に気持ち良いのだ。例年夏場になると日々
の食事では自宅で氷で冷やした素麺や冷やし中華が食べたくなるが、今年は代わ
りに、スーパーで讃岐生麺を使い、肉汁冷やしつけうどんを食す機会がめっきり
増えた。肉汁はネギと、豚の三枚肉をだし汁で煮込んだものでこれに柚子胡椒や
薬味を入れ、冷やしたうどんをつけて食べるだけの実にシンプルなものだ。素麺
は極細面で涼しげではあるがあまりにあっさりして物足りなかっただけに、しこ
しこの太めのうどんを肉汁にたっぷり潜らせて豪快に食べる充実感は新発見であ
る。肉大好きの我が身にはこたえられないが、悩みは喉越しが良いだけに、うど
んを食べ過ぎてしまうことである。そもそものきっかけは流山の「久兵衛屋」と
いうチェーン店の肉汁うどんを家で再現してみようと上さんに頼んだのが始まり
だったが、これが思いの外美味かったのでヤミツキになり、昼時ならず夜の食卓
メニューにまでなってしまった。それと例年、夏の飲み物として自家製麦茶やペ
ットボトルのお茶、天然水が定番であったが、今年はその座を午後の紅茶の無糖
紅茶が取って代わった。2リットル入りのペットボトルを半ダース単位で河内屋
で安く購入、いつでも冷蔵庫で冷やしてもめる状態にし、そのまま飲んだり、レ
モン果汁を添えて飲んだりもしているが、牛乳を加え、アイスミルクティにして
飲むのが特に飲み心地がいい。暑いさなか、ささやかな身辺に起きたマイブーム
ではある。(中、102.8 32.5 106)

2012年08月20日

編集後記

 お盆前から4泊で茨城の実家に帰る。今回はすでに人に頼んで垣根の刈っても
らった葉や枝の後片付けが一苦労であった。白樫の垣根は4メートルほどの高さ
のため、3人仕事で1.5日を要するが、かつては父が一人でコツコツとこなして
いたかと思うと、頭が下がる。それでも後片付けは自分たちでやらざるを得ない。
裏の林に捨てるスペースがあるので救われるが、それでも夏の暑い盛りを避け、
朝夕を使い2日仕事となった。1輪車をおして何往復もすると汗が噴き出る。仕
事を終え、日中は、畳にごろりと横になる。田の字の間取りの家のため、開けっ
放しにしておくと、心地よい風が吹く抜けてゆく。昔の家は、本当に夏向きに作
ってあることがよくわかる。幾分柱が傾いてはいるが、代々歴史を刻んできたこ
の母屋をどうするか、とりあえずこの夏から家周りの木塀の修理が始まる。
(中、102.0 31.8 106)

