29日付の英紙『Independent』によると、イギリスの秘密情報部(MI6)や保安局(MI5)、政府通信本部(GHCQ)などの見解として、レノボ(Lenovo)のコンピューターにハッキングへの脆弱性が認められるため、政府での使用を禁止すべきだとする文書が作成されていたようである。

周知のように、レノボといえば、中国を代表するコンピューター企業で、最近、IBM社のPC部門を買収したことで、大きな話題となった。しかし、以前から中国政府との関係がささやかれていて、アメリカでも、超党派の米議会議員で構成される米中経済・安全保障検討委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)が、安全保障上の理由から、レノボの製品を政府で使わないように警告を発している。

『Independent』の取材に対して、英政府はコメントを拒否している。だが、『Independent』の記事によると、2000年代中頃、イギリスの研究機関が、レノボ製のコンピューターに搭載されたハードウェアやファームウェア(firmware)において、コンピューターを外部から操作したり、データにアクセスしたりすることが可能になる脆弱性を発見したことから、レノボ製品を使用しないように呼びかけられていたという。そのため、英政府では、機密情報をやり取りするような通信ネットワークにおいて、レノボ製品を使わないようにしてきたとされている。

もちろん、レノボ側は、自社の製品が信頼に足るものであり、指摘されているような欠陥はないとアピールしている。ただ、北京に本社を置き、同社の最大株主(保有比率約34%)が中国の国家機関である中国科学院になっているという事実を考えたとき、中国政府との関係を完全に否定することは難しいだろう。

アメリカでも、昨年、中国の通信企業である華為技術(Huawei Technology)ZTEコーポレーションに対して、中国政府との関係が取り沙汰されて、政府内で両社製品の使用禁止が議会から勧告された。その際、中国企業の信頼性・安全性をめぐって大きな議論に発展したが、今回のニュースによって、もしかすると同じことがイギリスにおいても見られるようになるかもしれない。

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"MI6 and MI5 refuse to use Lenovo computers over claims Chinese company makes them vulnerable to hacking, says report"
Independent, July 29, 2013.


Ys-K