花宴の台所便り

北米在住20年、世界の家庭料理を取り混ぜながらのうちの食卓です。 現在はカナダのトロント在住。

外出が長引いたりしてお夕飯の支度の時間が迫った場合、案外手間無しで仕上がるのはしっかり目のお肉のソテーだったりします。 和食というのはご飯を炊いてお汁を作って、あれとこれとと食器や鍋も増えれば気も使うのですが、がつんと焼いたお肉にパンとサラダなどつけるとそれだけで完成で、不思議と男性陣には手抜きに見えないようです。
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付け合わせはじゃがいもにしましたが、時短で作る場合は茹でたいんげんとか絹さや、今の時期なら菜の花など。 マッシュポテトはじゃがいもを小さめに切って茹でれば15分も煮れば柔らかくなりますので、フォークで潰して牛乳とバターを混ぜるだけ。 電子レンジという手もあります。
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サラダと付け合わせの段取りが整ったら肉に塩胡椒。 
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最初は油で焼き始めます。 
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豚はしっかりと火を通したいのでサイズの合いそうな鍋蓋を上から押し付けます。
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この重石代わりの蓋ですが、アルミホイルを巻いた煉瓦でも代用出来ます。 強火で2分。
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ひっくり返してもう2分。 厚みがある場合は肉を立てて1分。 仕上げに火を中火に下げてバターを大さじ2位とあればハーブ類(セージなど)を足して、溶けたバターをスプーンで肉の上にかけ回して香りをつけます。
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表面が艶々して来た頃には火が通っています。 これは暑さが3センチくらいのもの。 
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レモンを添えて出来上がりです。 一番美味しいのは骨周り(笑)。 

 

 

この冬の日本は暖冬だったのか、昨年末には日系のスーパーで菜の花をみつけてびっくり! 季節が先へ送られている昨今ですが、柔らかい黄色の花付きはいかにも初春、2月くらいに相応しい気がします。
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アスバラガスも混ぜてリゾットに!
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エシャロットをみじん切り。 ポロネギも合いますが、なければ玉ねぎで。 みじん切りにします。
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菜の花は穂先を外して茎と葉を小さく切ります。 アスパラガスも穂先を外して皮をむいてから同様に。
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穂先だけは別に下茹でしておきます。
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リゾットに使うストックです。 葛野菜(玉ねぎの外皮、長ネギの青味、ローリエ、セロリの根、パセリの茎など)を30分くらい煮出したものが良いのですが、代用としては鶏のささみの茹で汁とか昆布出汁とか。 キューブや野菜出汁パックを使うと美味しくなりますが、私はむしろ水で作ってパルミジャーノを増やす方が味が綺麗な気がします。 ストックは温めておきます。
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最初にエシャロットをオリーブオイルでゆっくりと炒め、お米(洗いません)を加えます。
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お米に油が回ったら白ワインを50CCくらい加えてアルコールが飛んだらストックを被るくらい加えます。 ざっと底から混ぜてふつふつするくらいの火加減で火を通します。 水分が減ったらまたストックを足してひとかき混ぜ。 昔風の作り方ですと、ずっとかき混ぜ続けてとろみを出すのですが、今時はいじらない作り方が主流かなあ。
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アルデンテの手前くらいになったら細切りにした野菜を投入、火が通ったら出来上がりです!
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仕上げにパルミジャーノをたっぷりとバター少々を加えて塩気を整えます。
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仕上げのパルミジャーノ!
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出来上がりです!
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旨味の強いストックを使うと美味しいのですが、逆にアスパラや菜の花の香りが負けてしまいます。 ピュレした野菜スープもそうなのですが、水を使ってみると旨味は弱いですがむしろ野菜の味が引き立ちますので試してみて下さい。
 
 

ミュンヘンやウイーンからは遠くないヴェネツィアですが、光の様子が随分違います。 緯度の他にも海や街の高さも関係しているのでしょうが。
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空の色が明るい! 光の加減と空気の湿度は絵画には深く影響しますが、ヴェネツィア派の絵画の明るさはやはりここにあるかなあ?
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これで3時半から4時位。
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どこを切り取っても絵になる街ですね、スマホでこんなのが撮れちゃう。
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リアルト橋の船着場。
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暮れていくリアルト橋から。 ヨーロッパらしい空の色ですね。 建物はドイツ商館で現在はショッピング・モール。 素敵な建物でカフェも入っていますが、モールはちょっと残念かなあ・・・。 
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夕焼けのリアルト橋から。
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 特別な空の色ですね! 実はこの時、橋の上にはこの美しい夕焼け空を収めようとにスマホを向ける皆様で大混雑(笑)。
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灯りが灯り始めます。
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夕闇の大運河。
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ヴェネツィアの夜。 観光客の賑わいも引いて静かです。 
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2月の夜は冷えてきますが、夏の夜のゴンドラは優雅でしょうね! 夜風が心地よくゆらゆらとゴンドラ。 オペラの”ホフマン物語”の”美しい夜”二重唱が浮かんできます。  
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レストランへ向かう道はこんな感じ。 実際はもっと暗いです。 この通りは街灯がありましたが、小路へ入ると静かで暗く、人の移動に反応してパッと灯りがつくタイプの省エネ系街灯もあり。 こんなところにレストランがあるのか・・・と心配になりますがちゃんとあります。
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この日は霧に煙るヴェネツィア。 ゴンドラの船頭さん、無彩色で絵になりますね。
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霧のサン・ジョルジョ島。 青空も良い気分ですが、こういう気怠い風景もヴェネツィアらしい。
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同じ建物でも雰囲気が違って見えます。   

