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29日、ドイツ誌『Der Spiegel』は、元米中央情報局(CIA)スタッフのエドワード・スノーデン(Edward J. Snowden)氏によってリークされた機密情報から明らかになったこととして、米国家安全保障局(NSA)が2009年5月、一ヶ月間にわたって、世界の政治指導者100人以上を標的とした情報収集を行なっていたと報じた。

同誌が公表した資料によると、一部カットされているものの、アルファベット順に122人の政治指導者の名前がリストアップされていて、その中には、ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相やベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領、シリアのバシャール・アル=アサド(Bashar al-Assad)大統領のほか、2003年から2009年までマレーシア首相を務めたアブドラ・バダウィ(Abdullah Badawi)氏や2007年から2010年までウクライナ首相を務めたユーリャ・ティモシェンコ(Yulia Tymoshenko)氏などの名前も含まれている。

また、今回、公表されていないが、別の資料には、2013年3月7日付で、ドイツへの通信監視を許可する裁判所からの令状をNSAが得ていたり、英政府通信本部(GCHQ)と協力して、ドイツの通信企業3社のサーバーに侵入し、従業員の通信を監視するなどしていたことが記されているようで、『Der Spiegel』は、これらの資料によって、あらためてメルケル首相やドイツ企業がNSAの公式なターゲットとなっていたことが裏付けられたと指摘している。

『Der Spiegel』の報道について、NSAは、コメントを拒否している。米司法省も回答しない方針を採っているようだ。米ホワイトハウスのカイトリン・ヘイデン(Caitlin Hayden)報道官は、「オバマ政権は、メルケル首相の通信を監視していないし、そうするつもりもない」とコメントしているが、過去に監視が行なわれたかどうかについては、明確に否定しなかった。

なお、『Der Spiegel』が明らかにしたところによると、NSAは、ドイツ以外に、中国、メキシコ、日本、ベネズエラ、イエメン、ブラジル、スーダン、グアテマラ、ボスニア、ロシアといった国々への通信監視についても、裁判所から許可を得ていたとしている。その具体的なターゲットについては言及されていないのだが、日本も含まれているだけに、詳報を待ちたいところである。

【関連文書】
Machine vs. Manual Chief-of-State Citations
Der Spiegel, March 29, 2014.

【関連記事】
"'A' for Angela Merkel: GCHQ and NSA Targeted Private German Companies"
Der Spiegel, March 29, 2014.

"Der Spiegel: NSA Put Merkel on List of 122 Targeted Leaders"
The Intercept, March 29, 2014.

"Spiegel report: NSA spied on 122 world leaders, kept 300 files on Merkel"
Deutsche Welle, March 29, 2014.

"NSA listed Merkel among leaders subject to surveillance -- report"
Guardian, March 29, 2014.

"From Merkel to Tymoshenko: NSA spied on 122 world leaders, Snowden docs reveal"
Russia Today, March 29, 2014.

"NSA Kept Hundreds of Reports on German Chancellor Merkel: Report"
Mashable, March 29, 2014.

1カ月で122人の情報収集=NSA、政治指導者対象に-独誌
『時事ドットコム』(2014年3月30日)


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