2012年08月13日

編集後記

 8月4〜5日に、すっかり恒例となった夜間・徹夜で富士山に今年ものぼってき
た。吾妻商事とバスクの2代理店の共催、東京上野集合で、バスをチャーターし
ての初心者、年齢問わずの、ゆっくり楽しい山行き企画である。今回で9回目。
私も4年前の59歳の時に、還暦直前登山という一大決心で参加、同行の面々の素
晴らしい人柄、サポート力に触れ、感心し、いらい足手まといとは思いつつも毎
年参加している。参加者数も8名、18名、23名と参加者は増えたが、今回はおな
じみのメンバー中心に12人が参加した。これまで下山に使っていた須走り口5合
目(標高1980 メートル)からの上り下りのコース。標高がふだんの5合目登山
口より約400メートル低く、上り始めのアプローチが長いため敬遠されがちだが、
思いの外このルートは静かで登りやすいのだ。今年は天候にも恵まれた。森林地
帯を緩やかに抜けて行く。鳥の声も聞こえる。6合目までが長く感じるが、途中、
眼下には花火が見える、、またほぼまん丸でオレンジ色を帯びた月や満天の星空
を仰ぎみ、一瞬、流星にも出会える。山小屋も6合目、本6合目、7合目、本7
合目、8合目と次々に現れ、山小屋を小目標にするとリズムが取りやすい。ポピ
ュラーな富士吉田登山道よりも変化が多く退屈しない。道路も良く整備され、歩
きにくい岩場や、砂礫の滑りやすい所もほんのわずか。リーダーは、ゆっくり高
度を刻み、かつ呼吸を整えるためにたびたび小休止をとってくれるのでありがた
い。頂上付近の大渋滞を避けるために、富士吉田口からのルートへの合流コース
を避け、下山専用路を頂上まで登るコースを選択した。ペースが違ってきたため
2班に分かれ、ブレーキ要因の私を含むゆっくり上る班は、ご来光は、9合目を
越えたあたりで迎えたが、ご来光を待つ間の寒さは半端じゃなかった。その後頂
上の店で飲んだ暖められた甘酒は体に沁み渡った。体が重く膝が悪い我が身にと
って下山が難題である。テーピングで膝を固め、両ステッキをフル活用し、下り
てゆくのだが、誰よりもその歩みはのろい。グループから離れ午前7時に、頂上
をスタート、下りは1人旅。ブルドーザー道のスロープを8合目まではジグザグ
に下りる。 傍を軽快なステップで次々とおいぬいてゆく人々はかつての私の姿
でもあったはずだ。 コースタイム4時間ほどの下山は退屈で長く、予想外に大
変だが、この須走の下山道は特に7合目から下は、砂走りといって、ほとんど直
線を一気に下りていく。この道を選択するのは3度目だが、下山者が巻き起こす
砂埃がひどく、風の強かったため、それが否応なく襲ってくる。タオルで顔を隠
すもさすがに目までは無理で、砂ぼこりに直撃され目が痛くなる。日焼け止めク
リームを顔じゅうに塗っていたが、それが汗とともに目に入り、痛いわ沁みるわ、
涙で流そうにも砂粒のごろごろ感が取れず、目を開けていられない、このため足
元も怪しく幾度か足をとられる。このコースにはゴーグルが不可欠だ。いやにな
る砂走りの苦行が終わると、最後の樹林帯が待っているが、段差、根っこが多く
疲れた身にはしんどい。コースタイム2時間増しの6時間、午後1時前に何とか
5合目にたどりつく。先に到着していた面々から、冷えた生ビールジョッキを手
渡され、飲み干し、ようやくゴールとなった。メガネごしに目は充血しウサギ目
状態、また温泉では、膝のテーピングをはがす際に太腿の皮が一部剥がれてしま
い、強烈な痛みを伴った。(中、103.8 33.2 107)

2012年08月06日

編集後記

 何気なくロンドンオリンピックの男子柔道の試合を見ていたら、ちょっと気に
なる言葉がやたら耳についた。「100キロ超級、最も重いクラス」という言い回
しだ。「なーんだ、おれもこのクラスか」「大した重さでは無いじゃないか」
「何が最も重いクラスだ」そして「心外だ」という反発である。こんな言葉に引
っ掛かるようではもはや処置なしということか。体を鍛えての100キロ超と、ぶ
よぶよの自分とではそもそも話が違うと言われそう。このところ、スイミングク
ラブに頻繁に通っている。マシントレーニングとプールでのスイミング、水中歩
行であるが、あまりダイエットには効果がない。浮力のせいで太っていても自信
を持ってしまうせいか。古代ローマ人が現代日本の銭湯文化にタイムワープして
の新鮮な驚きを劇画タッチでユーモラスに描いた最近話題になった映画「テルマ
エ・ロマエ」もそうだが、大衆文化を描く際に衣を脱いだ無防備の裸の付き合い
という意味でも浴場コミュニケーションの役割は重要だ。核家族化、ホームバス
の普及とともに銭湯が急速に姿を消しつつあるのはさみしい限りだが、大衆浴場
文化は、スーパー銭湯とともに、いやむしろそれ以上に、どっこい、今のスイミ
ングプールやスポーツジムの風呂がその代替をなしているのではないか、という
仮説を私は持っている。健康志向でジムやプールに通う人が多いが、夜の9時頃
の時間帯でよーく観察すると、毎日のように通っている人の多くが家で風呂に入
らない。たびたびプールサウナで見かける髪の長い若い女性は、スイミングウエ
アとバスタオルで、約1時間のあいだサウナとシャワーコーナーを行き来するだ
けにプールに来ている。こんな活用法もあるのかと妙に納得したものだ。ジャグ
ジー風呂やサウナもついて、しかもプール自体がだだっ広い水風呂との景色に見
える。夏場のプール水温は25度を超え、15度設定の水風呂とはとても言えないが。
通い続ければいろいろな人とも交流も生まれる。これが月6000円で何度でも利用
できるとなればコスト的にも大助かりではないか。そういえば私の通うスイミン
グプールでは、スイミングやスポーツ関連グッズのみならず、最近は健康グッズ
やサプリメント、水素水、果ては温泉パンまで売っているのも今風大衆浴場の怪
しき観がしないでもない。(中、103.8 32.4 106)