花宴の台所便り

北米在住20年、世界の家庭料理を取り混ぜながらのうちの食卓です。 現在はカナダのトロント在住。

2016年04月

私はアメリカではニューヨーク、シカゴ、ソルトレイクに住んだ経験がありますが、日系スーパー以外でタコを見たことは無かったと思います。 ニューヨーク辺りはグルメスーパーのシタレラなど種類豊富なお魚を取り扱ってる店もありますが、イカはあってもタコは見た事がありませんでした。 ここ、トロントはイタリア、ギリシャ人口の故でしょうか、タコは冷凍物でしたら簡単に手に入ります。
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本当に不思議な生き物です。 脊柱動物とは全く違った進化を遂げて我が道を進んだ形態というか。 最初にこれを食した人類はいつ頃なのかと思わせる姿ですが、食べると美味しい(笑)。 煮込むと柔らかく、出汁もしっかり出る立派な食材ですね。 

みじん切りのニンニクと玉ねぎを炒めたらさばいたタコを加えてざっと炒まったら白ワインを少々、アルコールを飛ばします。 トマトの素漉しを加えて煮立ったらセロリとオリーブを。 ジャガイモは直接でも、下茹でしてから最後に加えても好みで。
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パスタと和えても美味しい♩ オリーブからも塩気が出ますので、調味しなくても案外良い感じに仕上がります。
  

行者ニンニクを見掛けるとトロントに本当の春がやってきたのを感じます♩ まだ桜も固い蕾の今時、一番最初にマーケットに出てくる地物の野菜がこれです。 英語名はRampsとかWild Leek、白くて細っそりした茎に少し赤みがさしてそこから濃い緑色の葉をつけています。 
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鈴蘭に似ていますが注意して下さい。 鈴蘭は毒で頂けませんので。 これが行者ニンニク。 東京で育った私は日本ではこの野菜を知りませんでした。 北海道の方には馴染んだ食材のようですね。 ニラを品良くしたような美味しい野菜ですが、栽培には向かないのか山へ入って収穫する、山菜採りのような印象の野菜です。
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こちらの方はこれを炒めてパスタと和えたり、付け合せにしますが、日本人には一番美味しいのがお醤油漬け♩
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お醤油をお酒ちょっとで割って被るくらいで一晩漬けます。 柔らかいお野菜ですので、これで十分くらい。 汁気を切って、この醤油漬けと温かいご飯というのは本当に美味しい♩ 漬けたお醤油もチャーハンやドレッシングに転用出来ます。
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焼いた牛肉にも合います! 春先のほんの僅かな旬の間だけ頂ける行者ニンニク、これが過ぎるとコゴミの季節、間引き人参や葉物、地面から春がやって来るのです。   

和風のお献立(洋食も含めて)には不思議と鶏腿肉が主流、揚げ物やしぎ焼きなどは弾力のある腿肉が合いますが、こちらでは好まれるのはむしろ胸肉です。 胸肉は扱いやすいですし、チキンカツには一番向いている部位だと思います。
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2センチ弱くらいでしょうか、スライスしましたら包丁の先で繊維を断つ方向にトントンと突いて下ごしらえをします。 これで口当たりが柔らかく仕上がります。
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扱いやすい部位ですし、柔らかいので家庭ではトンカツよりむしろこの方が失敗が少ないかも。 多めに作ってサンドイッチにも美味しい。
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洋食のカツというのは、シュニッツェルの応用でしょうか? 中欧で一番好まれるシュニッツェルは肉類(子牛、豚、鶏など)をごく薄く叩いて、細かいパン粉をはたいて揚げ焼きにしたものですが、情報の限られた時代、限られた”洋行経験者”が伝えて、それが今の洋食のカツに発展したと思うのですが。
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トンカツソースを切らしてしまっていて、今日は味噌カツ。 名古屋出身のお友達から”生姜を入れると良いですよ”と伺って生姜入りです。 いわゆる練り味噌ですが、お砂糖の配合が足りなかったみたいで、これは研究の余地あり(笑)。  
 

料理家の城戸崎愛さんは私の年代には特別な方です♩ ”ラブおばさんシリーズ”や”赤毛のアンの手作り絵本”、今読み直してもハッとするようなレシピーが沢山詰まっています。 装丁や写真、イラストも素敵でハードカバーの丁寧な本♩ 先日、新聞のサイトで城戸崎愛さんのネギソースと揚げ鶏のレシピーが載っているのを見ましたが、御歳90歳、とてもお元気そうです!

