花宴の台所便り

北米在住20年、世界の家庭料理を取り混ぜながらのうちの食卓です。 現在はカナダのトロント在住。

9月に入って気温10℃くらいの日が続いたトロントですが、夏戻りの週末を迎えています。 片付ける気でいたバーベキューグリルを持ち出して、今年最後のベランダグリルになるでしょうか? 漬け地でマリネが間に合わなかったので、店で買ったラムをそのまま塩胡椒で焼いて、チミチュリソースを添えました。
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チミチュリソースはアルゼンチン料理で、基本はパセリ、ニンニク、オリーブオイルのソース。 ステーキなどに良く合います。 
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イタリアンパセリの葉、今日は冷蔵庫にあったパクチー、ニンニク、塩、オリーブオイルで撹拌します。
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好みでレモン汁とかホワイトヴィネガーを。 酢は緑色を退色させますので、最後に混ぜると良いかと思います。
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前菜に晩夏のサラダ。 今年はトマトが美味しかった♩ 
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ししゃもも少々!
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気温はまだまだ上下しそうですが、日は確実に短くなっています。 夏の間、沢山花を咲かせたバラも濃い緑が褪せて秋の気配。
 

8月中山積みになっていた黄桃が姿を消すと葡萄の季節です。 オンタリオ州はナイアガラを中心にワイナリーも沢山点在する葡萄の産地。 
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これはコンコード種。 皮が少々固めで種がありますが、ジュースにするとその美味しさを発揮します!
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ジュースの取り方は色々ですが、少量でしたら実を外して綺麗に水洗いしてからバーミックスでピュレに、一度漉して滑らかにします。 生の葡萄ジュースは上等なお味ですので、ゼラチンを解いてゼリーにしてデサートに。
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熟したコンコードでしたら砂糖は加えなくても大丈夫です。 好みでレモン汁を少々足しても。
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ジュースを柔らかめにゼリーで固めただけですが、これは格のある上等なデザートになります。 重い主菜の後でもさっぱりと美味しい♩ 

今使っている糠床を下さったのは、私のシカゴ時代にお世話に成ったIさん。 長年育てられたものを美味しく漬かったキュウリと一緒に分けて下さいました。 私はタッパーで冷蔵庫で漬けていますので、空気の入り方などIさんの漬けたものには遠く及びませんが、以来、糠床はニューヨーク、ユタ、そしてトロントと引越の手荷物で一緒に移動しています。 我が家も和食にご飯は週のうちでも半分くらい、常温で漬けるのは手間が入りますが、冷蔵庫ですと漬かるまで時間はかかりますが、気楽に糠漬けが楽しめます。
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蕪とキュウリ。 手前のは古漬けです。
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頃合いの糠漬けは夏場は一番美味しい♩
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古漬けは薄く切って、水気をぎゅっと絞って、塩気によっては軽く塩抜きをします。 私は冷蔵庫漬けですので、塩気は控えめ、絞っただけです。
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生姜のみじん切りとあれば茗荷の薄切りを5分水にさらして絞ったものを古漬けに混ぜます。
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かくや漬けと温かいご飯というのはおかずがいらない美味しさです♩ 奥にあるのは生姜漬けで、いわゆるQちゃん。  

カレンダーが9月に入ると日々はサクサクと足早に過ぎて行くような気がします。 気がつけば重陽、菊のお節句。 特別に材料を買いにいく余裕もなかったので冷蔵庫のありものに、近所で蕪だけを買い求めて、簡単なお膳にしてみました。
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メインはちらし寿司に。 菊型でくり抜いて煮含めたニンジンと厚焼きにした卵で菊のお節句風に。
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具材は冷凍庫に買い置きしておいたちりめんを湯通しして生姜を合わせたもの。
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椎茸の煮含め、ニンジンの煮含め、水で晒した茗荷。
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お揚げを炙ってお醤油をちょっとたらしたもの、菊型で抜いた卵の残り。
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屋根葺き用のニンジン、卵、インゲン。 炊いたご飯を酢飯にして具材を合わせます。
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蕪は日本産のハクライが美味しいですが、二十日大根でも出来ます。 包丁を入れて塩水に浸けてから、軽く絞って甘酢に漬けます。
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おみおつけは丸揚げにして冷蔵庫に入れておいた茄子とオクラ。 冷凍してあった鶏団子に青葱の煮物。 いんげんの胡麻和えも添えて。
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ひとつひとつを一日で作ろうと思うと和食は気が重くなります。 茄子の丸揚げや鶏団子は多めに作っておくと、使い回しがしやすいものです。 手に入る方は食用菊を使うとぐっと素敵になります。 

9月に入ると街中の果物屋さんやスーパーマーケットの軒先に見事に蕾をつけた菊のプラントが並びます。
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 若い頃は薔薇やライラックのような洋花に惹かれ、菊など少しもロマンティックに思わなかったものですが(笑)、今この歳になってみると秋の冷んやりした空気に冴える菊の香気が素敵に思われるのです。 重陽に合わせて菊のお菓子を。
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夏の間は忘れていたのに、空気が冷えてくるとそろそろ練り切りのお菓子が美味しそうに思われます。 小豆の漉し餡は15gの餡玉に、白餡のこなしは半分に分けて一方を着色します。 
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こなしを丸く広げて白と橙を重ねます。
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橙を内側にして餡玉を包みます。
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腰高に丸く形を作ります。
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中央に5ミリくらいの円を定めて、周囲を囲むように鋏を入れていきます。
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鋏は糸切り鋏が向いています。 生菓子ですので熱湯で消毒して。
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これが鋏菊。 一周目が終わったら二周目と鋏を入れていくと重ねたこなしの橙色がほんのりと透けてきます。
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仕上げに色づけしたこなしを網に通してきんとんにして中央に飾ります。
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鋏菊のお菓子。 お菓子屋さんはそれは精密で美しい仕上げをなさいますが、この程度ならば誰でも気楽に作れます。 柔らかい練り切りのお菓子にお抹茶、初秋の楽しみですね。
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