2024年もあっという間にひな祭りです!
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私のお雛様はトロントの自宅に置いたまま、もう4年もお出ししていませんが、トロントは大丈夫かなあ? シンガポールへ転勤の時はコロナ騒ぎの頃でしたし、ここの湿度では傷みも心配で持参しませんでしたが。 千代紙のお雛様も今年で4年目。
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眼科事件もあって、しっかり買い物も出来ませんでしたがちらし寿司さえあれば、お膳もはんなりとひな祭りです! 冷めたご飯がさして好きでもなかった若い頃は興味もありませんでしたのに、自分で作る年齢になってつくづく良いものだなあと思うちらし寿司。
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煮付けておいた冷凍の鰻。 安物の蒲焼はそのままでは美味しくありませんのでお酒と味醂、醤油で煮直して使います。 干し椎茸の含め煮。 桜の花漬けと菜の花。
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菜の花は茹でて蕾の綺麗な部分は屋根ふき用に。 
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茎は細かく切ってご飯に混ぜ込みます。 菜の花の苦味が良いアクセントに!
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薄焼き卵を作ります。 溶いただけの卵でも十分ですが、浮き粉を混ぜると作りやすいです。
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桜は塩を落として水に浸けて塩抜きします。
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薄焼き卵は細い千切りに。 包丁を研いでおくと綺麗に切れます。
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冷凍庫にお揚げがあったので刻んでちょっとお醤油をふってオーブンへ。 カリッとさせてからご飯に混ぜます。
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うなぎもオーブンでパリッとさせて準備。
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ご飯は2合くらいまでなら寿司桶を使わなくても大丈夫です。 寿司酢は10合分で米酢180g、砂糖150g、塩50gを混ぜたものから1合につき大さじ1くらい。
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酢飯に材料を混ぜてご飯は完成!
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今日はお重を使いました!
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辰巳芳子先生の本で読んだのですが、縁から少々の隙間を開けて盛るとスッキリします。 
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海苔を散らして・・・
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錦糸卵を散らすとぐっと春らしく!
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今年は満開の桃の花の下に菜の花で!
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今年は蛤が探せなかったのですが、お寿司だけでも結構華やいだテーブルになります!
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全体をふんわりと混ぜて頂きます! 美味しい!
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お雛様のお寿司は敢えて生魚を使わず、家庭的に仕上げるのが良いかと思います。 鰻を使いましたが、手頃なところではちりめんじゃこでも! 


 

今回、私たちは水上バスの3日間チケットというのを購入しました。 ヴェネツィア本島は成程小さい街で頑張れる人なら徒歩での移動も可能ですし、散歩自体が楽しかったりします。 3日チケットは日によっては使い切ったという感じでもなかったのですが、やはりこれがあると便利で安心。 本島から離れた島に行くのも水上バスですし、お夕飯の後ちょっと歩き疲れたなあと思ったら船、地図で歩くのが面倒な気分になったら船、チケットの有効期間はタップするだけですので、観光の段取りが付いたらこれを買ってしまうのが楽だと思います。
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さて、この日はムラーノ島へ! ホテルから近いメルカートのゴンドラ乗り場からトラゲットで大運河を渡り(リアルト橋を渡れば歩ける距離なのですがここで体力温存)、カンナレージョ地区の船着場へ。 水上バスに乗り込みます!
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霧に煙るラグーンを渡って、グラスの島、ムラーノ島へ! 本島内はグランドカナルでも泳げそうな幅ですが、ラグーンに出ると水量も増えて海を感じます。 ムラーノ島は近くて15分くらいだったでしょうか? 
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ムラーノ島を横切る運河沿いに沢山のお店やカフェ、ショップが並んでいます。
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ムラーノ島も観光ルートにある店のほとんどはお土産屋さんで、かつて日本の縁日で売っていたような小さいガラス細工の鹿とかうさぎなど、どの店も観光客仕様の似たようなものばかりですが、通りからウインドー越しに店内を覗いてみると、趣味が良かったり素敵な品揃えの店も混じっています。 ここはELLEELLEというお店でグラスの他にもガラス工芸のアクセサリーが素敵。 扱っている商品は安物ではないけれど、一万円くらいの予算なら記念になるものが探せそうです。
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ムラーノ島へ行かれましたら、ここはぜひ立ち寄って! Ravanello Vetri D'Arteという店で小運河沿いにあります。 アンティーク店に入るのは少々怖いものですが、こちらはオーナーの審美眼に適った本物のムラーノグラスのビンテージが並んでいます。 お値段は大体八千円くらいからでしょうか、手の届くお値段の商品もあって状態も良いものばかり。 
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オーナーはとても親切でお客の相手も上手、押し付けがましい事もなく、グラスの年代や特徴など説明てくれます。 ヴェネツィア旅の出会い!をみつけたい方にはココがお勧め!
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鳥さんも休憩中。
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霧がかかっていますが、風がないので寒くはありませんでした。
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本島より更に小さい島ですが、こそっとスーパーマーケットが隠れていたり、公園の裏手に入ると広場があったり。 
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グラス・ミュージアムに入ってみます! 
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豪華なグラスのシャンデリアがお迎え!
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グラスのお城! これ、作るの楽しかったでしょうね!?
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こんなオブジェ系も素敵です!
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歴代のモレッティ製品の展示もあったり!
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グラス美術館を出ると、カーニバル・イベントのお嬢様方の列に遭遇!
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お昼はこちらにて!
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Busa Alla Torre、ムラーノでは有名なレストランですが、ここのランチ・セットは本島よりお手頃で美味しい!

ムラーノで買い物欲を満たし、ランチには美味しい白ワイン、すっかり出来上がってしまった我々は更に遠いブラーノ島を諦めて本島へ帰還しました(汗)。 
 



 

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