これはそのネギソースを多めに作って保存出来るように、私がちょっと応用したものです。
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鶏の竜田揚げに添えると風味が上がって美味しい! 茹で野菜にも合います。
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こちらでは長ネギ、いわゆる関東の白葱が手に入りにくく、ネギは関西の青ネギが主流です。 城戸崎先生のレシピーは刻んだ白葱、ごま油、お醤油、お酒、お砂糖を合わせるさっぱりしたものですが、多めに作りたかったのでネギをたっぷり、多いと辛くなりますので一度熱くしたごま油にネギを入れて絡めました。
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香りを立たせて、ここにお酒、お醤油、私は米酢も少々足してソースにしています。
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揚げ鶏に合わせてももちろん、茹で野菜にもとても良く合う便利なソースです♩

 



 

先日作った小豆の漉し餡がありましたので、思い立って白餡を作りました。 白餡がありますとこなしが簡単に出来ます。 こなしがあると練り切りが作れる・・・!
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日本のお菓子の不思議さですね、豆がこういう風に発展してくる。 西洋でしたら卵、バター、小麦粉が展開していくものですが。 餡と練り切りと工程が分かれますので、餡は別に作って冷凍保存、材料が整った日に作ると気楽だと思います。 
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これが使った豆です。 日本でしたら白花豆が良いのですが、ホールフーズでみつけたオーガニックのファヴァビーン(そら豆かな?)を使ってみました。 一晩水に浸けて、浸けた水を替えて、渋切りを3回行います(前出の漉し餡を参照して下さい)。 その後、弱火で柔らかく煮ます。 白餡の場合は、浮いてきた皮は取り除いてしまいます。
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煮た豆をフードプロセッサーかバーミックスで潰します。 
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これからが晒しの作業。 これはお料理というより理科実験を思わせます(笑)。 大きいボールに水を張って、ストレイナーをセットし、この水に潰した豆のペーストを溶かしていきます。 豆の澱粉を水に溶いて、皮だけを網に残すという感じかしら? 
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これが水溶きされた豆の澱粉。 これをストレイナーに布巾(日本の布巾が良いです)を敷いて、静かし水分を流して、最後に布巾ごとぎゅっと絞ります。
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これが生餡。 ここにお砂糖を加えて火にかけてぽってりと練り上げたものが白餡です。 冷凍しやすいので小分けにして冷凍を。
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出来上がった白餡(300g)に水溶き白玉粉(小さじ2)を加えて餡に混ぜ、ラップをかけずに電子レンジに2分(これはレンジのパワーに寄ります)。 
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これを弾力が出るまで練り混ぜたのがこなしです。 これを食紅で染めて、後は粘土細工に近い作業。
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芯は小豆の餡玉(15g)、小豆餡は香りが立ってお味が美味しい。 こなしは食紅少々で染めます。 春ですのでピンクと薄緑。 白は豆の色のままです。 
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きんとんは目の粗いストレイナーで漉したものを箸で付けていきます。 箸を水で濡らして拭いながら。 
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さくらはナイフかヘラで形をつけていきます。 ・・・この辺が日本の職人の世界というか・・・家庭の主婦が踏み込みたくないややこしさがある・・・(笑)。 職人さんは材料を計りもせず目分量、手作業で作っても、形も重さも違わずおつくりになる熟練度の勝負というか。 こなしは粘土細工ですから、マジパンと同様にかなり色々のもの(ピカチュー練り切りとかね・・・)が作れますが、日本の美意識で、ものの形を写し過ぎても宜しくなく、抽象化する塩梅にセンスが出るのもありますし(笑)。 
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こういうのは出来ればお店で買いたいですが(笑)、自作はお味はさっぱりと美味しく出来ます。 作業はしにくくなりますが、餡は水分が多い方が柔らかく美味しく感じますので、水分を増やしてみるのも面白いと思います。 晒す段階で贅沢ですがエヴィアンなんか使うとやはり味には影響が出てくるかも知れません。  
   

今の世の中の流通事情であれば、世界のどこからか生の果物が入ってきます。 カリフォルニア、フロリダ、メキシコなどの暖かい地域からの果物がそちらの旬に合わせてセールになったりと、季節感がややこしい現代、保存食のジャム作りの意味は薄れましたが、良く熟れた地物の果物をみると作らずにはいられない・・・(笑)。 去年作って保存しておいたジャム類ですが、もう後1−2ヶ月も経つと次の季節がやってきます。
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クランベリー、黒すぐり、コンコード種のぶどう、開けて頂き切らなくてはと(笑)、ワッフルに添えました。 黒すぐりは白ワインと食前酒のキールにしますと、市販のリカーとは比較出来ないほど美味しいです(笑)。
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そしてスーパーには南米産のピンクマスカットが並ぶのですが、これはとても美味しくて・・・冬場の柑橘類以外は産地の遠い果物には出来るだけ触らない私ですが、つい一房、便利さと季節感を持て余してしまう春先の日々です。 トロントの桜の開花は来週末くらいとか? まだ十日先ですね。 

今年の4月は雪と寒気で始まったトロントですが、このところ一気に春の気配がやって来ています! 週末、野外のあるレストランの外の席は人で一杯! お日様にあたりながらの一杯は美味しいですね(笑)♩ それでも油断していると夜は冷えてくるのが春先。

先日、鶏挽肉の肉団子と大根の煮物を作りました。 普段なら食べきってしまう分量ですが、主人の出張が入ったりで一人分が余ってしまったもの。
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煮返しですと少々代わり映えしませんので、冷凍しておいた鶏出汁をベースにしてポトフ風に転用してみました。
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リーク、ニンジン、煮付けた大根と鶏ボール、冷蔵庫に残っていたキャベツ、じゃがいも、レンコン、菜の花、絹サヤ、味付けは塩胡椒だけ。 材料は下茹でしないで直接スープで煮込んでいます。
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最後にバターをひとかけ。 ポトフは作るのにある程度時間はかかるものですが、鶏出汁から始めれば短時間で調理出来ます。 スープがじんわりと美味しい♩
 

フランスのお総菜的なお料理ですが、じゃがいものコロッケの解体版というか(笑)、コロッケと同じような材料をオーブン焼きにするものです。 昔のエル・ア・ターブルに載っていたパリの人気ビストロ、ル・バラタンのオーナーシェフのレシピから!
 
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牛挽肉と玉ねぎのみじん切りを炒めます。 カリッと焦げ目がつくくらいまでしっかりと。 軽くローストした松の実、パセリのみじん切りを合わせます。 味付けですが塩胡椒と、これがバラタンのカレナさん流で、スパイスとしてパプリカ、クミン、干しぶどう。 味がぐっと締まってきます。
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プチトマトの切ったのも混ぜた具をマッシュポテトの間に敷きます。
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マッシュポテトは茹でたじゃがいもに牛乳とバター、塩胡椒ですが、このお料理の場合はじゃがいもはムーランを通して漉すか、丁寧に潰して滑らかに。 上から溶き卵を塗ってオーブン焼きにします。
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オーブンで火が通ってふんわりしたマッシュポテトと炒めてカリッとした挽肉、トマトのジュワとした酸味、何となくお味は想像つくでしょうか(笑)?
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これは実はエルの編集者が”フランス男をゲットする鉄板レシピを!”とのリクエストにカレナさんが応じたもの(笑)! V君もこれはガツガツと良く食べます。 揚げ物をする気力のない時など、コロッケの代わりにこれも美味しいかなと思います。 

実家の近所、本郷、湯島は東京としては和菓子屋さん、お餅屋さんが多いところでした。 お茶席の上菓子を扱う壺屋さんや今はないと聞いている黄味しぐれの藤村、三原堂、うさぎ屋、甘味屋さんを併設したおつる瀬やみつばちまで様々、みたらし団子ならば天神下のつるせが美味しい。 

みたらし団子はシンプルなおやつですのに、不思議と家では作らないもので、ちょっとお菓子屋さんまで出掛けて買ってくるもの。 お萩、ぼた餅は家で作るものですが。
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 上新粉(米粉)と白玉粉(餅粉)の配合が問題になります。 さっくりと歯切れの良いお餅は上新粉を勝たせて、もっちり伸びるのは白玉粉。 これは半々の配合で、粉が合わせて150g、水180g。
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この位の量でしたら、ボールごと蒸しても良いのですが、手間いらずは電子レンジ・・・。 ラップをして最初に2分、一度混ぜて1分半。 出来上がりましたら、水で濡らした擂粉木でつくか、絞ったふきんに包んで練って粘りを出します。
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餅を太い紐のように伸ばして親指と人差し指で千切るようにお団子にします。 フライパンで焦げ目をつけますがこれが大切。 お醤油大さじ1半、お砂糖30g、片栗粉小さじ1、水50gの餡をかけて出来上がり。 

不思議なもので、日本で育って餅菓子を頂いてきましたのに、不思議とこういうお菓子の方が作るのがややこしく感じます。 洋菓子ならばさして気合を入れなくてもささっと作りますのに。 手慣れているせいでしょうか? 

キスに似たお魚なのですが、トロントの魚屋さんで扱っている数少ない小魚のひとつです。 揚げると骨ごと頂ける淡白で中々美味しいお魚!
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こんな感じで体長は18センチ前後でしょうか? 魚屋さんですと、頭を落として内臓を抜いた状態で売られています。 魚はなべてお高いカナダで、キュウリ魚は安い! 塩は少なめに、胡椒を振って片栗粉をまぶして素揚げにします。
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レモンをきゅっと絞って! さっくりと美味しいですし、骨も頂けるのは嬉しいですね! これは実験で米粉をまぶして揚げてみました。 色付きに時間が掛かりましたが、カリっとした状態を維持します。 和風でも洋風でも納まりが良い魚の揚げ物です。

 

春は貝類の美味しい季節です♩ 目が綺麗になる!なんて話もありますし、料理も簡単で美味しい♩ 唯、こちらでは信用出来る回転の良いお店で求める事。 私は市内に2件あるHOOKEDという魚屋さんで購入しています。 
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 これはマニラクラムと言ってボストンクラムなどより小粒、お値段も安めで味もしっかりしています。貝は貝同士をこする感じで洗って、白ワインか日本酒で火にかけて口をパカッと開かせます。 私は貝から身を外しましたが、貝ごと使っても。 

玉ねぎのみじん切りを炒めて、セロリ、ピーマンの角切りを加えて炒め合わせます。 米を洗わずに加えて、油が回ったら貝の蒸し汁を水で調整して普通に炊きます。 炊き上がりに貝の身を加えて仕上げにイタリアンパセリを。 貝のお味がご飯にしみて美味しい洋風の炊き込み御飯になります。 

私は料理をする際に、電子レンジを積極的に使う方ではないのですが、桜餅の道明寺粉(粒のある餅粉)とか白玉粉でお餅を作る時は、便利な家電です♩
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道明寺粉の場合は、最初に熱湯を入れて10分蒸らします。 ざっと混ぜてからラップをかけて電子レンジへ。 2分くらいですが、これは機種によって調整を。
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ラップのかかった状態で15分蒸らします。 
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ラップを外してから、ヘラで粘りを出したら桜餅の餅の部分が出来上がり。 白玉粉の求肥はもっと簡単で、水とお砂糖と混ぜてやはり電子レンジで2分弱。 ヘラで混ぜて餡を包みます。
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これは漉し餡玉を求肥で包んで、きな粉と抹茶を振ったもの。 これもちょっと春らしい♩  


 

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